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うーん。私の意識があることをコイツに気づかれないようにしないと、ヤヴァイことになる予感が。
とりあえずどうにか動けないものか実験してみよう。普通にやってもダメなことはわかった。となれば干渉の力を使うしかないわ。
気づかれないように、そーっとね。
ちょっとだけよ。ちょっとだけ。
私は指をちょっとだけ動かすよう力を使った。
ウヒヒヒ、やったわ。この力ならやれる。そしてコイツも気づいていない。
さて、どう料理したものか。
「どういうことだ……。この娘、能力を持っていないだと……」
と私が言いました。ってややこしいわ!
とにかく憎いコンチクショーは、私が超能力を使えないことに気づいたみたいだわ。
「馬鹿な! 先ほど確かに強力な力を使っていたはず」
混乱してる。混乱してる。ウェヒヒヒ。
って遊んでる場合じゃない。このチャンスを活かさなくては。
うーむ、どうしたもんかな。
ん? なんかこの状況に既視感があると思ったら、これってエドモンドのときと似てないか?
エドモンドの立ち位置に私が立って、コイツが私の場所になってるけど。
滅茶苦茶やべぇーーー!!
これって放っておいたら私が消えちゃうんじゃないの!?
うぉおおおお! 急げぇええ! なにかいいアイデアよ、閃け!!
……思いつかん。とりあえず一度落ち着こう。
ひっひっふー。ひっひっふー。
エドモンドでもあきらめた状況か……。
そういやアイツ干渉の力を使うのうまかったな。会長たちは高重力に押しつぶされてるような状況にされてたし。いまだあんな真似のできない私じゃ無理なのか……。
いや、たしかにアイツの干渉はすごいパワーだったけど、応用力なら私が上じゃないかな。アイツは自分自身に干渉するという発想ができていなかった。
もしあのときそれができていたら私を操ることができたかも。そして私を乗っ取ることも……。
ん? 乗っ取る? ここから乗っ取り返すか。
いまコイツは私の中にいる。私は自分自身にならかなり強力に干渉できる。
もしかしていけるか?