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44 疑念を越えて繋がる仲間たち

 ***

 夜が更けると、真一たちはそっと資源エリアの外縁へと忍び込んだ。情報によれば、ここには無数の魔物が集まり、時には強力な首領級の魔物も現れるという。夜の闇は絶好の隠れ蓑となるが、危険も四方に潜んでおり、誰もが気を緩めることなく、いつでも戦闘に臨めるよう身構えていた。

 サティーナは隊列の先頭を歩き、落ち着いた鋭い眼差しで周囲を見渡す。他の者たちが緊張しているのに対し、彼女はどこか余裕すら感じさせる。すでにチームに加わってはいるものの、チームメンバーたち、特にリアは依然として彼女に警戒心を抱いていた。

 しかし、サティーナはそれに慣れており、無理に疑念を払おうとはせず、淡々と距離を保ちながら歩いていた。

 そのとき、サティーナが低い声で告げた。

「前方十メートルに、五体の魔物が待ち伏せている。」

 真一はすぐさま足を止め、手を上げて全員に静止を指示した。愛理は「霊魂連結」を発動したが、何の気配も感知できない。

「本当に?」

 リアが疑わしげに小声で尋ねる。

 サティーナは自信満々に頷き、わずかに微笑んだ。

「痕跡ははっきりしている。よく周りを見れば分かるはずだ。無駄な騒ぎは避けた方がいい、迂回しよう。」

 真一はしばし考え、低く命じた。

「よし、迂回する。警戒を怠るな。」

 チームは静かに進路を変え、魔物の待ち伏せを見事に回避した。サティーナは何事もなかったかのように淡い笑みを浮かべ、悠然と先を歩いていく。愛理とリアは顔を見合わせ、心の中にまだ疑念は残っていたが、彼女の判断が自分たちを救ったことを認めざるを得なかった。

 翌日の夕暮れ、チームは魔物の群れを率いる強力なボス魔物と正面から遭遇した。激しい戦いのさなか、愛理とリアは数体の素早い魔物に囲まれ、身動きが取れなくなる。さらに、別の魔物が二人に向かって突進してきたことに、彼女たちは気づいていなかった。

「愛理ちゃん!リア!危ない!」

 サティーナが鋭く叫ぶと、瞬時に駆け寄った。手にした魔剣が鋭い弧を描き、迫る魔物を斬り払う。その動きは流れるように滑らかで、素早く愛理とリアの前に立ちはだかり、反撃の隙を作り出した。

 息を切らしながら、愛理は驚きの眼差しで彼女を見上げ、「ありがとう、サティーナ姉!」と声を弾ませた。

 リアはサティーナの背中をじっと見つめ、胸に複雑な思いが込み上げた。正体の知れぬ悪魔の女をそう簡単に信じたくはなかったが、その迷いのない行動に、少しずつ警戒心がほぐれていくのを感じていた。

 戦いの後、サティーナはそっと手の埃を払い、何気ない笑顔を浮かべた。

「勘違いしないでよ。我らはチームなんだから、お互いを守るのは当然のこと。」

 真一は静かに頷き、感謝を込めて言った。

「サティーナ、愛理とリアを助けてくれてありがとう。君の恩は忘れない。」

 サティーナは肩をすくめ、いたずらっぽく微笑んだ。

「当然の仕事よ。いちいち気にすることじゃない。」

 時が経つにつれ、サティーナのチーム内での働きぶりはさらに皆を納得させるものとなっていった。彼女は近接戦闘に長けているだけでなく、遠距離攻撃にも秀で、危機的状況でも常に的確な判断を下す。その卓越した戦闘技術と鋭い洞察力に、仲間たちも次第に一目置くようになっていった。

 ある任務の最中、彼らは再び大量の魔物に包囲され、危機的な状況に陥った。真一が反撃を指示しようとしたその時、サティーナの落ち着いた声が響いた。

「全員右へ後退。あそこは地形が高く、集中防御に適している。」

 彼らは急いで高台へ退却し、案の定、魔物たちは四方八方から押し寄せてきた。もしサティーナの的確な指示がなければ、結果は目も当てられないものになっていただろう。

 リアはついにサティーナのもとへ歩み寄り、そっと囁いた。

「ありがとう……また私たちを救ってくれて。」

 サティーナの瞳は優しさを湛え、微笑んで答えた。

「我らは仲間でしょう? 互いに守り合うのは当たり前のことだよ。」

 リアはその穏やかで毅然としたまなざしに見入るうちに、心の中の警戒心や疑念が静かに溶けていくのを感じた。まだ多少の不安は残っていたものの、かつての敵を少しずつ心から受け入れ始めていた。

 そこへ愛理もやって来て、安堵の笑みを浮かべながら言った。

「サティーナ姉、あなたがチームに加わってくれて本当に嬉しいです。真があなたを信じた理由が、ようやく分かった気がします。」

 サティーナは、まるでこの瞬間を予見していたかのように微笑み、静かに頷いた。

「我も皆のチームに加われて、本当に嬉しいよ。これは皆の信頼だけでなく、我を仲間として認めてもらえた証だと思っている。」

 戦いを重ねるごとに、サティーナは持ち前の知恵と強さで徐々にチームに溶け込み、皆の信頼を勝ち取っていった。リアの疑念も少しずつ消え、気がつけば自然と肩を並べて戦うようになっていた。サティーナの時折の軽口も、張り詰めた空気を和ませる役割を果たしていた。

 互いの絆と信頼は深まり、戦いも次第に息の合ったものとなり、彼らはもはや単なる同盟者ではなく、固い絆で結ばれた仲間になっていた。

 真一もまた、サティーナの加入によってさらに頼もしい仲間を得たことで、チーム全体がより強く、結束も固くなっていくのを実感していた。

ここ数日、急にLiSAの「ReawakeR」にハマっちゃって、ずーっとリピートしながら外伝の最終決戦シーンを読み返してました。「もっと熱くできないかな」って考えながらね。


正直、「俺だけレベルアップな件」はまだ読んでないんだけど、第2部の主人公のキャラがだんだんクールでカッコいい系に寄ってきてる気がします。最初の構想では、ACGネタで現実をツッコむオタク系のちょいおちゃらけキャラだったのに(笑)。でも今の設定だと、下手にギャグを入れるとキャラ崩壊しそうだから、キャラを守りつつ、ちょいちょいユーモアを入れてバランス取ってる感じです。


で、肝心の最終決戦の描写なんだけど、初期の構想よりずっと満足できる内容になりました。細かいディテールも丁寧に詰めて、第2部で回収する伏線もいろいろ仕込んでます。特に、もともとモブキャラだったあの少女の存在がいい感じに光ってきて、自分でも「書き続けてよかった」って実感してます。


はい、というわけで今回の章はここまで!次の章は6日後の6月25日に公開予定です。ぜひお楽しみに!

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