第1話
自分の好きなもの詰め込んでAIと一緒に作りました。
おんなじ趣味の人のこやしになってもらえたらうれしいです。
その日は、いつにも増して底冷えする夜だった。
窓の外は濃密な霧。街に漂う不穏な緊張感がここにも伝わって来るようだった。
ベッドの中で小さな身体を縮こまらせながら、ビィは両親に思いを馳せた。
――おとうさん、おかあさん⋯⋯。
熱のせいだけではない震えと不安に、涙が滲んでくる。
そのとき、カチャリ、と小さな音を立てて、扉が開いた。
「ビィ、調子はどうだ?ミルク粥、食べられるか?」
「⋯⋯おにいちゃん⋯⋯」
あまいミルク粥のにおいとともに入ってきた兄の姿に頬を緩ませ、それでも消しきれない不安が漏れ出す。
「おとうさん、おかあさん、だいじょうぶかな⋯⋯。まちのそとには、まじゅうがいっぱいきてるんでしょ⋯⋯?」
前に父が言っていた。何年かに一度、魔獣たちがいっせいに暴れて、この街にも襲いに来ることがあるのだと。
「大丈夫だよ。父さんも母さんも腕利きの魔導師だ。防衛隊の人たちと、街を守ってくれるさ。」
頭をなでる温かい手に、幾分かほっとする。しかし――
「もう何年かあとだったら、俺も剣を取って駆けつけられたんだけどなぁ。」
街の外を見やる兄の言葉に、とっさに腕にすがりつく。
「いやっ!いやだ⋯⋯!おにいちゃん、いなくなっちゃいや⋯⋯!」
「わるいわるい。大丈夫だよ。兄ちゃんはどこにも行かない。」
ビィの小さな手をつつみ込みながら、兄は言った。
「何も怖いことはないよ。兄ちゃんがずぅっとそばで守ってあげるから」
温かい手のひらに、だんだん心が落ち着いてくる。
「や、やくそくだよ⋯⋯。ずぅっと、いっしょだよ⋯⋯」
「ああ、約束だ」
優しい笑みに、ほぅ、っと安堵の息をつく。
そこでようやく、ビィは気がついた。
頼れる兄の微笑みが、小さく揺らいでいることに。
兄も、本当は心配なのだ。
ぎゅっと、兄の手を握り返して、ビィは決めた。
――ぼくも⋯⋯ぼくもおにいちゃんのこと、まもれるように、なるんだ⋯⋯。
結局、あの防衛戦から両親が帰ることはなかった。
静かな家で沈み込むビィを、兄の手の温かさが支えてくれた。
兄が一緒なら、どんなことだって頑張れた――
感想もらえたらうれしいです。




