向かわないと
俺は、間違っていたんだ
あの時に変な好奇心を持たなければあんなことにならなかったのに
大人しくこの国の王が作った条例に従っていればよかったんだ
それかいっそ王都に出向き、出頭でもなんでもしていればよかったんだ
俺がこの村に来なければ
そうすれば友人 モアは死なずに済んだかもしれなかったのに・・・・
456年7月17日午後1時
また恐怖の日がやってきた
「トル様が来てやったぞぉぉぉぉぉぉ!!頭を下げろぉぉぉぉい!」
いつものようにトルと名乗る兵士がやって来た。
そしていつものように村長の家の中に入っていき、
「ほれっ、酒を」
そしていつものように村長に右手を差し出し、酒を要求した。
内心もう飽き飽きしているであろう村長はこれでもかというほどの愛想笑いを兵士にわからない程度にして、
「わかりましたじゃ・・」
ばれない程度の小さなため息をしながら近くにちた村民に、
「酒をもってきましょう」
といつものように豪華な食事の元、雑談を開始した。
俺は毎回あの兵士が村を去っていく時まで山の奥のほうで待機をしている決まりだった。
だが、俺は少し気になったことがあった。それは、
いったいそのような態度のでかい兵士はどのような格好でどのような顔をしているのだろうか
ということだった。
親の顔が見てみたいじゃないが兵士の顔やどんな奴かを自分の肉眼で見てみたかった。
村の人の話を聞くだけではなにか納得がいかなかったのだ。
そして、その変な好奇心を持ってしまった俺は、もはや恒例のように毎週登っている山を
もはやどの道も完全コンプリートしてしまったといっても過言ではないと思えるほどの山を
おそらく村民のだれも見たことのないほどのスピードで懸け、山を下山していった。
ちょうどその時、村では戸籍検査が始まろうとしていた。
「よ~し、お前ら!これから地区町村戸籍の検査を始めるぞ!
自分の家の前に各世帯ずつ一列になって並べ!」
もはや兵士がこれを言い終わる頃には村民全員が家の前に就き、
検査が始まるのを今か今かと、明らかに期待の情ではないことを伝わらせる状態で怯え、待っていた。
ん?この声がみんな(村の人)の言っていた兵士の声かな?
村に近づいてきた俺は先ほどの声が兵士のものだと確信をし、さらに速度を上げ、
そしてさらに慎重に、村に近づいて行った。
「よし、これで最後っと。最後に一応確認しておくが、不正はしていないよな?」
俺は村民にギリギリ見えない程度の大木の後ろに隠れ話を聞くと、ちょうど検査が終わったとこだった。
村長はしずかに兵士の質問に頷いて答え、合図を送った。
ちょうどいい、トルとか名乗っているかのクソ兵士の顔を見てやろう。
そう思った俺はもう少しだけ大木から身を乗り上げ兵士の顔を確認しようとした。
あと少し!あと少し!
その時、俺は足をたくさんの落ち葉のある場所に足を置いてしまい、大きな雑音が出てしまった。
だんだんと前に出たことで足がよろけてしまい大きな音が出てしまった。当たり前だ。
そして、あわてて辺りを見渡すと村長が目を見開いてこちらを見ていた。
言わなくてもわかる。明らかに驚いている。
「おい」
兵士はこれまでに聞いたことのないような声で村長に話しかけた。
兵士の視線はずっとこちらを疑っている。
「は、はい?ど、どうしたのですじゃ?」
明らかに動揺しているが、間違いなく俺のせいだろう。
「今、音がしなかったか?」
「き、気のせいですじゃないのですかじゃ?」
動揺していてだんだんとしゃべり方がおかしくなっているような気がするが気にしないでおこう。
「なら確認してみていいよな?」
「そ、それは・・・・」
村長は俺に手振りで「逃げろ!」と伝えようと必死だった。
そしてもちろん事の重大さは分かっているので見つからない山奥へ逃げようとしたとき、
「待ってください!」
「何だ貴様は」
「ホノ村 村民 モア・アンモ です!」
そこに出てきたのはもう言うまでもない、モアだった。
モアは村長と兵士が向かい合って立っている間に入り、自己紹介を行った。
「なぜ庇う必要があるのだ?何かやましいことでもあるのか?」
「い、いや・・・」
言う内容を考えてなかったのか言葉に息詰まってしまう。
「まぁ、いい。お前の意思などどうでもいい俺は確認するからな」
「ま、待ってください!あそこだけは、あそこだけはだめなんです!」
モアはついに最後の手段に出た。
「お、おい。貴様!気持ち悪いぞ!俺にそんな態度をとればどうなればわかっているだろうな!?」
最後の手段というのは、抱きつく 足に顔をつけて抱きつき、動きを止め始めた。
それに足を取られて確認にいけない状況になっている。
そういえばすっかり忘れていた。
モアは俺に逃げるチャンスを与えてくれているのだ。
今のうちに逃げてしまおう。と、俺は足を反対に向け・・・
「ええい!うっとおしい奴だ!」
そうしてモアは兵士の持っていた剣で目を切りつけられた
そして目をおさえながら叫ぶモアの姿が映った
始め、俺はあの兵士が一瞬何をしたのか分からなかった。
「え・・・あれ・・・・モア・・・死ん・・・・」
俺は自然に声を漏らしていた。
不幸中の幸いか、この声だけは兵士に聞かれることはなかったbようだった。
それより今大事なことはモアが殺されたことだ。
俺はあの言葉を残した後、どうすれば良いかがなんとなくだが理解していた。単純だが、
兵士に見つからないように逃げればいい。
それだけは分かっていた。
俺はとにかく逃げた。
山を駆けて駆けて、村の領域?そんなもの関係ない。
何のために?死んでしまったモアに詫びる?そんな綺麗ごとではないはずだ。
逃げている途中に気づいてはいたが今はいい。
とりあえず山の奥深くへ俺は駆けていった。
とにかく駆けていった
大事なことを書いていなかったことに書いているときに気づきました。
作中にも書きましたが、ホm・・・ホノ村です。(決してホモなどは(ボソッ
モアのフルネームはモア・アンモです。
これを書いていないと後の物語にも影響が出て、「え?ホノ村ってなに!?」
見たいな感じになっちゃいそうなんで笑
まぁ、そんな感じで3話終了です。
またタイトルと少し関係のないように見えますがわざとです。
関係ないと言われたら終わりですけど笑
4話は主人公の過去について触れていこう思います。
長文失礼しやしたぁ!
次回 第4話「フレイ」