表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハグミープリーズ!-ウチの孫が美少女幼馴染を抱きしめて優勝する話-  作者: 自爆霊


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/21

第13話_アイラブユー!

 こんにちは、おばあちゃんです。本日は前回の続き、何もかもを暴露した直美ちゃんが言語能力を喪失し、地に伏したところからです。ショックのあまり発狂してもおかしくないところをなんとか持ちこたえた直美ちゃん、孫になでなでしてもらって精神の回復に努めています。

 いやだってあれヤバいでしょ、恋愛感情のドロドロした側面の全てを吐き出していましたよあれ、一つ言うだけで一か月は覚悟にかかるようなことをあれだけ一斉に言ったのですから、彼女の精神状態は文字通り限界、下手に刺激した日には穴の開いた風船のように空の彼方へ飛び去ってしまうことでしょう。だってほら見てくださいよ今の直美ちゃんを、孫の胸に顔を押し付けながら時折フラッシュバックでビクビク震えているこの乙女としてのプライドを全て投げ捨てた惨状を、なんというか先刻の発言も込みで可哀想になってきました、苦しんでいる分幸樹がちゃんと慰めてあげないと。あっコラ幸樹引き離そうとするんじゃありません可哀想でしょ、ほら見てくださいよ直美ちゃんが『ヴーッ! ヴヴーッ!』って獣みたいな唸り声上げちゃってるじゃないですか! ああっそんな服に噛みついちゃダメですよ伸びちゃいますから! というかなーに「そろそろヤバイって」とか抜かしてるんですかあんだけ言われた時点で何もかも今更なんですよ、ほら直美ちゃんだって「いいの! 許す! もっと、撫でて!!」って言ってるじゃないですかちゃんと優しくしてあげなさいよ! おっ、ちゃんと観念してナデナデ再開しましたね、そうそうそれでいいんです。

 まあ色々言ってましたけど、要するに直美ちゃんによるちょっと自爆気味の告白ですからね、いやちょっとじゃないな……かなり自爆気味だったな……まあかなりカミカゼ気味ではありましたが意中の女の子から告られたのですから、孫もなんだかんだ喜んでいることでしょう。実際なんか二人が今まで以上に距離が近いというかじっとりし始めてますから間違いありません、具体的に言うと直美ちゃんが頬ずり始めました、これもう■■■■だろ。まーそりゃ両想い確定の事実婚ならぬ事実交際状態ですからね、むしろここで日和る方がダメですよ、新婚期間のうちにちゃんといちゃついて所帯じみてくる前に一生分の恋愛成分を摂取しておくべきなのです、まあ結婚はしてませんが言いたいことは伝わりますよね。

 さて、こうして野次(生者には聞こえない)を飛ばしている間に直美ちゃんは着々と精神を回復して、正気を取り戻してきています、さっき普通に喋ってましたし少なくとも言語能力は取り戻したようですね。そして理性と共に自らが私利私欲と劣情を吐き出したも思い出したようです、数秒間フリーズしていましたが、「まあいっか」と言ってスッキリした笑顔になりました、どうやら思い切ってこのまま突っ走るつもりのようです、まあ戻ろうにも手遅れなのでそれしかありませんが。


「さて幸樹、私は全部話した、控えめに言って、全部ゲロった」

「そうだな、正直未だに混乱しているぞ俺は」

「私もだから、大丈夫。それでさ幸樹、端的に言うけど、引き返すなら、今のうち」

「まあ、そうだな」

「私は、全部言った、幸樹にはそれを、全部受け止めてもらう。だから、五体満足で引き返せるのは、これが最後」

「もしかして刺されるヤツ?」

「フフフ……最悪、無理心中。大丈夫、屋根ゴミしなけりゃ、そこまでしない」

「ならまあ大丈夫か、大丈夫か?」

「ダイジョーブ、ダイジョーブ」


 ヤンデレ属性じゃったか……あと喋り方昔の無口キャラに戻ってますね、脳に負荷がかかり過ぎたから当然の結果です、ナオミはかわいいですね。ちなみに屋根ゴミというのは某有名ゲームの主人公、彼が10股かけた状態を指す言葉ですね、つまり無理心中に関しては本当に気にしなくても大丈夫なのです。そして今回のポイントは刃傷沙汰を特に否定していないところです、やっぱ重いなこの子。


「私は、急がないよ? 幸樹が腹を括るまで、何か月でも、待ってあげる。告白も、首元も、ゆっくり準備して、ちょっとずつしていけばいい、幸樹はただ、いつか全部を受け止めるって、『約束する』って、言えばいいだけ」

「………………」

「そう、そうやって、私の目をじっと見て、私が誰か、幸樹にとっての何者かを考えて。私は君の幼馴染で、好きなだけ甘やかせる美少女で、辛いときに抱きしめてくれる友達で、一番近くにいる女の子でもある。これからは、分からないけど……少なくとも今は、幸樹の近くで一番良い女が……私、そうだよね?」

「ああ、それは……間違いない」

「なら……ふぅ、それなら、良かった、これで違ったら…………恥ずかしすぎて、爆発してた」

「俺はもう恥ずかしすぎて顔を覆いたい……本当に洗いざらい話してる……頭が茹って死にそう……」

「だーめ、ほら、ギュっとしてあげるから、頑張って……そして私と同じ苦しみを味わえ、道連れ」

「ううぅ…………」


 …………えっこれ私喋らないとダメですか? この見せ場を私のペラ回しで潰したたらあれですよ? ただでさえ保ててるか怪しい恋愛小説としての体裁が完全に崩壊しますよ、タイトル名が『ババトーク』になってしまいます。ほら、せっかく直美ちゃんが可愛らしい独占欲をむきだしにして自分を選ぶよう孫を篭絡しているんですから、私は邪魔しないように静かにしていることにします。


「ほら、こっち見て……そう、ちゃんと目を合わせて。話を戻す、私は幸樹にとって良い女、幸樹が約束してくれれば……そんな女の子と、これからもずっと……本当にずっと、一緒にいられる。確かに幸樹なら、これから先の人生で、私より良い女の人と会えるかもしれない……でもさ? その人が、幸樹を好きになる保証ってある? もし好きになってくれても、付き合える? こうやって抱きしめてくれる? だとしても破局するかもしれない、価値観が合わないかもしれない、その人が浮気するかもしれない、かもしれない、かもしれない……考えていけば、キリがない。それに、なにより、その人と仲良く、私と……同じくらい、仲良くなるのに、何年かかる?」

「何年……」

「そう、何年も。異性と仲良くなるのって、とっても大変なんだよ? 私がいる幸樹は、あんま意識してないかもだけど。その上年を取ると、ただでさえ大変なそれがもっと困難になるんだって、仲良くなるだけで何年もかかって、最初は仲が良くないから、一緒にいるだけで大変なんだ。仲が良くないのと一緒にいれないのに、仲良くなるには一緒にいる必要がある、矛盾だね? やってられないね、独身が増えて少子化が進むのも納得だね。つまりね幸樹、君が私より上の女を求めるのは現実的じゃないってことを、私は言いたいの。リセマラだって人権キャラを一体引けたらやめるでしょ? 自分で言うのもなんだけど、私は本当に良い女なんだ、可愛くて仲が良くて、ソシャゲで例えると、リセマラ終了キャラを全抜きできたデータくらい最高なの、それも一回目で。そりゃあ理論上はもっと良い、最高レア全抜きしたデータも存在するけどさ? そんな、壁に体当たりして、量子力学トンネル効果引き当てるようなこと、現実的じゃないにも程があるよね、そんなことのために人権キャラ引けたデータを削除するなんて、馬鹿げてるよね、そうでしょ?」

「それは、そうだな、その通りだ」

「でしょ? ちゃんとわかってくれて嬉しい。それじゃあこうやって、私を選ぶべき理由、フラグを建てて直美ちゃんルートを固定すべき理由をちゃんと教えてあげた上で、もう一回言うね?────幸樹はただ『約束する』って言えばいいの、いつか私の全部を受け止めるって、いつか私に告白するって、今まで会った女の子も、今近くにいる女の子も、これから会うかもしれない女の人も……他の人と恋人になれる余地を全部、ぜぇんぶ切り捨てて、私を選ぶって。ルート固定、しちゃおう?」


 さて、ここの返事で今後の全てが決まります、緊張の瞬間ですね。






「…………ああ、約束する、今すぐは無理だけど……いつか、絶対に」






「……………………っぁ…………った……やった…………やった……! やったぁ……!!」


 (無言のガッツポーズ)(祝福の四回目)

 勝ったッ! ハグミー(略)完!

 いやまあ終わらないんですけどね、とはいえこれはもう文句なしですよ完璧な告白大成功です、もし仮にこの後『ハグミー(略)は今回で最終回となります、ご愛読くださった読者の皆様、本当にありがとうございました』とかあとがきに書いて雑に最終回にしても許されるでしょコレ、おばあちゃんも念願叶って歓喜の極みです、今成仏しても悔いはありません、まあ既に成仏して向こう側から帰って来てるんですけどね? ってあっ今この子キスしたんですけど!? わ、わぁ……思ったよりガッツリ、具体的には5秒くらいやってるんですけど……感極まっちゃったんですかね? まあそういうこともあるか。


「……? …………!?」

「ふへへ、嬉しかったから、つい、ね? 次は、幸樹が告白する時、返事代わりに、してあげる」

「はい……、…………!? ……!!??」

「それじゃあ沢山話したし、そろそろ寝るね。幸樹は、それどころじゃなさそう、このまま、リビングで寝るべし、布団は、敷いてやろう」


 そう言うや否や幸樹の部屋から布団を持ってきた直美ちゃん、そそくさと布団を敷いてゴロゴロと孫を布団へ転がしササッと掛け布団を上にかけ、「私は、幸樹の部屋で寝る、おやすみー」と言い残して、扉の向こうへ消えていきました。喋ってる時に句読点が減ってたのはきっとテンションが上がってたんでしょう、最後は元通りの無口キャラに戻ってましたし。っていうかあの、その、えっと……わっ……わぁ、わぁ……直美ちゃんすごい、やりたい放題すぎる、今まで頑張って自制してたんですね、いやそれにしても一気に変わり過ぎでしょう、どうなってるんですかこの子、これがイマドキってやつなんですかね? 老人には分からない世界だぁ…………。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ