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ハグミープリーズ!-ウチの孫が美少女幼馴染を抱きしめて優勝する話-  作者: 自爆霊


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第17話_ミートトゥーパピー!

 どうも、おばあちゃんこと渡辺幸子です。本日は夏休みに入って少し経った七月末、幸樹のパパとママが帰ってくる予定の日となっています。幸樹は割とリラックスしていますが、一緒に待っている直美ちゃんは結構緊張していますね。


「ねえどうしよう、ご挨拶なんだけど」

「気持ちは分かるが落ち着け、ウチの親なんだからだいじゅ……大丈夫だ」

「ねえ幸樹も割と緊張してない? 今噛んだよね、明らかに噛んだよね」

「噛んだ、だってご挨拶だもん、控えめに言ってガッチガチになるわ」


 何故幸樹のパパとママの帰宅に彼女が立ち会っているのか、読者も疑問に思っていることでしょう。答えは簡単、パパとママに「直美ちゃんも呼んどいてちょ、色々話したいんで」と言われたからです。

 おさらいですが幸樹のパパとママは出張であちこち飛び回っています、そして彼はそんな両親と定期的にメールで連絡を取っています、具体的には「セミファイナル喰らって死ぬかと思った」とか割とどうでもいい内容を送っています。そして直美ちゃんのヤバ気な家庭環境をなんとかしたい彼は直美ちゃんの許可を取り、パパとママにメールで全てを伝えました、実質交際状態なのも全部です、メールを書いてる途中羞恥心で三回くらいダウンしてました、草。相談自体はもともと親に「なんか困って調べてもダメそうだったら気軽にメールしな、一緒に悩むから」と言われているから大丈夫ですが、それでもかなり思い切った判断です。そしてそのメールを送った次の日に届いた返信がこちら。


「パパより:二人がようやくくっついたようで俺ぁ嬉しくて仕方ねぇよ、是非諸々話したいから帰る日に直美ちゃん呼んでおいておくれ。あっ怖い話じゃないからね? 本当だよ? 直美ちゃんがビビッて逃げないよう頑張って説得してな、頼むぞ。追伸:家庭云々の話は分かった、なんとかするから安心せい、お前がちゃんと直美ちゃんの助けになっててパパは嬉しいぞ」

「ママより:良くぞ直美ちゃんのハートを射止めたぞ我が息子よ、それでこそ渡辺の血を引く者だ。そうそう付き合ったからって好感度稼ぎやめたりすんなよー? 好感度ってのは青天井なんだ、稼げば稼ぐだけ幸せになれると思っていい、実際ママはパパへの好感度が結婚当初の三倍は貯まってるわ、マジ幸せ、聞き取り調査するから帰る日に直美ちゃん呼んどいてねー。追伸:直美ちゃんのお家騒動はパパと話したから大丈夫よー、安心して任せなさいな。あと避妊はしっかりね、大事よ」


 なんというか、どういう人たちなのか分かってもらえたと思います。あとママのメールを読んだ幸樹は飲んでた麦茶を吹き出しかけてました、そりゃそうだ、そして直美ちゃんも「私が呼び出されたって本当? ちょっとメール見せて、いや幸樹のことは信用してるけど怖すぎてね? やっぱ確認はしておきたいじゃん?? オラッ見せろォ!」とメールを読んでこれまた吹き出しそうになってました、そりゃそうだ。とはいえ大事なことですからね、言っておくべきなのは確かです、それにしたってもうちょっと言い方がある気もしますが。

 緊張した二人が「ヤベェよヤベェよ」「マジヤベェ」と下がった知能指数で話すことしばらく、チャイムの音が『ピンポーン』と響き、二人に死の宣告が下ります、いや死にませんけど。


「ッピィ!?」

「ビックリしたぁ!? ちょっと直美やめてよ死ぬかと思ったじゃん!」

「だだっだって仕方ないじゃん!? どうしよ開けるしかないよあばっばっばばば」

「落ち着け俺が開ける、直美は俺の後ろに隠れ『ガチャリ』ッピャ!?!?」

「なにそのけったいな奇声……楽しそうにしてるとこゴメンな、でも鍵を持ってりゃ開けないわけにもいかないじゃん?」


 覚悟を決める時間も与えず鍵を開けて、幸樹のパパにして我が息子である渡辺直樹(39歳)が一年ぶりの帰宅を果たしました、大容量のボストンバッグを苦も無く肩にかける姿からは出張に慣れた様子が見て取れます、どこか可愛げのある顔立ちは見る者に年齢よりも若い印象を抱かせ、その表情は困惑に染まっていました。パパの奇襲に幸樹は比較的落ち着いていますが……直美ちゃんはダメですね、孫の後ろに引っ付いて縮こまっています、これにはパパも困惑の極み。直美ちゃん気持ちは分かりますけどそんなに怯えなくても良いのでは……昔から普通に話してたでしょあなた、何今更はじめましてみたいな感じになってるんですか。


「お帰りパパ、元気そうで良かったよマジで」

「ただいま幸樹、お前も元気そうでなによりだ、ところで……直美ちゃんはなんでそんなことになってんの……?」

「(プルプルと震えながら力一杯孫に掴まっている)」

「あ~……一言で言うとご挨拶だから緊張しまくってる、ほら、修羅場と言えばみたいなとこあるじゃん?」

「なるほど、なるほど……? いや、それにしても怯えすぎじゃない……?」

「多分浮かれてるのもある、ほら直美? せめてお帰りは言っとき?」

「あっはい。幸樹パパおかえり~、変わらず元気そうで良かったよ~。それじゃ幸樹、あとよろしく……」

「おうよ、直美ちゃんも元気そうで……まあ、四捨五入すれば元気そうで良かったよ、うん」


 そう言って力を使い果たした直美ちゃんはスッ……と孫の後ろに戻っていきました、切り替えがキッチリしてていいですね、キッチリし過ぎてコントみたいになってますけど。






 そうして着替え等が終わり楽な格好になったパパが、机を挟んで幸樹・直美の二人と向き合っています、ご挨拶の時間ですね。


「えーこほん、メールで話を聞いたので事情は大体わかってんだが念の為確認するな、告白待ちまで行ったってマジ?」

「マジ、後は俺がいつ腹括るかだけ」

「マジです、実質勝確で直美ちゃん幸せ状態です」

「おお、そりゃ良かった、いやマジで良かった、本当の本当に良かった、マジで」

「そんなに……?」


 直美ちゃんがパパの反応にちょっと困惑しています、まさか自分が渡辺一家に幸樹と結婚することを望まれているとは夢にも思っていない様子、まあそりゃちゃんと黙ってましたからね、我々は慎みのある人類なので。


「そりゃおま……いや、これを言う前に一つ確認しとかねぇとな。なぁ二人とも、現実的な話は全部抜きにしてだ、将来的に結婚したいと思ってるか?」

「ンニィ!?」

「直美……そんな奇声を出すほど緊張しちゃって……」

「当然のように背中さするじゃん、距離が近いようでなにより」

「付き合い長いからねー、あと結婚はしたいと思ってるよ、そのためなら何でもするよ」

「わわっ私もしたいと思ってるよ! ドン底でもテッペンでも絶対に手離さない心持ちだとも!」


 そこでしっかり結婚したいと答えられるの良いですねーすごく良いですよ、おばあちゃんポイント高いです。あと直美ちゃんはドロっとしたものをちゃんとオブラートに包んだのも偉いですよ、あの子前「フヘヘ……ずっと一緒……死ぬまで一緒……最悪でも一緒に死ねる……フヘヘへ……」とか部屋で言ってたんですよね、おばあちゃん偶然聞いちゃいました、その辺マイルドにできて偉いぞ直美ちゃん。


「よっしそれなら全部言えるわ! よくぞ答えた二人とも!」

「言うって何をさ?」

「何だろね?」

「あのな、今まで黙ってたけどパパとママ、それに生前のじいちゃんとばあちゃんはお前たちが結婚することを望んでいたんだ」

「あれママの冗談じゃなかったの!?」

「まったくそんな気配なかったよね?」

「そりゃそんな無駄にプレッシャーかけるような真似するわけないだろ、いやー最初はママとおじいちゃんが言ってただけなんだがな? 幸樹が直美ちゃんがいじめられてるのをなんとかしたいって言い出して、本当になんとかしただろ、あのタイミングで俺とばあちゃんも思ったわけだ「これガチだ」って」


 そうそうそうなんです、そのタイミングで私たちは確信したんですよ、「こりゃゴールインするな」と、確かに当時の距離感は友達の範疇でしたがね? 女のためにここまでできるなら、そりゃ将来的に間違いなくくっつくでしょうよ。小三でこれやるリスクってヤバいんですよ、異性と一緒に帰ってる時点で男子からは揶揄われ続けますし、女子連中からも嫌われかねないんです、そんなリスクを負ってまで助けに入れるんだからそりゃくっつきますよ、そんだけ入れ込んでるんですから。


「ただまあ当時は直美ちゃんの気持ちが分からなかったからな、俺たちとしてはまだ他の女の子とくっつくルート分岐もある、有力ヒロインくらいの感覚で思ってたんだ、あっ伝わってる?」

「伝わってるから大丈夫」

「私なんて告る時にルート固定とか言ったし……ごめん幸樹、自爆したから頭撫でて……」

「へーい」

「仲良いなぁホント、こうなってくれてよかったよマジで」


 いやホントその通りですよ、二人がくっついてくれておばあちゃんも本当に良かったです、是非このまま幸せになってくれ。

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