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 私たち潜入部隊は本隊から離れ、黒脛巾衆の里へと降り立った。

 一見のどかな風景なんだけどねえ。どうにもさっきから不安がぬぐえないわ。気配察知とは違うんだけど、なにか変な感じがするのよね。


「そうか? 別になにも感じないけどな。むしろ人の気配をまったく感じないのが異常だと思うぜ」


 ジゴロあんちゃんが小さな声で応えてくれた。

 この潜入部隊にラカンはおろか生徒会のメンバーは誰も入ってない。まあ、選抜部隊なわけで大人――それなりの実力者が選ばれているわ。風魔衆は一応顔見知りではあるけど、私がそれなりに話したことがあるのはジゴロあんちゃんくらいね。

 なんて考えてる場合じゃないわ。

 たしかにこれはおかしい。先に来ていたはずの甲賀衆はどこにいったんだって話よね。まさか全員やられちゃったってこと? それにしては戦いの痕跡がどこにも見当たらないように思う。うまく痕跡を消したってことかしら。


「いや、短時間でこれほど完璧に痕跡を消すことはできねえよ。ここで戦ってないと考えたほうが自然だ」


 ふむ、忍者としての実力は折り紙つきだし、たぶんジゴロあんちゃんの言ってることは正しいんだろう。

 でも、それじゃあ甲賀衆にいったい何があったっていうのよ。


「さあなあ……。とにかくもっと調べるしかねえだろ」


 私たち潜入部隊はこの里の秘密を探るため、さらに隊を分けて行動しようとした。しかしその話し合いのさなか、様子のおかしくなるものが続出する。彼らはこちらの問いかけになんの反応もしめさなくなったのだ。そしてすぐにその被害が軒猿衆にだけ発生していることに気が付く。

 まさか! すでに敵の攻撃が始まっている!?


「どうやらそうみたいだな。くそっ! 妙に頭がボーっとしやがるぜ」


 え? そうなの? 私は別になんともないんだけど。

 でもジゴロあんちゃんの言ってることは正しいらしいわね。すでに他の風魔衆の人間も異常を感じているらしいわ。風魔衆が抵抗できているのは新しく開発されたお札のおかげかしらね。

 軒猿衆もそれなりの対抗策はしていたみたいだけど、どうも通用しなかったみたい。となると甲賀衆もコレにやられた可能性が高いわね。というかほぼ確定だわ。


「ほう、この秘術に抵抗する者がこれほど残るとは。なるほど……、やはり風魔は場数を踏んだ数が違うか」


 なんか変なヤツが現れましたよっと。


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