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仏宇野高校から少し離れたところにある広場。以前は旧校舎があった場所だけど、いまではその面影はまったく残っておらず空き地となっていた。
ただでさえ人気がないうえに本日は日曜日。しかも立ち入り禁止措置がとられ部活動なんかも休みになっているため、今現在このあたり一帯は人がほとんどいない状態である。
そしてこの何もない場所になんの共通点もなさそうな三人がただ突っ立っていた。
どこにでも転がってそうな老人。
フェロモンむんむんな男子高校生ホイホイ女。
そして私、超時空天元突破級女神型美少女高校生ダナコ。
「どこにでも転がってそうなとはひどいのう」
「貴方ちょっと口が悪すぎない?」
ん? 何言ってんのコイツら。というかナチュラルに私の心の中を読まないでほしいんだけど。
「心の中っていつもほとんど口に……。いや、もうええわい」
お爺ちゃん、言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ。まったく。
そんなことより油断しないでよね、二人とも。しっかり私のことを守るのよ。
「あのね……。アイツらがきたら私だって自分の身を守るので精一杯なのよ。自分の身くらい自分でなんとかする気でいなさい」
なぬ? 私的には時間停止して絶対防御となる魔術くらいかけてくれるもんだと期待してたんだけど。
でなけりゃこんな危険な役引き受けなかったわよ。
「貴方ね……。そんな魔術があったらこんな苦労してないわよ」
オウ、なんてこったい。こりゃあとんでもない勘違いをしてたみたいね。
仕方ない。お爺ちゃん。例の最強でサイキックなシールドをお願いするわ。
「は? なにを言っておるんじゃい。そんなもんないぞ」
「貴方、さっきからなにわけわかんないことを言ってるのよ。ちゃんと話聞いてたんでしょうね」
失礼ね。ちゃんと聞いてたっての。お腹いっぱいで半分夢の中だったから聞き逃していただけよ。
「……」
二人が私を見つめる視線が痛い。ちょっと調子に乗りすぎたかしら? 反省反省。
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