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恋つらたん短篇集~クリスマス2013年度企画など~  作者: イサギの人
【クリスマス企画】藤井ヒナサンタ【SS】
14/34

08 【愛を伝えたい】


ヒナさん「深夜四時ですねえ」


シュルツ「そうだねえ」


ヒナさん「なんだかちょっとのんびりしてきましたねー」


シュルツ「ねむい」


ヒナさん「シュルツさん、まぶたがとろーんとしてますよ?」


シュルツ「うん、ねむい」


ヒナさん「なにか目を覚ますようなことを言いますか?」


シュルツ「え、こわいな」


ヒナさん「ほんのちょっぴりだけでも」


シュルツ「えー……」


ヒナさん「あの、わたし……」(ギュッ)


シュルツ「えっ、ちょ、えっ」


ヒナさん「実はずっと前から、シュルツさんのこと……」(じっ)


シュルツ「えっ、えっ」


ヒナさん「す――」


シュルツ「あー起きた! 今めっちゃ起きた! ちょう起きたわー! マジ起きたわー!」


ヒナさん「わ、わっ」


シュルツ「マジ元気! ボク以上に元気な黒猫のぬいぐるみなんてこの世にはいないね! くあー! たまんねー! 元気が溢れて止まらない誰かボクを止めてくれウオオオー」


ヒナさん「どうしたんですか、シュルツさん、急に……」


シュルツ「……くっ」


ヒナさん「ね、眠気でどうにかなっちゃいました?」


シュルツ「屈辱だ……」


ヒナさん「あのあの……」


シュルツ「ま、うん、眠気はちょっと平気になったよ。お便り持っておいで」


ヒナさん「は、はーい」


シュルツ「はー、マジでそれが一番目覚めるわー」


ヒナさん「持ってきました。どうぞ」


シュルツ「はいはい。それじゃあ読ませていただきまーす」


ヒナさん「お願いします」(ペコリ)


シュルツ「お名前【ちびっこ】さんからのお便りです。どうもどうも」


ヒナさん「ありがとうございますー」


シュルツ「お便り【特に質問はないので……ヒナさんにご相談を。】」


ヒナさん「あら、わたしにですか? なんでしょうー」(エヘヘ)


シュルツ「えーと、【私は感想を書くのが苦手で、ポイントを入れるのは上から目線な気がして、どうしても勇気が出ないんです。】」


ヒナさん「ふんふん」


シュルツ「【それでも、みかみてれんさんに愛を伝えたいです。なにか良い方法はありませんか?アドバイスお願いします。】 、だそうです」


ヒナさん「なるほどー」


シュルツ「というわけでヒナさん、快刀乱麻を断つように、ズバッとどうぞ」


ヒナさん「感想を書くのが苦手、という方はたくさんいらっしゃいますよね。わたしもなかなか思いを伝えるのが上手じゃないんです」


シュルツ「えー?」


ヒナさん「ホントですよ? そんな疑いの目をしないでください。だって怖いじゃないですか。わたしが行ったことがすごく的はずれだったり、『的外れだよ』とか言われたりしたら」


シュルツ「うーん」


ヒナさん「すごくがんばって小説を書いていらっしゃる方々に、批評なんてできません」


シュルツ「まあ、そういうものなのかな……」


ヒナさん「ストーリーを褒めるのも、設定を褒めるのも、構成を褒めるのもなんだかちょっとあれかなあ、って、最終的に『キャラがかっこいいー!』に終始しちゃうんですよねえ」


シュルツ「いいんじゃない?」


ヒナさん「そうなんです、いいんですよ。わたし、わかったんです」


シュルツ「ふむ」


ヒナさん「一言で良いんですよね、『面白かった』とか、『素敵でした』とか、一言だけで」


シュルツ「そうだね、嬉しいものだよ」


ヒナさん「あ、そうですよね、シュルツさん。シュルツさん、製作者側の人ですもんね?」


シュルツ「自分の会社が手がけた乙女ゲーを褒めてもらえると、やっぱり嬉しいよ。どんな言葉でもね。『良い』とか『グッド』とか『パーフェクトだ、ウォルター』とかなんだっていいんだよ。そこに伝えたいって気持ちがあればね。気持ちは届くものだから。もちろん、ポイントもね」


ヒナさん「わー」(パチパチパチ)


シュルツ「あー、なんかボクが答えちゃったね」


ヒナさん「いいと思います。勇気を出して気持ちを伝えるのって、すごく大事ですよね!」


シュルツ「うんうん。特に読者さんや購入者さん、消費者さんはね。何事も伝えることから始まるんだよ」


ヒナさん「じゃあそのみかみてれんさんに愛を伝えるというのは?」


シュルツ「正面から言えばいいんじゃないかな、好きです、って。一度言っちゃえば気持ちいいよ。言ったほうも言われてほうも、ね」


ヒナさん「だそうですよ、【ちびっこ】さん!」


シュルツ「これは決して宣伝じゃないけど、ポイントも入れてやれば泣いて喜ぶと思うよ。大事なのは行動だよね」


ヒナさん「うんうんうん」


シュルツ「すごい勢いで首を縦に振っているね、キミ」


ヒナさん「感動しました」


シュルツ「あ、そう」


ヒナさん「だから、わたしも伝えます」(キリッ)


シュルツ「え?」


ヒナさん「わたし、前から、シュルツさんのこと……」(キラキラ)


シュルツ「それじゃあまた一時間後に! 早く通信を切れ!」


ヒナさん「す――」


 ヒナより一言:あれ、あれ? 切れちゃった? むぅ~。

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