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 ついに始まってしまったのか。穏やかな日常はおわり、また過酷な非日常の世界が私に襲い掛かってくるっていうの……。

 両親の失踪――そこから始まる一大スペクタクルロマン。これは大事件の予感がする。


 そんなふうに考えていた時期が私にもありました。


 翌朝、ちょっとだけシリアスになりかけていた私を笑うように一通のメールが届く。そこにはアフリカの熱帯草原で、現地人と同じ格好の我が父が一緒に槍投げをしている元気な姿ががが。

 遊ぶのに夢中で連絡が遅れているわけですね。わかります。

 ってわかるかボケェ!

 これってアレだよねえ。もうかなり現地の色に染まってきてるよね。連絡が遅れたのも文明の利器の使い方を忘れ始めてるからって言われて納得の一枚だよ。

 このまま両親は外国に定住するんではなかろうかと、当初とは別の意味で心配になりましたとさ。

 そんなこんなで後顧の憂いがなくなった私は……、いや、ある意味なくなってないんだけどね。ともかく、なんの心配もなく日常生活を満喫することにしたわけ。


「貴方とっても暇そうねえ。ちょうどいいから私につきあってくれないかしら」


 人の回想シーンに割り込んでくるんじゃないわよ。だいたい登校途中のJKにかけるセリフじゃないでしょ、それ。

 登校の途中、招かれざる客と出会った。その客とは我がフグ戴天の敵、魔術師の親玉、クリスティーナ宝城である。どうでもいいけどフグをカタカナに書くとおいしそう。


「ひどい言われようね。せっかく気をつかって自然な感じで拉致しようとしたのに」


 ひどいのはアンタのほうよ。堂々と拉致とかいいやがりましたよ、このひと。ついに本性を現したってわけね。

 言っておくけど私をさらっても大した身代金は期待できないわよ。


「そんなんじゃないわよ。貴方的にまわりの人間に聞かれたくないだろうと気を遣ってあげたの。ちょっと重要な話が――」


 そのとき地面に苦無が突き刺さった。まるで私とクリスティーナをさえぎるようにね。


「あら、可愛いボディーガードさんも来たみたいね」


 駆けつけたのは私の便利アイテム、ラカンちゃんである。


「便利アイテムじゃない」


 あいさつ代わりのチョップをいただきました。ありがとうございます。


「ちょうどよかったわ。貴方にも関係あるかもしれない話よ」


 んんー? ラカンにも? よくわからないけど間違いなくやっかいごとよね、コレ。


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