蜜
わかってるよ
どうせ私なんて
溶け落ちていく
白雨みたいなもので
残ってしまった
缶ビールに
花を一輪刺して
育んでいくようなもので
消えてしまえばいい
誰とも顔を合わせたくないし
消えてしまえばいい
言いたいことはもうないから
わかってるけれど
朝の透き通った空気を
私が吐く息で
少し汚してしまった
じめじめとしている
私の胸の奥が
少しずつだけれど
晴れていくような気がした
消えてしまえばいい
少しでもいいから愛して欲しくて
消えてしまえばいい
見栄えの悪いものは捨ててしまおう
枯れてしまった胡蝶蘭と
最後の詩を作ってる
正気じゃなかった
きっとおかしくなっていた
深夜にテレビを眺めていたら
やつれた私が映っていて
正気じゃなかった
きっとおかしくなっていた