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げっぷ~! いやあ、食った食った。これで今日の晩ご飯代は浮いたわね。フッフッフ、今日の私は運がいい。
あ、そうだわ! ウェイトレスのお姉さーん! このホットケーキってお持ち帰りできますかねえ。ちなみに二人前ね。
「まだ頼むんかい」
目の前のお爺ちゃんがあきれて何かいってるみたいだけど、とりあえず無視無視。ホットケーキ二人前を包んでもらった。さらに食後のソフトクリームを追加。
それをペロペロしながらまったりとした時間を過ごした。うーん、至福のときだわ。
「恐るべき胃袋じゃな」
フッ、トレーニーの食欲をあまくみないことね。筋肉というのはつねにカロリーを消費しているのよ。この程度かるいかるい。
「なるほどのう。まあ、ともかくこれで話ができるようになったわけじゃな」
ん? なんか話あんの?
「お主……、これだけ食べておいて、それで終わりだと思っておったんかい」
だってこれって謝罪と賠償なんじゃないの?
「まあそれも兼ねておるが……、お前さん気にならんのかったのか? ワシが何をやっていたのかなとか」
ハァ~。私がめずらしく気を遣って触れないであげたってのに……。自分からその話題を出しちゃうかなあ。
わかっているわよ。アレでしょ? 男の人は歳をとっても性欲があるっていうし。
「ちがうわい! まったくなんちゅうことを言いはじめるんじゃ、この娘っ子は」
ああ、はいはい。わかった。わかったりましたよ。そういうことにしておいてあげるから。だからおいたは今回かぎりにしておきなさい。
「お主なにもわかっておらんようじゃな。よいか? ワシは能力者を探しておったんじゃよ」
能力者? そんなもん探してどうするんだか。っていうかお爺ちゃんのその力っていったいなんなのよ。
「いまさらそこを聞くんかい! まあよい、ワシはいわゆる超能力者というやつじゃよ」
ふーん。超能力者ねえ。ってアレ?
なんだかモーレツにいやな予感がしてきたんだけど。