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 事件が発生しました。どう考えても私が容疑者です。

 なんて落ち着いてる場合じゃないわ。なんてこと仕出かしてくれちゃってんのよ、アンタ!


『フハハハハ、ついカッとなって力の加減を間違った。反省も後悔もしていない』


 しなさいよ! まったくもう!

 なんて怒ってばかりもいられないわね。連絡はいれておいたからすぐにでも人が駆けつけてくるわ。

 まあ、起こってしまったもんは仕方がない。とりあえずアンタがやったってことをちゃんと自供しなさいよ。ついでに私が止める間もなく粉砕したってフォローも忘れずにね。


『それはできんな』


 なっ、なんでよ! 別にアンタなら警察なんて怖くもないでしょうに。


『あの男が差し出した生贄の力を利用してこの場にとどまってきたが、そろそろそれも限界に近い』


 あんですとぉおお! ちょ、ちょっと待ちなさいよ。せめてみんなに説明するまでふんばりなさい。おもに私の社会的地位のために。


『無理だな。それより最後に言っておくことがある』


 な、なによ急に。しんみりしちゃって……。


『お前の魂に刻まれた力はこの世界の理を記したものだ。ごく僅かな一部ではあるが、それとて途方もない可能性を秘めている。そのことを心しておけ』


 そういえばエドモンドもそんなこと言ってたわね。たしかにたいそうな代物らしいけど、一般人の私にとってどうでもいいことよ。実際そんなに使いこなせてないし、宝の持ち腐れってやつね。


『いやいや、お前は自分のことを謙遜しすぎているぞ』


 ふ、ふん。持ち上げったってなんにも出ないんだからね。


『本当のことだ。先ほどお前がやった術への干渉は、術者ならば喉から手が出るほど欲しくなる力だろう。そして手に入らぬとなれば、どんなことをしてでもその使い手の息の根を止めたくなるほどにな』


 うっ。


『さらばだ、人間。僅かな時間であったが、なかなかに楽しい時間であったぞ』


 コラー! お前もか? お前もなのか! ちょっとイイひとそうな感じをかもし出しながら、どん底に叩き落とすとか悪魔かよ!!

 それを肯定するように凶悪な笑顔をみせながら消えていった。

 アアアアア! アアアアア!


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