表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/185

105

 表の世界から身を隠し、現在にまで忍の術を伝え続けている者は少なくない。

 黒脛巾衆、軒猿衆、甲賀衆、そして風魔衆。これら四家が東日本においていまだ存続している忍者集団である。

 そのなかでも最大勢力を誇るのが甲賀衆であり、彼らは首都を拠点とし活動してきた。

 東日本の四家は争いをさけるために盟約を交わしているが、甲賀衆が盟主となっているのも彼らの強さを指し示している。

 その甲賀衆が動き始めたそうな。

 フーンって感じだが、思い出した。

 以前の悪魔との戦いを盗み見られていたんだっけ。それをきっかけに風魔衆が危機的立場に立たされる可能性があるって聞いてたけど。やばい状況になったってわけかしら?


「今はまだグレーって感じかな。もう少し風魔衆の力を見極めたいというのが本音でしょうね」


 風間会長の説明によると皆口鬼太郎がやってきたのは、各校生徒会との交流会を開くというものだった。もちろんそれは表向きのことで実際の狙いは他にある。

 この交流会に参加するのは四校。いずれも東日本四家の後ろ盾がある学校で、この交流会では裏の交流も行うそうだ。


「つまり若手同士で腕試しでもしてみようってことだよ」


「さらに深読みすれば、若手同士をぶつけて力量を推し量り、結果次第では本格的に風魔を潰す流れになるってことでしょう」


 副会長と会長の会話がだんだんと物騒なものになっていく。


「そして彼らが最も注目しているのが、悪魔を倒した吉田さんの存在でしょうね。皆口からも念を押されたわ。吉田さんも参加させるようにってね」


 うおぉーん、なんでそこで私が話に入ってきてしまうんですかねえ。私は忍者の世界とは無縁の存在なんですがガガガ。


「やはり各家にも悪魔の伝承があったんだろうね。その悪魔を倒したとなれば嫌でも注目されてしまうか……」


 あきらめないで! 副会長。なんとしてもごまかして話をもみ消して頂戴な!


「そういうわけで申し訳ないんだけど、吉田さんにはその交流会に参加してほしいの。もちろん交流会の間も私たち風魔が貴方のことを護衛するわ」


 おぅ、ノー。こんなん断れる流れじゃないじゃん。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ