少女 引き戻される
「ひゃははっ、ちょっと待ちなさいよ!潔く裏社会の輪廻を渡しなさーい!!きゃはっ♡」
ひゅん、ひゅんとさっきから大鎌を振り回し叫びながら追い掛けてくる少女、藤咲菜穂から逃げているのだが
「愛莉香何だ、あのキチガイ。怖えーよ!!」
「あたしに聞かないで!!」
つーかよ、
「何で2年たった今頃来んだよぉぉおおーーー!」
「しるかっ!!ってきゃあっ」
「ひゃはっ、早く此方に来ればいーのですよぅ♡!」
ぶぉん!!話の最中にすら振り回してくる
ムカついたので少し回想してみよう
※※※
今日俺ら2人は高校生活最後の始業式だった
うちの学校は普通、進学、特進と別れていてその中でも更に3組に別れている。
数が小さい組みの方が優遇される。そして俺と愛莉香は特進2組だ。頭が良いんだよ、ふたりとも
まぁ、代わり映えのしないクラスメイトと最早お馴染の教師通称殿こと徳川家泰と軽い会話を交わし、体育館に着き理事長の長ったらい話を受け流し、生徒会の奴等の嫌味ったらしい顔に唾を吐いて風紀委員長として挨拶したはずだ。俺ってばマジHSK過ぎてやばいな
そんなこんなで始業式を終わらせて愛莉香と帰ってたはずだ。そうだそしたらいきなり来たんだコイツが
「あのぅ、そちらのお嬢さん♡もしかして貴女如月愛莉香ですか?ひゃははっ♡」
「………愛莉香の知り合いか?」
「いえ、知らない。でもたぶん裏社会だと思う」
「ひゃははっ、あたし藤咲菜穂っていうんですけどぉ別に裏社会とかどーでもいーんでー、黙ってあたしについてきなさい♡」
びゅうんっ!!そう言いながら大鎌を振り回した少女、菜穂から俺たちは必死で逃げ出した
※※※回想終了
「ちょっとぉ、何考えてるんですか♡殺しちゃいますよぉ?」
人に考えさせる暇くらい与えろよ、って
「愛莉香っ!!そっちは倉庫街で行き止まりだ!!」
「へ?っあ………」
「鬼ごっこはもぅ終りですかぁ、裏社会の輪廻も皆が言う程そうでもないですねぇ。きゃはっ♡」
ちっ、追い詰められた。
「愛莉香後ろに下がっとけ」
「はぁっ?自分が何言ってるのかわかってるの翼!」
「分かってなかったら俺は言わねーよそれにこの状況で言うのも何だけどよ、俺はもうお前に関わってもらいたくねーんだよ、血なまぐさい世界に」
「翼………有難う」
「きゃははっ、逃げる手段を考えるのはいいですけどぉ、逃げても殺しに行っちゃいますよ♡」
「何いってんだてめぇ逃げるわきゃねーだろ。俺は、」
あいつを守りたいだけなんだよ。そう言って近くにあった鉄パイプを取り大鎌少女の懐へと走り出した
「うぉらぁっ!!!!」
ミシッ、骨にヒビが入る音がし、そのまま勢いで近くの壁まで吹き飛ばした
「ぐぁう、ちょっとぉあーんた花の17歳に傷を負わせるとか根性叩き直した方がいーんじゃないんですかぁ♡」
「いや、鉄パイプで殴られていて尚立ち上がれる奴を花なんて言わねーよ」
「きゃはっ♡舐めてると殺っちまうぞ♡」
「そうゆうテメーこそ、裏社会の人間が一般人に負けるかも知れねーって考えといた方がいーんじゃねーの。」
「怒らせちゃった♡菜穂ちゃんを怒らしてくれましたねぇ何処からそんな自信が湧いてくるんでしょう♡」
「自身?イヤ違ぇーよこれは確信だ」
…こんな事いってるけど俺の内心ガクブルだっつの
「きゃはっ♡それじゃぁ」
「勝負と行こうじゃねぇか」