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 私は再び悪魔さんの住処だった社へと戻ってきていた。すでに悪魔さんのかけた里の結界は解除済みよ。

 正気に戻ったジゴロあんちゃんたちや、捕まっていた甲賀衆には手短にわけを話して本隊に合流してもらったわ。いまごろ風間会長たちに詳しく話を聞いているだろう。

 そして私はなにをやっているかというと、いろいろと片付けられてきれいになった境内にひとりポツン状態である。

 なぜこうなった……。

 あのとき提案してきた悪魔さんの笑顔は、私に向けた嵌めるための笑顔だったのではないかと疑いたいくらいだわ。


『ひどい言い様だな。これが最も被害が少ない方法だろう』


 そうね。被害がでるとしても私一人ですむものね。

 ――ってド畜生がぁあああ! 私は! 自分自身が一番大事なのよ! こんな方法選びたくなかったわ!


『ならば断わればよかっただろうに』


 前もって聞いていたら却下していたわよ。アンタが皆の前で話しちゃったから断れなかったんでしょうが。元ボッチなめんな。


『ククク、そうか。それは悪いことをしたな』


 全然、あやまってるヤツの態度じゃないわね。それにしてもこんな広々とした場所で独り言をつぶやいているのも空しいわね。

 現在、悪魔さんは姿を消している。第三者からみれば今の私はまさに近づきたくない類の人間だろう。


『会話を楽しむのもいいが、どうやらここまでのようだ』


 悪魔さんの警告に、思わず私は緊張で拳を握り締めた。

 ようやくヤツがお出ましってわけね。大丈夫、私ならやれるわ。


『お前のその特異なる力。それを十全に扱えれば術者など敵ではなかろう』


 まさか悪魔さんにこの干渉の力をレクチャーしてもらえるなんて思いもよらなかったわ。ただし、こんなスパルタな授業は勘弁してほしかったわ。

 境内に現れた九条は足を止めることなく私のほうにやってくる。そこに慌てた様子など微塵も感じられなかった。たぶん前もって式を使ってこちらの状況を偵察済なのだろう。


「さて、今の状況を説明してもらえるのかな? お嬢さん」


 やってきて早々こんな態度ですよ。随分と余裕そうね。まあ、相手は小娘がひとりとなればそうなるか。

 でも甘くみないことね。私がアンタにとって天敵だってことを骨の髄まで叩き込んであげるわ。


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