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やってきたのは生徒会長と副会長の変態プレイ愛好家コンビに、女の敵のメガネ君と彼の雌奴隷書記である。ある意味ゾンビよりも濃い連中ね。
おや? 他にも何名か男子生徒がついてきてる。これはあれか。生徒会長の愛人枠的な連中なのかな。
恐るべし生徒会長。権力を利用してまさにやりたい放題ね。私もおこぼれを頂戴したいものだわ。デュフフフ。
そんなことを考えていると生徒会長がそばまでやってきた。
「貴方たち大丈夫だった?」
うむすと頷く私とラカン。
生徒会長は安心したように笑みを浮かべると非常階段を見上げた。そこでは相変わらずゾンビたちが蠢いていた。あっ、また落っこちた。
「あれだけの数の死人をよく足止めできたわね」
冷静すぎるだろ生徒会長様。彼女は感心したようなそぶりをみせたあと、愛人たちに何やら指示を出す。
彼女の愛人たちは非常階段を一気に駆け上がると、ゾンビたちを一体一体拘束し始めた。って何者なのアイツら。ゾンビ相手にまったく臆する様子がないわ。それに低スペックなゾンビとはいえ、あんな簡単に押さえ込んでしまうとは。
一流の美少女には一流の愛人がつくということか……。上流階級とは私の想像をはるかに超える世界のようね。
「大変だったでしょう。後は私たちにまかせてゆっくり休むといいわ」
生徒会長からそんなありがたいお言葉を頂く。面倒ごとを押し付けることができて大満足の私はさっさと立ち去ろうとしたのだが、ラカンが待ったをかけた。
「旧校舎になにか仕掛けてあるって言った」
ラカンのその言葉を聞いて生徒会長が私をガン見する。生徒会長だけではない。役員ズも私に注目していた。ついでに私の血圧も一気に上昇である。というかラカン、なぜお前まで私をガン見する。
ここはとりあえず頷いておいたほうがいいのかな。なんてな感じでとりあえず頷いておいた。
生徒会長は旧校舎に振り返ると少しの間考え込んだ。
「……エドモンドが待ち構えている可能性もあるわね。甚内、ゾンビの拘束は一旦中止。旧校舎から出ていく者がいないか見張らせて。康太と蘭は手の空いてるものに連絡。至急、この旧校舎に集まるように指示して頂戴」
副会長が恐ろしい速さで階段を駆け上がっていった。
あれ? 目の錯覚かな? すごく飛んだ気がしました。すごく飛んだ気がしました。
メガネ君と雌豚さんは携帯片手にせわしく連絡を始める。
あれ? 私、帰るタイミング逃した? 帰っていいかなあ。
というかエドモンドって誰だよ? と私は言いたい。