表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
149/185

149

「あきらめたか。その潔さに免じて、できるだけ壊れないように研究してあげようかな」


 ハイハイ、それはよろしゅうございましたね。

 そんじゃまあ、こっちもよろしくやらせていただきますわよ。

 私は集中力を高める。あの交流会のときのように。


「まあ、こちらとしてもそのほうが長く楽しめて都合がいいんだがね、フフフ」


 このド変態がぁああああ!

 このダナコ様に触手を搦めてサービスシーンを提供させただけに飽き足らず、さらに辱めようというのか!?

 さては私の魅力的な脇腹に欲情してるわね! このプニプニの脇腹を全国に晒すと!?

 ゆるさん……ゆるさんぞぉおおおお!

 私はハートを熱く燃え上がらせる。しかし頭の中に吹き荒れるのは凍えるような吹雪。

 そう……。熱く、そして冷静に。

 この相反する精神がひとつとなるとき、私はダーナの末裔としての真の力を目覚めさせることができるのよ!


『お前は何を言っているんだ』


 ちょっとぉ。空気読んでくれる? 悪魔さん。

 いまテンションあげまくってるんだから邪魔しないでちょうだい。

 では……、気を取り直して。

 はぁああああ!

 なんてことをしている間に九条が近づいてくる。目を閉じている私がもうあきらめていると思ってるのかもしれないけれど、しっかり捉えているわよ。あなたの存在を。

 わかる!? わかるわ! 今、私は超感覚に目覚めている!

 今の私ならイケる!?

 カールハインツ流最終奥義!


「覇王滅殺!」


 突然大声を出した私に九条が驚いたのがわかる。でも本番はここからよ。


「くぁ~むぇ~か~め――」


 私はすべての力を振り絞るように身体をねじりこんだ。


「なんだ突然。一度は諦めておいて、また悪あがきか? 多少は動けるかもしれないが、一度拘束されればその術からは逃れられ――」


 その自信、今こそ打ち砕いてあげるわ。


「波ぁああああああああ!!」


 私は何かを解き放つように絶叫した。九条が思わずビクッっとなったのを見逃さない。

 あれ? びっくりした? 今、ビクッとなったわよね、アンタ。プププ。

 九条が一瞬イラッとした顔つきに変わる。しかし次の瞬間、その表情が驚きに変わった。


「なん……だと……」


 私の身体を拘束し、さらに周りで蠢いていた植物たちが一斉に崩れ落ちたのだ。その隙を私は見逃さない。

 筋トレで鍛えたぱうわぁと風魔の里で磨き上げた体術の融合。いまこそ解き放つ!

 すぐそばにまで近づいていた九条に素早く駆け寄った。


「神の子に捧ぐ。必殺――」


 私が繰り出した飛び膝蹴りは、九条の顎を的確に打ち抜いた。

 KO!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ