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恋つらたん短篇集~クリスマス2013年度企画など~  作者: イサギの人
【クリスマス企画】藤井ヒナサンタ【SS】
11/34

05 【メールの返信】

ヒナさん「メリークリスマスー♪」


シュルツ「めりくりー」


ヒナさん「夜も更けてまいりましたね!」


シュルツ「元気だなあ、ヒナさん」


ヒナさん「まだまだこれから、ですよ!」


シュルツ「ちょっと眠くなってきたよ」


ヒナさん「サンタさんのお仕事はこれから始まるんですよ?」


シュルツ「もういいからどこかで空飛ぶトナカイでも捕まえて旅立っていってよ、世界中の子どもに夢を届けるためにさあ」


ヒナさん「あら素敵ですね」


シュルツ「一見清楚だけど中身はたっぷり詰まったビッチだから、サンタビキニで子どもたちの夢を破壊してこいよ」


ヒナさん「この季節にビキニは寒いと思うんですよねー」


シュルツ「真冬でも水着でいきてゆく覚悟もないくせに、ビッチを名乗るんじゃないよ」


ヒナさん「わたし自分から口に出したことヒトコトもないと思うんですが……」


シュルツ「ていうかプレゼントは?」


ヒナさん「あ、一時間前のですね」


シュルツ「そうだよ、露骨な引きをしやがって、引きの良いビッチかよ」


ヒナさん「えへへー、わたしサプライズとか好きなんです」


シュルツ「それとこれと今あんまり関係ないよね」


ヒナさん「というわけで、スタッフさんお願いしますー」


シュルツ「え、なになに」


ヒナさん「えへへー、クリスマスケーキですー」


シュルツ「あー」


ヒナさん「わたし本番前に用意していたんです。ブッシュ・ド・ノエルですよー」


シュルツ「はー」


ヒナさん「それにほら、メレンゲのお人形さん、ちゃんとシュルツさんをイメージした黒猫を作ったんですから」


シュルツ「ふーん」


ヒナさん「どうですか? ひとくち。結構美味しいと思いますよ?」


シュルツ「いや、それはいいんだけど」


ヒナさん「?」


シュルツ「ボクこの体じゃ、なにも食べられないんだけど」


ヒナさん「はっ」


シュルツ「ぬいぐるみだし」


ヒナさん「……」


シュルツ「……いや、まあ」


ヒナさん「……」


シュルツ「こういうのは、気持ちだし」


ヒナさん「……」


シュルツ「人形も、なかなかよくできているんじゃない? 似てる似てる」


ヒナさん「……てます」


シュルツ「え?」


ヒナさん「捨ててきます」


シュルツ「待って」


ヒナさん「ごめんなさい、捨ててきます。食べられないのに、いらないですよね。ごめんなさい」


シュルツ「待って」


ヒナさん「あ、じゃあ時空の壁を越えて直接シュルツさんの本体にお届けにいけば……?」


シュルツ「おい待て」




(※ケーキはスタッフが美味しく食べました)




ヒナさん「というわけでー、次のお便りでーす」


シュルツ「なにもボクの人形まで真っ二つに切ることはなかったんじゃなかったかな」


ヒナさん「お名前【三つ目】さんからでーす」


シュルツ「同じ黒猫党として心が痛いよ」


ヒナさん「えー、お便り【ヒナさんこんばんは。恋愛に関しては百戦錬磨のヒナさんに相談があります】。きゃー、コイバナ、コイバナですよー、シュルツさん、コイバナですよー、きゃー」


シュルツ「ああもう独楽鼠のように」


ヒナさん「【最近気になってる女の子がいるのですが、その子からのメールの返信はいつも遅いです。1週間とか、長いと1ヶ月とか。】。ふむふむ、なるほど、なるほどなるほどー」


シュルツ「ああもう目がキラッキラに。男を得たビッチのように」


ヒナさん「【脈は薄いのはわかってるんですが、こういうときヒナさんならどうしますか? 教えてください!】」


シュルツ「だそうで」


ヒナさん「はい」


シュルツ「ビッチ先生」


ヒナさん「はい、いや、はい? 誰がですか?」


シュルツ「どうぞ」


ヒナさん「恋愛というのは、好奇心です。相手の興味を引くことが大切です」


シュルツ「なんだこいつ、それっぽいことを言い出したぞ」


ヒナさん「ただしイケメンに限る、という言葉があるんですが、それは本質を示しているのです」


シュルツ「ふむ……」


ヒナさん「女子にとっては相手が『なにを言ったか』ではなく、『誰が言ったか』が大事なのです。ちょっぴり誇張しているかもしれませんが、そういうものです」


シュルツ「お、おう」


ヒナさん「女子は小手先のジョークやトークではなく、その中身を見ています。なのでメールでどうこうしようという気持ちは一端置いといて、まずは自分の好きなことを努力してみるのはいかがでしょうか?」


シュルツ「えと」


ヒナさん「女子は男子の努力をする姿に、なによりも惹かれるものなんです。これはホントです。顔とかじゃないです。中身をカッコいいと思われればメールなんで3秒ごとでかえってくるようになります。それが女子なんです」


シュルツ「……」


ヒナさん「なので、わたしだったら、まずはなんでもいいから努力します。お菓子作りでも、お掃除でも、お洗濯でも、ボクシングでも、レスリングでも、世界一を目指します。そうして相手の興味を引こうって思いますね」


シュルツ「……」


ヒナさん「こんなところで……どうですか、【三つ目】さん。参考になったなら、嬉しいです」(スッキリ)


シュルツ「ヒナさん」


ヒナさん「はい」(ニッコリ)


シュルツ「一言だけいいかな」


ヒナさん「どうぞ」(エッヘン)


シュルツ「お前が女子の代表面するなよ」


ヒナさん「!?」


 シュルツより一言:良い子のみんな、ヒナさんのアドバイスは鵜呑みにしてはいけませんからね。

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