107
やあやあ、やってまいりましたよ。我が国の首都東京。
いろいろな観光地へ遊びに行きたいわけだけど、残念ながら到着したのは私立郷蛇巣那高校よ。
遠くまで来てなにが悲しくて学校に来なきゃならんのよと思いきや、すごいですわこの学校。
なにがすごいかっていうと、まずデカい。東京でこの敷地面積ってどんだけ土地代かかってんのよって問い詰めたくなるくらいに広かった。
そして施設が新しい。これ学校じゃなくてどこかの企業が建てた新しい研究所っていわれても納得の先進的かつピカピカな学校ですわ。
この学校が実質的に甲賀衆の育成機関だってんだから震えますわ。どんだけ金持ってんのよアンタたち。
はっきりいって甲賀衆の力をまざまざと見せつけられたわ。
――で案内されたのは校内にある宿泊施設。
おーい、どこの高級ホテルですかここは。さすがにツッコミどころが多すぎて疲れましたよ。
ということで謝罪と賠償を要求する! ここに移住させてください。お願いします。
「暴走しすぎ」
ラカンの貫手が私のプルンプルンなわき腹にヒットした。
このちびっ娘、最初にチョップのフェイントをいれて攻撃してきましたよ。アンタのツッコミ、どんどん本格的な攻撃になってきててちょっと怖いんだけど。
そんなこんなやってるうちに風間会長から連絡がはいる。私たちは会長が宿泊する部屋に集合した。
ほうほう、私とラカンが使ってる部屋より少し広いわね。ここは三人部屋か。
どうやら生徒会役員三人で使ってるみたいね。てっきり愛人ズを連れ込んでやりたい放題やってるもんだとばかり思ってたんだけど、さすが会長。そう簡単に隙はみせないか。
なんて考えてると交流会についてのミーティングが始まった。
ああ、表向きの交流会もちゃんとやるのね。でも私は部外者だし集まらなくてもよかったんじゃ……。
とりあえずなんにもやることがないので生徒会がまじめに話し合いをしているなか、ボーっと考え事をしてみる。
あーあー、本当に忍者バトルなんてやんのかねえ。甲賀衆の力――主に財力を見せられて不安しかありませんわ。というか札束でビンタされたら喜んで敗北を受け入れちゃうね、あたしゃ。むしろそうなってほしい。