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40 蓮華城を救った英雄たち

 そう話していると、病室のドアが軽くノックされ、真一がほのかな笑みを浮かべて入ってきた。愛理の元気そうな姿を目にした途端、真一の表情に安堵の色が浮かび、口元が緩んで、いつもの優しい顔つきになった。

「愛理、今日はすごく元気そうだね。順調に回復しているみたいで、本当に安心したよ。」

 真一は、さりげない喜びと心配を隠しきれない声でそう言った。

 愛理はにっこりと微笑み、少しいたずらっぽい口調で答えた。

「もちろん!今回ばかりは、しっかり休ませてもらったからね〜」

 真一はくすりと笑い、少し困ったように彼女を優しく見つめた。

「君が無事なら、それだけで十分だよ。」

 リアは二人のやり取りを聞きながら、思わず微笑んだ。

「愛理ちゃん、今回は本当に心配したのだからね。せっかくだし、今日みんなでささやかなお祝いパーティーでもしない?」

 愛理はぱちぱちと瞬きをし、嬉しそうに目を輝かせた。

「やった!ここ数日ずっと我慢していたし、甘いものいっぱい食べたい!」

 真一も小さく頷き、穏やかな笑みを浮かべた。

「それじゃ、決まりだな。今夜はみんなで集まって歓迎しよう。」

 愛理も嬉しそうにこくんと頷き、3人は顔を見合わせて微笑んだ。

 病室は穏やかで温かな空気に包まれ、愛理の回復がチームに新たな活力をもたらしていた。みんなの心にも希望の灯がともり、窓の外にはやわらかな陽射しが降り注ぎ、3人の姿をやさしく照らしていた。それは、これからの未来が明るく、幸せに満ちていることを予感させるようだった。

 ***

 一週間後の早朝、冒険者ギルドの扉には朝日が差し込み、草木の爽やかな香りが漂っていた。真一、愛理、リアの3人が並んでギルドへ向かうと、周囲の冒険者たちは興味津々の視線と称賛のまなざしを向けてきた。あの死闘の後、彼らの英雄譚はすでにギルド中に知れ渡っていた。

 扉を開けると、温かな雰囲気の広間にはギルドの幹部や各組織のリーダーたちが集まり、敬意と感謝の気持ちを込めて3人を見つめていた。

 冒険者ギルドのギルドマスターがホールの中央に立ち、3人が入ってくるのを見て軽く頷き、優しく微笑んだ。

「雷野さん、星川さん、リアさん、よく来てくれました。本日は皆さんに敬意を表し、その勇敢さと献身に心から感謝を伝えるため、このような場を設けさせていただきました。」

 ギルドマスターは集まった幹部たちに向かい、誇らしげに言葉を続けた。

「あの要塞の危機に際し、蓮華城を滅亡の淵から救ったのは、雷野チームの知恵と勇気に他なりません。彼らは強大な敵を前に一歩も怯まず、卓越した戦闘力と固い団結力を発揮し、数えきれない仲間たちの命を守ってくれました。」

 ギルドマスターの言葉が終わると、その場にいた全員が一斉に拍手を送り、その音は波紋のようにホール全体に響き渡った。真一は謙虚な微笑みを浮かべて軽く頭を下げ、愛理は明るく優しい笑顔で手を振る。リアは少し恥ずかしそうにしながらも、この拍手が仲間たちの数えきれない努力への最高の報いであるかのように、微笑んでうなずいた。

「あなたたちはただ強大な力を示しただけではありません。仲間との深い絆もまた、我々に示してくれた。このようなチームスピリットこそ、冒険者にとって何よりも尊い財産です。」

 ギルドマスターは毅然とした真摯な眼差しで3人を見つめ、言葉を締めくくった。

「蓮華城がこの地にあり続けることができたのは、あなたたちの献身のおかげだ。冒険者ギルドは、心からあなたたちを誇りに思っている。」

 その言葉を耳にしながら、真一の胸には、かつて共に戦い、血を流し、命を賭けた記憶が鮮明に蘇る。ギルドマスターを静かに見つめ、深くうなずいた。

「蓮華城を守るのは、僕たち全員の責任だ。どんな困難が待ち受けようとも、僕たちは全力で立ち向かい、ギルドの信頼に必ず応えてみせます。」

 愛理はそっと真一の手を取り、優しく微笑みながらギルドマスターに言葉を送る。

「今日いただいた称賛と期待を胸に刻み、これからどんな危険が待ち受けようとも、決して退きません。」

 リアもまた、揺るぎない光をその瞳に宿し、そっとうなずいた。彼女には、この勝利が終わりではなく、新たな始まりであることがわかっていた。これからの道は、さらに険しいものになるかもしれない。けれど、隣には信じる仲間たちがいる。そのことが、彼女の胸に確かな力を与えていた。

 三人の揺るぎない表情を見て、ギルドマスターは満足げにうなずく。周囲の冒険者たちも感嘆の声を上げ、特に若き駆け出しの冒険者たちは、憧れの眼差しを彼らに向け、目標とするようにじっと見つめていた。

 やがてギルドマスターの挨拶が終わると、冒険者たちは徐々にその場を後にし、ホールには再び静けさが戻る。残ったのは、ギルドマスター、蓮華城の各組織のリーダーたち、そして真一たちの一行のみ。誰もが次の言葉を静かに待ち、空気には厳粛さとわずかな緊張感が漂っていた。

ついに外伝第4章、書き上げました!物語は第4巻の終章から外伝のプロローグへと繋がり、ぐるっと一周回って、ついに物語の原点──つまり最終決戦のクライマックスへと戻ってきました。


次の章では、第2部の主人公とお姉さん系能力者がタッグを組んで魔物に立ち向かいます!戦闘シーン好きな読者さんには、きっとたまらない熱い展開になるはず。この章では、一つ一つの戦いをもっと臨場感たっぷりに描いて、みんなに「熱っ!」って思ってもらえるように頑張りたいです。


次回もぜひお楽しみに!

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