表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
171/185

171

 我ながらなんとも無様な戦いだったかもしれない。

 お爺ちゃんには全力で敵の超能力から守ってもらい、私はただひたすら相手の隙を作り続けるだけ。あとはその隙をついてクリスティーナが敵を無力化していく、っていうのが私たちが選んだ戦い方だった。

 それを何度か繰り返したところで、相手もこちらの意図に気づいたみたい。


「まさかその拙いやり方で、こちらの戦力をすべて無力化できると思っているのか。これだけ繰り返せば気づかないわけないだろう。馬鹿にしてくれる」


 追加で三人が現れたわ。相手はあわせて四人。

 これで三対四。お爺ちゃんが優れた能力者だとしてもこれはきつい……。

 なぁんて弱気になるとでも思ったかしら? ヴァカめ! それくらい読んでいるわよ。

 私は片手をあげてサインを送る。

 すかさず敵が衝撃に身を震わせてバタバタと倒れた。遠くから銃声が追い付いてくる。

 待機させておいた狙撃班にもようやく出番がきたわね。使っているのは麻酔銃だから安心しなさい。もっとも量が多くて命にかかわるかもしれないけれど、それくらいは覚悟するのね。先に手をだしたのはそっちなんだから。

 すかさず敵が転移してくる。数は六人。

 戦力の逐次投入なんて愚かね。どれだけ能力があろうと戦いが素人では話にならないわ。

 それともわかっていてやっているのかしら。アンタの性質上、ひとりでも残っていたら再起できるでしょうからね。

 そうだとしたらとんだチキン野郎ですこと、オーホッホッホ!


「……」


 クリスティーナが半目でなにかを訴えている。でも無視無視。

 ここまできたらとことん煽ってあげなきゃ。


「なんの力も持たない小娘が! いい気になるなよ!」


 六人が力押しでこちらを攻撃しはじめる。

 大地が震動し、お爺ちゃんも歯を食いしばっていた。たぶんサイコキネシスってやつの押し合いをやっているのね。

 クリスティーナも防御にまわってちょうだい! お爺ちゃんの負担を少しでも減らすのよ!

 そして私は相変わらずの嫌がらせ攻撃。カプサイシンの雨あられ。煙幕用の爆弾を投入し、狙撃班による攻撃を援護した。でも相手の防御がやぶれない。


「はっはっはっ! もはやお前のでる幕ではない! この強大な力に押しつぶされるがいい!」


 足元の地面が砕け始めた。お爺ちゃんとクリスティーナの二人がかりでも抑えきれなくなったらしい。これはマズい! でも絶好のタイミング!

 私はポシェットに手を突っ込むと遠隔スイッチを探し出した。それポチっとな。

 次の瞬間、戦隊ヒーローよろしく爆発が起こった。もっともヒーローのように背後ではなく敵の足元が爆発したわけだが。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ