184
ズルズルズル。
モグモグ。
ズズズズズ~。
……プハー!
この天ぷらうどん最高だわ! ラカン、シェフを呼びなさい。フカヒレ=春雨判定機能付きの舌を持つ食通の私が、直々にお褒めの言葉をかけてあげなくては!
「食べるなら黙って食べる」
……はい。
超能力者乱痴気騒ぎを終息させた私たちは件の料亭に集まり、報告会ならびに今後のことを取り決める話し合いを行っていた。
え? 食べてるだけじゃないかって?
風間会長のパパンと甲賀衆のコング、そして私は部屋の片隅でフードファイトしているからよ。お目付け役としてラカンがそばに立っている。
クッ、話し合いに役に立たないからと言ってこの仕打ち……ズルズルズル。
許すまじ! モグモグ。
でもおいしいから許す! ズズズズズ~。
……プハー! めんつゆがすきっ腹にしみるぅ。
そんな感じで華麗なる食事を続ける私たちを片隅に、話し合いは続いていた。最初は私も参加してたんだけどね。
最初に話題にあがったのは首謀者のことだったわ。早速、最後まで首謀者に対峙していた私が事情を聴かれたわけだけど、適当に言いくるめておいたわ。
精神を乗っ取られたんだけど、あまりの空腹にそのイライラの感情を爆発させたら御覧のあり様だったってね。我ながら完璧な説明だと思うわけよ。
でもみんなから疑いの眼差しを向けられたのよね。……解せぬ。
そういえば同時にみんなが可哀そうなものを見る目でみていたような気がしたけど、きっと気のせいね。風間会長は感心したような表情だったし、会長のパパンも「やるな」って感じで不敵な笑みを浮かべてたもんよ。
それに比してラカンの疑うような半目が痛かったわ。まあちびっ娘はいつものことなので無視したけどね。クケケケ。
その後うどんを頼んだら部屋の片隅に移動させられたけど、ボスキャラを倒した私への感謝の気持ちの可能性が微レ存。
まあ、難しい話はこっちも願い下げだからこの待遇はこれでいいかなと思わなくもない。
その後、二人がこっちにやってきてフードファイトを開始し今に至ったってわけよ。
こうして私たち三人がバトってる間に話し合いは順調に進み、今回の騒動は幕を閉じた。
ニコニコガンマぷらすにて漫画版「タナカの異世界成り上がり」の第四章前半が追加されました。
ぜひコメントください。