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 なにかあったのかしら? 他校の生徒会長が来てたってことは他校とのトラブル?

 まあ問題があったとしても私には関係なさそうね。

 ……いや、まてよ。

 私は何故ここにいる? それは風間会長に呼ばれたからだわ。

 なにか問題があったとして、私に関係あるから呼ばれたんじゃないの?

 いやいや、それはちょっと悲観的すぎるわね。だって他校とのトラブルなんて私に限ってあり得ないでしょう?

 そうよ、トラブルってのは関りがあってこそ成立するものじゃない。ボッチを卒業したての私にそんな人間関係は当然ありはしない。ぶっちゃけた話、我が校の生徒とのトラブルでさえ、起きるかどうかあやしいくらいに人間関係は希薄なのよ。

 自信も持って、ダナコ。アナタは生粋のボッチ気質なのよ。人間関係とは無縁の女。それが私よ!

 ……自分で言っててちょっとむなしくなったわ。

 でもでも、とにかく問題はないはずよ。この生徒会室の暗い雰囲気と私は関係ない。たまたま偶然のタイミングだったのよ。

 だいたいさっきのは私的にはイケメン生徒会長と知り合うというラッキーなイベントだったわ。ここはさっさと用事を済ませてこの喜びをかみしめるとしよう。

 あ……、いやなことに気が付いてしまったわ。

 あのイケメン会長は私のことを知っているそぶりだった。なんで私のことを知っていたのかしら?

 やばい……、嫌な予感が膨れ上がってくる。

 私は生徒会長と目を合わせた。お互いにシリアスな表情だったと思う。


「そう、どうやら貴方は知ってたみたいね。さすがだわ」


 いや、全然意味がわからないんだけど……。思うに風間会長は私に対する評価がちょっとズレ過ぎてるんじゃないかしら。やたらと評価が高い気がする。

 それに風間会長ってときどきとんでも天然を発揮するのよね。いっけん完璧美少女生徒会長なのに、完璧ちっく会長に留まざるをえない所以だわ。


「完璧ちっく……」


 ラカンの口元がひくひく蠢いている。

 アンタいい加減に私の思考を読むのやめなさい。笑うのを我慢してるって皆にバラすわよ。

 なんて二人で無言のやりとりをやってたんだけど、相変わらず天然を発揮している風間会長はそれに気づかずシリアスを続行していた。


「皆口鬼太郎――甲賀衆若手ナンバーワンの実力者。そして次に私たちの前に立ちふさがることになる強大な敵よ」


 この風間会長の言葉には私もシリアスにならざるを得なかった。


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