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『今日はえらくお客さんが多いじゃないか』


 私たちを引き連れてやってきた男に対して、悪魔がやけに馴れ馴れしく声をかけてきた。

 あれ? なんだか前にあった悪魔に比べると、なんだかくだけてるというか人間くさいわね。まあ、見た目は同じく怖いけれど。


「ああ、ようやく本命がやってきたようだ。君の結界だけでは止められない連中だったよ。しょせん噂だと思っていたんだが……。なかなかどうして、これは期待できる相手かもしれない」


 二人の会話を盗み聞くに、どうも男のほうが好戦的な気がする。悪魔のほうは意外と穏健……とまではいかないけど、男の話にたいして興味をもっていない感じだわ。


「最初は気乗りのしない話だったが、思いのほか面白い戦いができそうだよ。そういうわけで新しい術をいただけないかね」


『欲深いことだな、人間。教えてやった術で十分戦えるだろう』


「十分かどうかは私が決める。そもそも目の前の戦いのためだけに術をほしがっているわけではない。私はただ欲しているのだ。陰陽師としてさらなる高みに立つためにね」


『つくづく罪深い男だ。俺などあてにせず勝手に高みに向かえばいいさ』


「いいかげんもっと鬼らしく振舞ったらどうだ。都合がいいことに生贄にできる人間ならたくさんあるぞ」


 うぇえええ。いきなりそっち方面に話をもってっちゃうか? やーめーてー。


『おいおい、お前さんら人間は腹も減っていないのに、食べ物を口の中にブチ込まれて有難がる風習でもあるのか?』


 お? おおお? 悪魔さんなかなか話がわかるぅ。いいぞ、もっと言ってやれぇ。


「あれだけの人間を生贄に呼び出されておいて、たいそうな口を利く。いつから鬼はそんな品行方正になったんだ?」


『べつに生贄目当てで呼び出されてやったわけではない。時代錯誤なことをしでかしている輩の顔を拝みに出てきただけのこと。気にくわないのならこのまま還してもらってかまわんぞ。もっとも、そうなると俺の結界を抜きにして、この状況を脱しなければならんがな』


 おやおや? どうも敵さんはまとまりがないみたいね。これは朗報だわ。

 でも、そもそもの話。なんで陰陽師が黒脛巾衆の里にいるのよ。その辺りからの説明プリーズ。


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