表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪人   作者: 千切りポテト
2/8

友人


俺が初めて村に来た時に快く出迎えてくれた一人。

性別は男 髪型は俺と同じように見える。


それが モアだ。


モアには本当に感謝してもしきれない。


モアには村での楽しみ方、つまり村での娯楽について教えてもらった。


一番最初に教えてもらったのは

長い竿に餌をつるして魚を釣り上げる。釣りだった。

川の上流に登っていき、自分専用の岩に腰をかける。

山の土はとても良いのでミミズがたくさんとれる。

そのミミズや自作の餌などを糸の先端につけてそれを川に落とす。

だがそれがなかなか魚が釣れずにイライラしていた記憶がある。

モアは物心ついたときからよくつりをしていたようなので上手い。

いったい何が違うのかモアに聞いてみると、


「何が違うって?そりゃあ、まずシェンにはまず短気なところをなおしていかないとなぁ?気の・・・」


そこから何十分も釣りの秘けつについてこと細かく説明されていった。真面目に聞いていたのだが、睡魔という悪魔には勝てずに夢の世界へと出かけて行った。

その間に竿が魚に持って行かれたのはまた、別の話である。


だが、魚が釣れた時の感覚がやめられずにだんだんとハマっていった。


次に教えてもらったのは山登り

はじめは何が山を登って楽しいのかと思っていた。

そしてその山から来たのでなにか抵抗があった。


村の領域はちょうど山の頂上で分けられている。

そこに一日で向かい、下山する。

とても単純なことだったが意外と難しいことなのだと分かった。


たくさんと障害物がありモアと協力しながら進むのは楽しい。

一緒に湧水探しなどをするのも楽しかった。

このあたりから良い友情が芽生ていることが実感できた。


俺は毎日午前には父さんと一種に畑仕事をしているのだが

たまにモアも手伝いに来てくれる

モアについてなどいろいろ笑い話などを話し、楽しいことだらけであった



毎日楽しい生活を送っているが、一年に唯一怖い日がある。


地区町村戸籍の検査の日だ。


振り返るが、地区町村戸籍というのは年に1度、各町村や大きい町の場合は

1つの地区全員の名前を紙に記入し、王都の役員に提出することになる。

その戸籍をもとに兵士が各地区町村に出向き、人数やその年の特産物などのデータを王都に持ち帰るシステムとなっている。

ソウゾ国原則条例法から、検査に対する反抗的な態度においては王都へ連行の後、

王との対話の処理となり判決が下される。

(ここから地区町村戸籍の検査のことを戸籍検査と呼ぶとする)


ほかの町や村もこの日が一番の恐怖だろうが、この村はわけが違う。


もちろん俺 シェンの存在を報告しているわけがない。見つかったら即王都へ連行されることは目に見えている。なので村民全員はそれを隠すようにしないといけないので大変な作業だ。


だが、戸籍検査に来る兵士はただ検査を行い、王都に帰ってくれるほどあまいものではない


すべての兵士がそうなのかは知らないが自分の村の場合は、


「うぉぉぉぉらぁぁぁぁぁぁぁ!俺様が来てやったぞぉぉぉぉぉぉ!

 王都の誇り高き兵士、トル様だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


トル というのはおそらくその兵士の名前だろう。


昼に大声を出しながら腰に剣を構えてふらふら歩きながら村の中にのこのこ入ってくる。

これで終わるならいいのだが、ここからが面倒くさいソウゾ国のルールだ


ソウゾ国原則条例法から、検査に対する反抗的な態度においては王都へ連行の後、

王との対話の処理となり判決が下される。

検査時の兵士の緊急の場合、兵士には殺傷の権利が与えられる。


ということはたとえ嘘をついてでも「検査時に人間が襲ってきました」と、王政に伝えるだけである程度の権限が与えられてしまうということになる。中には真面目に検査を行い町民や村民と友好的な関係を築いている兵士もいるのだろうが、自分の村の兵士は言い方で言うと悪い方の兵士だった。


さきほど言ったとおり、大声を出して村の中に入って堂々と村長の家に入り

兵士はあることを要求してくる、


「酒」


にやりと笑いながら村長の顔の前に手を広げて要求したのはその一つであった。

村長はそれに動じることもなく、


「わかりましたじゃ」


と笑って言いながら近くにいた村民に小声でお酒を持ってきて下さいと命令をし、

兵士を近くにあった椅子に座らせると、どこからともなく豪勢な食事がテーブルに置かれた。

そしてほかの村から輸入できた最高級の酒がグラスに注がれる。

そこからいろいろと話を行い、戸籍検査に入っていく。


これはお客様が来たのだから当たり前なのか?俺はそうは思わない。

だが、いくらお客様といっても「酒」の一言で最高級の酒が出てくるほどまではされないだろう。


村全員で襲うことができそうだが、相手の兵士は剣を所持している。

しかも、ソウゾ国原則条例法第2条 各町村、もしくは個人での武器の製造、所持を禁ず

これがある限り、二度と逆らうことはできないだろう。

だが、先ほどの通り兵士にはある程度の権利が与えられている

下手な態度でもとったら殺されたり、王政へ村ごと通報されてしまう恐れがあるので

こういう態度をとるしかないらしい



と、今までは俺の来る前までの兵士の対応だったらしい。


俺がこの村に加入したときに、まず村長に言われたことがある。


「お前、シェンのこの村への加入は喜んで認めよう。

 だが、条件がある。一つは、この村以外の者にお前がここにいることを口外するんじゃないぞ

 もし万が一口外した場合はこの村も、そしてお前も終わることになるからな。

 そして次だが・・・・」


こうして出迎えられた俺はいろいろな説明をされ、立派な村民となった。


そして俺が加入したことにより、さらに緊張する戸籍検査となってしまった。

もちろんこの日は山の奥の方に隠れ、兵士が帰るまでの約4時間ほどを山の中で過ごす。


そんな生活を5年間続けていた。



そして456年7月17日に事件が起きた




今回は説明回のようになってしまいました 

タイトルの「友人」が最初のところにしか出ていないじゃないか!?

大丈夫です。次回はストーリー進行回です。

2話がないと話が進まないのですよ。

こんな小説ですが、よろ!


次回 第3話「向かわないと」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ