リハーサル2
ヒナさん「あーあー」
シュルツ「……」
ヒナさん「まいくてす、まいくてすー」
シュルツ「……」
ヒナさん「うん、大丈夫ですね」
シュルツ「……」
ヒナさん「さ、というわけできょうは早速、番組進行のリハーサルを行ないます」
シュルツ「……」
ヒナさん「ちゃんとサンタさんの格好もしてきましたからね。えへへ、可愛いですねこのコスチューム。わたし好きですよ、こういうのも」
シュルツ「……」
ヒナさん「よっし、それでは、制作作家さんが用意してくれました、まずは最初のお手紙からです」
シュルツ「……」
ヒナさん「えーとお名前は【ワナビ先生】さんですね。お手紙どうもありがとうございます。お世話になっております」
シュルツ「……」
ヒナさん「えーと、『いつも番組楽しく拝見させて頂いております』。ありがとうございます。今回のお便りですが、えーと、【ヒナさんはクリスマスにリア充を爆破したいと思ったことはありますか? もしあるのなら、ご一緒させてください】とのことですが」
シュルツ「……」
ヒナさん「わたし、ちょっとリア充って概念がその、よくわからないんですよね。どういうところからリアルが充実している人なんでしょう?」
シュルツ「……」
ヒナさん「わたしはここ数年恋人もいませんし、乙女ゲームの世界で恋心を発散させる人生を送っておりますけれど、たぶん謳歌していると思うんです。毎日すごく楽しいですし」
シュルツ「……」
ヒナさん「なのでごめんなさい、もしかしたら【ワナビ先生】さんにとっては、わたしもリア充なのかもしれません。爆破対象ですね……どうしましょう……」
シュルツ「……」
ヒナさん「もしよろしければ、わたし自身爆破されることはちょっとできませんが、どうしても必要に迫られて爆破をしなければならない状況になりましたら、ぜひお声をかけてください。たぶんお役に立てるはずです」
シュルツ「……」
ヒナさん「ですが、僭越ながらアドバイスさせていただきますと、不特定多数を爆破するよりも、自分が心底憎んでいる方をたったひとりだけ爆破したほうが、手間もかからないし心の鬱憤は晴れるので、わたしはそちらをおすすめしますね」
シュルツ「いや、おい」
ヒナさん「というわけで、【ワナビ先生】さんのお便り【ヒナさんはクリスマスにリア充を爆破したいと思ったことはありますか? もしあるのなら、ご一緒させてください】のお便りでしたー。ご満足いただけたでしょうかー」
シュルツ「……」
ヒナさん「それではまた、お会いしましょうー」
シュルツ「……あのー」
ヒナさん「藤井ヒナサンタとー」
シュルツ「……アシスタント、シュルツの?」
ヒナさん「クリスマス企画でしたー」
シュルツ「……」
ヒナさん「……」
シュルツ「……」
ヒナさん「……ふう」
シュルツ「えと」
ヒナさん「これで、本番も、ばっちりです!」
シュルツ「どういうことだってばよ」
シュルツより一言:解せぬ。