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 さあ! 勝負よ!

 ……あれ?

 なんだか気分が変……。それに不思議な感じがするわ。これはいったい……。


「フフフフ、所詮は口だけだったな。あっけなく乗っ取れてしまったではないか」


 と私が宣いました。

 っておいぃいいい! 何言ってんだ私。簡単に負けちゃってるじゃん。


「散々でかい口ほざきながら、負けてしまった今の気分はどんなだと煽りたいところだが、もはや自我もあるまい。後悔する様が見れないことだけが残念だ」


 いやいや、めっちゃ意識ありますよ? あとあっさり負けたことについては反省してます。テヘッ。

 やっぱり悪魔さんの言葉を鵜呑みにするのはよくなかったわね。この手の戦いなら無敵って言ってたじゃん。いや、かなり意訳している気がしなくもない。

 でも意識はあるし、完全にデマってわけでもなさそうよね。

 試しに動いてみるか。

 ……やっぱり無理だ。完全に身体の制御権を奪われてる感じだわ。

 せめてしゃべるくらいは!

 あーあーあー!

 って無理だった。まったくしゃべれない。


「――むぅ。ワシは一体……。ハッ、そうじゃ。戦いはっ」


 おや? お爺ちゃんの意識が戻ったみたい。いつの間にか倒れていたみたいで立ち上がった。


「お目覚めですか会長」


「おお無事じゃったか。それで戦いはどうなったんじゃ?」


 あ、私じゃないって全然気づいてない。

 コラー! いつもの上品で気品のある仕草じゃないでしょ。私じゃないって気づけよ!


「フフフ、もちろん私の勝ちですよ。これだけの準備をしておいて残念でしたね」


「は? 一体何を……。ま、まさかお主……乗っ取ったのか! いや……、馬鹿な……。ワシも乗っ取られ……」


「ようやく気付きましたか。この娘を精神支配するため、少々本気になる必要がありましてね。おかげで会長たちは意識が戻ったというわけです。そうでなければ二度と目覚めることなどなかったでしょう」


 なるほど……。ん? これはひょっとしてチャンスでは。

 いままで群体と化していたコイツはいまは一人。ここで仕留めれば!

 って待てぇえええい! これ私の身体じゃん。

 自分を犠牲にして世界の平和を守る的なノリ、私はごめんよ!


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