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 観客席は関係者のみで閑散としていたのだけれど、甲賀衆の敗北という結果をうけてからは、そこかしこで驚きの声があがっていた。

 まあ、当然の反応よね。

 注目の黒脛巾衆はというと早々に立ち去ってしまっていて、グラウンドでは傷ついて動くこともままならない甲賀衆を医療班が運んでいくところだ。

 ルール変更が仇になったわね。旗取りルールが残っていれば、あそこまで痛めつけられることもなかったでしょうに。

 というわけで旗取りルールの復活をお願いします!

 ……なんて要望通らないわよねえ。さて、どうしたものか。

 本日の試合はさっきの試合で終了となり、グラウンドではちびっ子たちの忍者教室が行われている。これも交流の一環ってやつかしらね。

 ちびっ子とはいえ本物の忍者たちなので、行われている指導はかなり本格的なものだった。試合のための障害物も役立ってるようでなにより。

 ん? ちびっ子……。

 ハッ! ラ――。

 ゴフッ! ま、まだ何も言ってないのに……。

 私はラカンのリバーブローをくらい、しばらくのあいだ悶えてましたとさ。

 このまま忍者教室を見ていても何も得るものはないので、私たちはさっさと宿泊所に引き上げた。

 土曜の夜といえばやっぱり「オレたち胸筋族」よね。リバーブローのお返しとばかりに嫌がるラカンといっしょにテレビを見ていると風間会長が訪ねてきた。

 手渡されたのは……、お札? そういえば前にラカンから貰ったのがあったわね。


「これはニップル騎士団の協力で開発されたあたらしいお札よ」


 なんでも以前のお札よりも格段に対魔力があがっているとのこと。黒脛巾衆との戦いに備えてこれを装備しておくように言われた。

 はたして黒脛巾衆の術にどれくらいの効果があるのかしらね。どうなるかわからないけれど、せいぜい期待させてもらうわよ、ジ……、ジークフリート?

 なんで生暖かい目で私を見てるのよ、ラカン。私は友情を大切にする女よ。戦友のことを忘れたりなんかしないわ。

 とりあえず希望の芽は出てきたわね。見たところ黒脛巾衆の身のこなしはそれほどでもなかったと思う。単純な体術ならば会長や副会長に分があるとみた。

 このお札が敵の術を抑えてくれれば、勝機は十分にある。


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