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13話&お知らせ

お知らせ部分で察した方もいらっしゃるかと思いますが、ここで連載を終えます。言い訳は後書きにて


では、最後に書いていたところまで投稿。


「なんだっ!?」


 突然、渦巻く炎が俺を背後から包み込んだ。


 不思議なことにこの炎は熱くなく、むしろ暖かい。不思議なことに、そこに小野川の意思を感じる。


 しかし、ほっとするような気分も一瞬で、目の前に迫る巨大玉に意識が向く。


 すると周囲に纏う炎の渦から、巨大玉を飲み込むような竜の咢を模した炎が飛び出していった。



「えぇっ!?」



 炎の壁でうっすらとしか見えないが、男の子の顔が驚愕の表情になってた。まあ中にいる俺もびっくりだから外から見てもかなりアレなんだろうけど。


 それぞれが突然の出来事に驚いている内に、炎の咢が玉を飲み込んでいく。



「噛み砕けっ!!」



 バクンッと音を立てて咢がその大きな口を勢い良く閉じると同時に、巨大玉が破裂した。


 目の前で破裂したから相当な衝撃が来るだろうと身構えるが--



「うわぁぁぁっ!?」


「タカトッ!?」


「え?」



 いつまで経っても衝撃が来ることはなく、変わりに届いたのは少年の叫び声。


 気づいたら炎は消えていて、少年が倒れて気を失っているみたいだ。



「神崎、今の内にもう一人をっ!!」


「えっ、あ、ああ!」



 小野川に言われてようやく、女の子の方も呆然としているのに気が付いた。


 一瞬ですぐ側まで駆け寄ったのはいいけど、どうしろと?


 殴って気絶させる? 


 いやいや、こんな女の子を殴るってのはどうかと。


 そうして一瞬の間うじうじ悩んでいると、女の子と目があった。


 俺がその目にどう映ったのかは分からない。あまり感情が感じられなかった表情から、驚きと、僅かばかりの恐怖を感じた。


 迷っている暇はない。握りしめた拳を引き締める。



「ひっ」



 女の子の目が、大きく見開かれる。


 怖がるくらいなら、最初からこんなことしてんじゃねぇよ!


 だから俺は構えた拳をーー



「っ、こんのバカたれがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



 思いっきり突きだした。





「あ~、疲れたっ」


「ふふっ、ご苦労様だったな」



 あの後、結局殴ることは出来ずに、顔面の真横スレスレを狙った拳は、風圧で髪の毛を揺らして、一瞬の間を置いて女の子は気絶した。


 かなり大変だったけど、なんとか無事に終わって、今は『憩い』で突っ伏してる。


 あの後小野川は、久賀美が双子になにをするか分かったものじゃないと、一旦俺たちが保護することにした。


 マスターを呼んで車で迎えに来てもらうのまでは良かったんだけど……



「うん、あの階段を子供二人担いで降りるのは地獄だと思い知った」



 車は神社があるところまで階段を上ってこれるはずもない。


 小野川は異能の使いすぎでダウンしてたし、もしかしてたら小野川まで背負うはめになってたかもしれないと考えると、本当に助かった。


 正直、小さい子供とはいえ二人を運ぶのは本当にきつい。男の子の方は前に抱きかかえて、女の子は背中に背負って小野川が支えてくれている。


 たぶん異能が使えたらこのくらいなら楽勝だったと思う。……これ以上使ってたら倒れてるだろうけどさ。



「そういえばさ、アレってなんだったの?」


「アレ?」


「おう、あの焼けない……炎?」



 俺を包み込むみたいに動いていた小野川の炎。今思い返しても訳が分からない。



「ああ、アレね……まぁ、うん。なに、切り札的なもので、焼ける対象を選ぶことができるだけだよ?」


「そんな便利なものあるんだったら最初から使えばよかったのに……」


「あ、ああすまない……」



 どこか落ち着かない様子の小野川。目が泳いでるし、なんかすんごい怪しいんだが。それはもう雰囲気からして絶対なにか隠してるとしか思えんぐらいに。



「なあ、小野川さんよ?」


「う、うん? なにかな?」


「ひょっとしたら俺、焼けてたのか?」


「ああ、いやまあ……」



 一瞬言いよどむみ、しばらくして小さく頷いた。


 ……ああ、あれか。俺の丸焼きが完成するところだったと。



「まあ、結果オーライってとこか?」


「そうしてもらえると助かる」



 ハハハ、と気の抜けた笑いをする小野川を横目に、俺はため息をついた。


 それにしても、だ。



「なんでこんな子たちまで巻き込まれてるんだろうな」



 俺の呟きに、小野川は黙ったままだった。


 腕と背中で寝息を立てているこの子たちは、どう見たって争い事なんか似合わない。



「この子ら、どうするんだ?」


「……保護観察下に置く、かな」



 話を聞いてもらえるのならね、と小野川は言った。



「誠意を持っていけば、きっと話を聞いてもらえる。といいんだけどねぇ」



 そこは言い切ってくれ、と小野川から突っ込みが入ったところで、ようやく長い長い階段を下り終えた。それと同時に目の前の道路にワゴン車が止まる。



「さ、あの車だ」



 何はともあれ、これでようやく一息つけそうだ。


 小野川が運転席にいるマスターに礼を言い、双子を後部座席に乗せる。


 俺はそのまま双子の隣に座り、小野川は助手席に収まると、エンジン音を立ててワゴン車は動き始めた。


 『憩い』まで十数分ぐらいだろうか。いや、ひょっとしたらもっと早いかな?


 そんなことを考えると、眠気が襲ってきた。後ちょっとで着くなら起きとくんだけど、小野川に聞くか。



「なぁ、小野川……って、寝てるのか」



 俺も寝ていいかな、と思っていると、マスターがもうちょっとかかるので寝てて大丈夫ですよ、と言ってくれた。


 礼を言って、シートに体を預けて目を閉じると、すぐに眠りに落ちた。



毎度読んでくださっていた方、お気に入り登録してくださっていた方には申し訳ありませんが、前書きでも書いたとおり今回でこの話は終わりたいと思います。

ありがとうございました。



以下言い訳

最近読んだ小説で似たような(失礼かもしれませんが、自分はそう思ってしまいました)展開をしたものがあり、これはいかんだろうと言った次第です。

もちろん相手の方の方が早く出ていたし、文章や展開も自分より断然上です。むしろ天と地です。劣化コピーと言われるんじゃないかとも考えるくらいです。

友人にはそこまで気にしなくてよくね? とも言われましたが、自分はそれが気になり、現在のプロットでは続けていくことはできないと判断。別のような展開に持っていくことも考えましたが、悩んだ挙句に思いつきませんでした。

おそらく、新しく設定・展開を練り直したほうができると思います。つまりはほとんど別作品になります。

書き始めたものを途中で放り投げるのはいけないことだと思いますが、今回はこれで終わりにします。

いままでありがとうございました。

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