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 やれやれ、なんでこんな山奥に本拠地をつくるかなあ。戦う前に疲れちゃったよ。

 起伏の激しい山のなかを徒歩で進むこと二時間、小さな盆地状の山間に黒脛巾衆の里はあった。まだ少し離れた山の上から黒脛巾衆の様子を探る。

 風魔の里も田舎だったけど、ここはさらに輪をかけて田舎ね。数百年前の集落だと言われれば、思わず納得するかもしれないほどだわ。

 それにしても……、誰も出歩いていないわね。ただでさえ寂しい感じなのに、そんなの通り越してかなり不気味だわ。

 まあ交流会の件で私たちがやってくるのはわかっていただろうし、向こうも準備万端で待ち構えているってことかな。

 それに対してこちらの陣営はというと、お偉いさんがたで少しの間話し合ったみたい。どうやら予定通り甲賀衆が先行して様子を探るらしいわ。

 やっぱり甲賀衆がでるのね。先陣って一番危険だと思うんだけど、やっぱり面子を気にしてるのかな。交流会で散々だったしね。

 まあ、せっかく危険な役目をやってくれるってんだから、こっちは高みの見物といきますか。文字通り山の上だしね、オホホホホ。

 とりあえずやることないし昼ご飯にしましょう、そうしましょう。

 ヒャッホーイ、キャンプなんてひさしぶりだわ。やっぱりキャンプといえば飯盒炊飯よね。

 ヘイ! オ前ラ、火ヲ焚キナ! 今日ノメニューハかれーダゼ!


「煙で場所がばれる」


 ラカン様からありがたくチョップを頂いた。私たちのお昼は市販の栄養補給ゼリーになりましたとさ。

 はぁ、味気ないわねえ。

 そんなこんなでしばらくの間時間を潰していたのだけれど、いくら待てども甲賀衆からの連絡が来ない。

 不穏な空気が漂うなか、一同は今後どう動くのか話し合いを始めた。まあ、私は要望なんてないから決まった方針にしたがうわよ。

 え? やけに素直であやしい? そりゃ、私としては今すぐこのまま回れ右して撤退が希望だけど、どうせそんな意見とおらないでしょ。

 それより気合をいれなおしなさい。

 甲賀衆だって馬鹿じゃない。相手が陰陽術を使うとわかってたんだから、それなりの準備はしていたはず。その結果がこれだっていうんなら、向こうも相当の準備を整えていたってことよ。油断ならないわ。


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