初デート
その日は彼女とお昼からデートだった
今日は友達と飲みに行くからと嘘をつき
急いで約束の場所に向かった
電車の中で携帯が鳴る
17時50分ーーー
「到着したら教えてください」
ほのかちゃんからだ
まさかもう到着してないだろうな
彼女には男友達だから急がなくていいんだ
なんて言って家まで送り届けていたが
後悔だ
初デートで待たせるなんてありえない
ただ、楽しみにしてくれていたのかなと
少し待たせている現状に
満たされる感情があった
やっぱりほのかちゃんは
俺に色んな感情で満たしてくれるのだ
合流してからは綺麗なお店を2軒飲み歩いた
ほのかちゃんはお酒が好きだが
記憶飛んだりベロベロになるのは嫌だから
そもそもそこまで飲まないという
だからそんな経験もないという
安心した自分はきっと将来の自分だ
つまんないと思った自分は今夜の自分だ
そんな感情が入り交じったまま時が経ち
段々ほのかちゃんの顔が赤くなってきた
このまま猿になれる気分だったー
が
だが同じ職場のアルバイトに
お酒たくさん飲ませて持って帰っただなんて
もしバレてしまったらと過ぎってしまった
真面目な自分が悔しいが
帰り道へと誘導したーーー
その帰り道にほのかちゃんが
饒舌になりながら腕を組んできた
おそらくDカップくらいだろうか
幼い顔にしては興奮する
ずっと腕に感触があるのだ
職場が違ったら間違いなくお泊まりコースだった
そしてきっと職場が異なれば
彼女がいてる事も隠せたはずだ
そんな妄想をしながら感触を味わった
その日は駅でさようならをした
腕に残る感触
服に残る匂い
俺は幸せだった
酔っていたからなのか
ほのかちゃんにまた満たされたのだろうか
その帰り道にお礼の連絡がきて
デート後もしばらく色んな話で
毎日連絡を取るようになった




