表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
131/185

131

 なんだか暇ね……。早くもバスの中でだらけているのに飽きてしまったわ。

 私たちが向かっている黒脛巾衆の里は、山形県の山奥にあるらしい。高速道路を利用しているとはいえ、まだまだ時間はかかるわよねえ。

 ああー、退屈退屈。

 そうだわ! せっかくみんなで協力することになったんだし、ここはお互い親交を深めるべきよ。というわけで――。

 ヘイ! コング! 仲直りしようZE!

 思いっきりと睨み返されてしまった。

 チッ、せっかく仲よくしてあげようとしたのに。男のくせにいつまでも過去のことを根に持ってんじゃないわよ。

 それにしてもこのままじゃ皆口会長とお近づきになるのに激しく邪魔ね。私の玉の輿計画が水の泡になってしまうわ。

 しかたない。アンタに恨みはないけど『覇王滅殺亀亀波』で木っ端みじんになりなさい。覇王! 滅殺! くぁ~むぇ~か~め――。


「ダナコ」


 なによ? ラカン。今いいとこなんだからあとに――。

 ラカンが私の口元にハンカチを当ててきたところで、私の意識はフェードアウトした。ぐーぐー。


 ――ユサユサ。

 ああー、気持ちええ~。

 ――ユサユサ。

 この微妙な揺れがさらに深い眠りを誘ってくるわ~。

 ――ユサユサ。

 このまま二度寝いってみよう~。

 ――ドスッ!

 ハッ! 私は一体なにを……。

 突然意識が覚醒した私は、自分の状況をすぐには思い出せなかった。なんだか微妙に脇腹にダメージがあるわ。

 そういえば、山形に向かってるんだったわね、って夜だったはずなのに明るくなってる。

 これは一体……。もしや黒脛巾衆の奇襲か! 気をつけなさい、ラカン! 私の第六感が特盛の危険を知らせてきてるわ! まちがいない!

 それにしても、まさか昼夜を逆転させるほどの術を使ってくるとは。もはや魔術や陰陽術ってレベルじゃない。神の御業といってもいいくらいだわ。

 まちがいない、この戦いは過去類を見ないほどの熾烈なものになるわね。


「……ボケるのに満足したならはやく降りて。みんな待ってる」


 ……はい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ