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恋つらたん短篇集~クリスマス2013年度企画など~  作者: イサギの人
【クリスマス企画】藤井ヒナサンタ【SS】
21/34

15 【だけど不定形】

ヒナさん「はー、もう完全に朝ですねえ」


シュルツ「完全に朝だねえ」


ヒナさん「11時ですからねえ」


シュルツ「むしろお昼だよねえ」


ヒナさん「完全にお昼ですねえ」


シュルツ「いや、どうでもいいんだけどさ、いいのかな」


ヒナさん「なにがですか?」


シュルツ「えっと、こんなに色々と包み隠さずに喋っていいのか、ってさ」


ヒナさん「なにを言うんですか、シュルツさん」


シュルツ「えー?」


ヒナさん「相手の方々は、本気でわたしたちを頼ってくださっているんですよ!」(キラキラ)


シュルツ「あ、はい」


ヒナさん「それなのにわたしたちが程々に答えてどうするんですか!」


シュルツ「やべえスイッチ押しちまったこれ」


ヒナさん「全身全霊! 楽しんでいただくために! 藤井ヒナは労苦を惜しみません! それがわたし、藤井ヒナの乙女道です!」


シュルツ「いろんな道を歩んでいるなあ、ヒナさんは。覇道とか鬼道とか」


ヒナさん「そんな怖そうなところ歩きませんよー」(エヘヘ)


シュルツ「地獄の鬼もヒナさんを避けて通ると思うんだけどな……」


ヒナさん「というわけで、質問いきましょう」


シュルツ「そうしよう」


ヒナさん「実はこちら、シュルツさん宛のお便りです」


シュルツ「まじで」


ヒナさん「お名前【シュルツさんラヴ】さんからです」


シュルツ「あ、はい、どうも……」


ヒナさん「【こんにちは、ヒナさん、シュルツさん。いつも心から応援しながら、見させて頂いてます。】」


シュルツ「おっすおっす」


ヒナさん「【実は好きな人がいるのですが、その人は次元も時代も違う所の人でした。叶わなくてもいい、想いを伝えたいのです。】!!!」


シュルツ「ヒナさん?」


ヒナさん「【今まで一歩も踏み出せなかったのですが、クリスマスということで頑張ってみました。】!!!!!」


シュルツ「テンションあがりすぎ」


ヒナさん「【シュルツさん好きです!!】ですって! ですってー! キャー! あはぁ!」


シュルツ「アッハイ」


ヒナさん「【とっても苦労性な所とか、お人よしな筈がスレていった所とか、いつしか悟りきってしまった所とか、実際の姿は不明だけど不定形な所とか、挙げきれません。】」


シュルツ「不定形……?」


ヒナさん「【質問ではなくてごめんなさいですが、シュルツさんの幸福をお祈りしています! ヒナさん、どうかヒナさんも幸せを掴んで下さいね】。わざわざわたしのことまで、ありがとうございます!」


シュルツ「えっと……」


ヒナさん「はー……」


シュルツ「あの」


ヒナさん「はふぅ……」(満足)


シュルツ「いやいや、あの」


ヒナさん「あ、なんですか?」


シュルツ「それだけなの?」


ヒナさん「え?」


シュルツ「お便り、こう、相談とかじゃないの?」


ヒナさん「なにを言っているんですか、シュルツさん!」(バンッ!)


シュルツ「……」(ビクッ)


ヒナさん「これはラブレターですよ! ラブレター!」


シュルツ「あ、ああー」


ヒナさん「愛を綴ったお手紙! ラブレター! 告白ですよ! 生告白ですよ!」


シュルツ「いや生じゃあねえだろ」


ヒナさん「くっはー、たまらない、たまらないですね! 乙女センサーがラブラブ反応しています!」


シュルツ「変な乙女パーツいっぱいあるな、ヒナさん」


ヒナさん「さ、さ、さ、さ」


シュルツ「え? な、なに?」


ヒナさん「今の心境をどうぞ! シュルツさん!」


シュルツ「えー……」


ヒナさん「好きです、って言われたんですよ! シュルツさんはなんて答えるべきですか!」


シュルツ「いや、まあ、うん、ありがとう、って……?」


ヒナさん「【シュルツさんラヴ】さん、ありがとうですって!」


シュルツ「いや聞こえてるだろ」


ヒナさん「はー……ラブレター、いいものですね、ラブレター」


シュルツ「まあ、うれしいものだけどね」


ヒナさん「このお手紙はあとでラミネートして額縁に入れてシュルツさんのお部屋に送っておきますね?」


シュルツ「ああもうありがた迷惑」


ヒナさん「靴下に入れておいたほうがいいですか? ものすごい、こう、四角い感じの」


シュルツ「巨人族の靴下かよ」


ヒナさん「ああ、はちきれちゃいそうですねー、残念ー」


シュルツ「あとその話、一時間前の冒頭だよ。冒頭からオチに繋げるなら前の話でやるべきだったやつだよ」


ヒナさん「えへへー」


シュルツ「『そのツッコミがほしかった』みたいな顔をするな!」


ヒナさん「このお手紙を届けてくださった方々みたいに、わたしもシュルツさんのことを頼っても、いいですか?」


シュルツ「マジ勘弁」


ヒナさん「こちょこちょ」(コチョコチョ)


シュルツ「いきなりなに!?」(ビクッ)


ヒナさん「いえ、【シュルツさんラヴ】さんのために、ひとつでも多く、シュルツさんのいろんな一面をお見せしようかと」


シュルツ「はいそれじゃまた次回!」


ヒナさん「ああん」


 ヒナより一言:今度ぜひ、シュルツさんトークで盛り上がりましょうね。わたしも何時間でも続けられますよ。えへへ。

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