表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最低で最悪で最高な人生   作者: オムライス
1/1

友達

初めて小説を書くにあたって

まずは書きやすい僕の人生のいろんな経験を書いてみました。

最低限面白い内容をピックアップして書いているので、お楽しみいただける嬉しいです!

書く能力としてはまだ乏しいかもしれないですが

難しい内容はないので気楽に読んでみてください笑

僕の人生はとてもつまらないのかもしれない。

小学校3年生。

入学してから3年が経とうとしているが、僕には友達が多いほうではない。人に好かれるタイプではない。いわゆる人生の勝ち組にはなれない。

保育園や幼稚園のときとは違い、そういうカーストみたいなのが何となくわかってきていた。

思えば幼稚園の頃は何も考えずに友達ができていたような気がする。親友がひとりいてそれだけで友達の輪が広がり、我ながら友達に囲まれていたように思う。

なにが変わったのか。

3年生にもなれば理由は明確にわかっていた。

まずは僕が太っていたこと。

幼稚園の頃は気にならないことが少しずつ気になってきていた。

足が速いとか、顔がかわいいとか、かっこいいとか...

その中でやはり体型というのは気になってしまうところだろう。

何も考えずに「デブ」と言われるのは辛いこともあった。

もうひとつは親友がいなくなったことだろうか。

入学当初、緊張していた僕はみんなと仲良くなる機会を逃し、まさに陰キャラを貫いていました。

しかし、どうやら陰キャラには陰キャラ同士で集まる習性があるのはどこも同じようで、僕には「デブ友」のようなモノはできた。

「ねー遊ぼうよ」 ひとりでいる僕に急に話しかけてきた。

道山聖夜。聖夜というキラキラした名前には合わないやつだったがそのとき小学校で初めて友達ができた。

少しだけ救われたような気がした。

あまりしゃべるほうではなく、正直に言えば嫌味なやつで、最初は会話も少なかったけど確かに友達ができた。

僕にはそれだけのことが嬉しく思えた。

僕たちは、いつもどちらかの家で時間になるまで永遠とゲームをしていた。とても無駄な時間を過ごしている…自分たちでも感じていた。

楽しい思い出はたくさんある。

一緒にアニメの真似をしたり、ゲームがクリアできずにお母さんに怒られるくらいまでずっと遊んでたり、習い事を始めてみたり…

それがその頃の僕にとっては安定していて最低限度ではあっても“僕たちらしい”生活が遅れていたような気がする。

だからまさか聖夜が行動を起こすなんて考えもしなかった。

ときどきケンカをすることはあったが、次の日には忘れている程度のことしかなかったし、デブ仲間で他の人とは仲良くできないのは当たり前なはずだったから…

いや、もしかしたら僕は少し聖夜を見下していたのかもしれない。

自分より少し太っていて、話すのが苦手で口げんかでも大抵勝っていたようなイメージがある。

不満があったのかもしれない。と気付き始めたのは

聖夜がクラスカースト最上位層の赤城兄弟にこびるようになってからだ。

兄弟といっても、女と男の双子で、男は大翔で女は心結、それぞれが男と女のトップに君臨していて、僕から見れば体は決して大きくないけど間違いなく怖かった。

ふたりはみんなの先頭に立っていたので、何かをするときはいつも人が後ろに着いてきているようなイメージだ。

聖夜は赤城にくっついて、こびって、不格好ではあったがその場にあった行動をとっていた。少なくともそう努めていた。

それを見て「あー、また独りに戻るのかなぁ」と

一瞬思い返してみた。独りだったときと聖夜といたとき…

小学生でも考えられるくらい簡単な答えが出た。

独りはやだ。友達が欲しい。自分から声をかけなきゃ。

やっとだ。1回手に入れたものを失って初めて感じる喪失感の中でなにか大きな物を掴んだ気がする。

入学してから3年目になってようやく1歩踏み出した気がする。

「ねー遊ぼうよ」

赤城兄弟率いる集団に向かって放ったひと言は、本能的に出た僕を救ったひとことだった。

緊張して大きくなってしまった僕の声に戸惑いながら大翔が言った。

「じゃあ1回帰ってから第二公園ね!」

泣きそうになるくらい嬉しかった。

聖夜とも久しぶりに一緒に帰り、遊びに向かった。

遊び始めてすぐに気付いてしまった。気付かされてしまった。

僕の安定していて最低限度だった生活が音を立てて崩れ

僕が踏み出した1歩が明るい勝ち組への1歩ではなく

まさに戦場への1歩であったことに。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ