テンプレって楽できるよねって感じの第一話
やあ、いらっしゃい
普通はここでお邪魔しますというべきなのだろう
そんなとこに突っ立てないでこっちに来なさい
まったく訳が分からない、取り敢えず言われた通りに近寄ってみる
まずは“ここ”がどこで、何で君がここにいるかを説明しなきゃならないのだけど・・・
確かに“ここ”はいったいどこだ?確か俺は自分の部屋で寝たはずなのだが?
“ここ”は私が君のために“作った”特別な空間さ、あと“ここ”に君がいるのは選ばれたからだよ
選ばれた?
そう、君は選ばれた、というよりも候補者リストの一番上にいたからね。とりあえず呼んでみただけさ
そんなに簡単に・・・ん?
やっと気づいた?
なんで考えていることがわかるのだ?
そりゃ“ここ”は私が“作った”空間だし一般的に言えば“神”と呼ばれる存在だからね
はぁ・・・とにかくなんで俺を呼んだのですか?
驚いたりしないの?
空間を“作る”なんてこと神でなければできないでしょう?
確かに、だけれども君にもできるように“なってもらう”んだよ?
・・・どういうことですか?
もう一度言うよ君にはできるように“なってもらう”
“神になれ”と
いや違うよ、これは君に頼みたいことに関係するからね。
まずは質問をするよ、いいかい?
・・・ええ
不満そうだね、まあいいか。
じゃあ一つ目、もしも“君は死んだ”と急に神を名乗るものに言われたらどうする?
死因がはっきりしているなら、その後のことを聞いたり家族のことを聞く。死因がはっきりしていないなら、なんで死んだのか聞く
そうか、じゃあ二つ目、その死因が神によるものだとしたら?
なぜ?と聞く
それは殺した理由?
そう
ならば三つ目、君は“私の手違いで死んだ”と言われたら?
怒る、そして生き返らせろと言う
それはできない、と言われたら?
何かしらの対価をもらう
そうか、ありがとう。質問は以上だよ
もしかして、俺は死んだんですか?
いや違うよ、正確には“向こう”の魂のコピーさ
“向こう”がさすものは分かるが魂のコピー?
うん、昔は殺していたけれどね。先代が対価で“神をも殺せる力”を与えてしまって、殺されたんだ。それからこういう風にしたんだ
そうなんですか、ところで俺にやってもらいたい事ってなんですか?
それが問題なんだけれどね、いくつあるんだ。その中から選んでもらうことになるよ、ちなみに小説とかの物語に介入はできないからね。やりたかったら頑張ってもらわないといけないんだ
そうですか、たとえばどんなのがあるんですか
君に適正があるのは、創造神・魔神・破壊神・天使・死神・観察者だね
なんかものすごいのがたくさんあったような・・・
創造神は世界を作って定期的に災害を起こしたり宗教上の神になってもらうことになるよ、魔神は魔界の神基本的な仕事は魔術師とかに召喚されて暴れまわるだけ。
破壊神は基本魔神と同じだけど、暴れるんじゃなくて世界を壊してもらうよ、あと創造神が作ったものも要請があれば壊してもらう。
天使は死者の魂の選別。死神は死者の魂を天使のいる場所に連れて行くだけ。
観察者は創造神の作った世界とかに行ってその世界の状況を報告してもらう、観察だから手を出すことはできないけれど、破壊神に破壊要請ができる。
よほどのことが無いと受理されないけれどね。大まかな説明は以上だよ
でどれにする?
そういえばさっき言っていた“小説などの世界に介入するために頑張ってもらうこと”ってなんですか?
それはどれでもいいから一定以上の経験を積んで申請した後査問会で許可が下りたらできるよ
一定の経験ってどのくらいですか?
さあ私はこの世界で選ばれたものを送り届けるだけだから
そうですか・・・それじゃあなんで先代を殺したものはそんな力を得ることができたんですか?
ああ、それは違う世界に飛ばされるときにとの世界に応じた様々な力を得ることができるんだ、だからだよ。さてそろそろ決めてもらってもいいかな
あっ、はい。それじゃあ死神でお願いします
いいんだね?今なら変えられるよ?
死神でお願いします
そうか、分かった。それじゃあ頑張ってね
はい・・・
なんだ、だんだん眠く・・・なって
彼は行ったね。さて、いろいろと仕込みますか
** *
「ここは?」
目が覚めたら見知らぬ部屋で寝ていた、なんてシャレにならんな。
コンコン
「?・・・どうぞ」
かちゃ
ドアを開けて入ってきたのは、見るからに死神という人物だった
死神?
「やあ、おはよう新人君」
「おはようございます」
死神?
「私は死神のベルベットだ、君の世話を頼まれた。よろしく」
「よろしくお願いします」
ベルベット
「死神がどういうのかはある程度の説明を受けただろ?」
「ええ」
ベルベット
「それじゃあ、仕事をやる上で守らなくてはならないことがある。それをしっかりやって貰わないと大変なことになるからね」
「分かりました」
ベルベット
「一つ目、指令書をよく読む。仕事は数枚の紙に記されて各死神に渡される。これをよく読んでおかないとターゲットの居場所が分からなくなるからちゃんと読んでおくこと。
二つ目、確実に相手の魂を刈り取ること。たまに自分のよく知る人物の魂を狩ることがある、その時もちゃんとやらなければその代償はどこかに回される。
三つ目、死神を見えることができる人間が偶にいるが決して仲良くならないこと。そういう人間は死ぬのが近いんだ。そういう人間に限って仲良くしている奴に指令書が来る。
この三つを守っていれば大丈夫さ、ここ迄で質問は?」
「いえ、大丈夫です」
ベルベット
「そうか、ならば次は階級についてだ。階級というのは見習い、下級、中級、上級、特級。の五段階に分かれていて特級の上に“デス”と呼ばれる死神がいる、指令書は基本“デス”から渡される。渡されるというか各部屋の机の上に自動的に置かれる、気が付くとあるから机の上は常に整頓しておくこと。あとデスは普通の死神ではなることはできないからな。階級はすべて刈り取った人間の魂の数で決まる。いわば熟練度だ」
「ベルモットさん、こちらに来るときに他の世界に介入するためには一定以上の経験がなければいけないと言われたんですが」
ベルモット
「それについては特級になると同時に“デス”が申請して査問会に提出してくれるから、その後は定期的に査問会に提出する書類が届けられるから、自分で書いて“デス”に提出すれば持って行ってくれるぞ」
「そうですか」
ベルモット
「ああ、あと“さん”はいらないぞ、ベルモットでいい。後敬語もな、年功序列なんてないからなここは、まあ“デス”の前ではちゃんとしておけよ」
「はい」
ベルモット
「さてと、それじゃあそろそろ行くか?」
「どこに?」
ベルモット
「必要なものを揃えに」