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「これ以上罪を重ねるでない! その娘を解放するんじゃ!」


 身体が縛り付けられたように固定された。強力なサイコキネシスにからめとられたのか。

 ぅぁ ぉι"ぃっょぃ

 なんてふざけてる場合じゃなかった。っていうかお爺ちゃん、この身体が私だってこと忘れてない? 忘れてないよね? 痛めつけたりなんてしないよね!?


「ええい! こんなときに邪魔を!」


 なんにせよ急いだほうがよさそうだわ。

 まずはコイツを見つけ出す。この身体の中……、確実にコイツはいる。

 いつも自身を強化するときのように感じるのよ。自分自身を構成する細胞ひとつひとつ、そこに息づく生命の息吹を。

 もっと深く……、私という存在を知覚しろ。必ずここに異色の存在がどこかにいるはずよ。

 二人が相変わらず言い争っているけど、だんだんと音が遠くなっていく。

 時間の経過もだんだんと曖昧になる。

 ……ぐーぐー。






「お嬢ちゃんには悪いが大人しくなるまで攻撃させてもらうぞい!」


「もう一度、精神を支配されるがいい! もはや二度と意識を取り戻す幸運など……」


 コラー! 美少女の身体を傷つけるなんて。SNSに投稿して社会的に抹殺するわよ! お爺ちゃん!


「なんだ!? どこから声が! いや……、それよりもこの声はさっきの小娘!?」


 ん? もしかして私の声が聞こえてる!? というかさっきの小娘って、今はあんたがその小娘でしょ。


「馬鹿な!? なぜお前の声が聞こえる。お前という存在は私が完全に支配しているはず。まさか私と同じ能力で別の身体に!?」


 そんな能力私にはないわよ。ちゃんとここにいるっての。それにしてもなんで急に私の声が聞こえるようになったんだろう?

 そういえばなんだか夢の中にいるような心地が。


「夢だと!? 馬鹿な! お前の心は今も私がからめとっている。夢をみるなどあり得ない!」


 ほうほう、それでは私は一体なんだと? もっと現実をみたほうがいいわよ。


「これは幻聴だ! 精神の分野で私にわからないことなどあるはずがない!」


 戦いの最中だってのにハッスルしすぎじゃない? お爺ちゃんも怪訝な様子で独りごとを繰り返すアンタを見てるわよ。


「うるさい! うるさい!! 黙れ!」


 まあ、お爺ちゃんが戦闘を中断してくれているのは都合がいいわ。これでゆっくりアンタを料理できる。

 今の私は夢の中にいるような万能感に満ちているの。なんだかわからないけど謎の確信があるわ。今の私ならばアンタに勝てる。


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