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「フン、気に食わんやつだな」


 男が不機嫌そうに鼻を鳴らした。

 ふーん、話から察するにあの悪魔を呼び出したのはあの男で確定ね。でも悪魔のほうは召喚主にたいして従順ではないみたい。これはつけこむ隙があるわ。


「だが戦いには参加してもらうぞ。奴らもお前を見れば戦わざるをえんだろうからな。それとも攻撃されて何もせぬほど腑抜けているわけではあるまい」


『皮肉が多いな。無論かかってくるものには容赦せん』


 げげっ。これはまずいわね。後で連絡して悪魔にだけは手出ししないよう念押ししておかなきゃ。


「それを聞いて安心した。それよりもここはひどい臭いだな。どうにかしたらどうだ」


『それは命令か? 悪魔を小間使いとでも勘違いしているのか』


 うひゃあ。これはヤバいわ。殺気で人を殺すことができるってのを今なら信じれるかも。それほど恐ろしい空気になっているの。

 でも考えようによってはそのままその男を始末してもらったほうがいいかも。これで一件落着な気がするわ。いけ! 悪魔! 私が楽をするために!


「チッ、まあいい。手足として使える駒はいくらでもいるからな」


 男が何か印を結ぶとさっき捕まった風魔衆と軒猿衆が表に向かい始めた。

 あーん? 私たちに掃除させようっての? 自分でちらかしたもんは自分で片付けなさいよ! と言ってやりたいけど今は我慢我慢。

 おっと、やばいわね。ついていかなきゃ。アヘアヘ。


『……』


「どうかしたのか?」


 む? なにやら妙な気配が後ろから……。なんでか知らないけど悪魔がついてきてるみたい。 ちょっ! 怖いんですけど。


「おいおい、どうしたんだ。まさか掃除する気になったのか」


 男の愉快そうな声が聞こえる。急にご機嫌になったわね。悪魔が言うことを聞いてくれてそんなにうれしかったのかしら。

 うっ、振り向いて様子を確認したいけど……、そんなことしたら私の擬態がばれてしまうわ。というか悪魔と目が合いそう。ひぃ、怖いよぉ。

 そのまま私たちは境内へやってきて、表に転がっている腐臭の原因を片付け始める。

 うへぇ、やりたくないなあ。でもやらないとばれちゃうわ。男は出てきてないみたいだけど、監視でもする気なのかここには悪魔がいるのよ。

 というかこの悪魔、私のそばで見張ってるんですけど。ひょっとしてバレてる? バレてる?


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