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20 破滅の黄昏

 サティーナの瞳が冷ややかに光り、鋭い視線が真一たちを貫く。

 まるで、心の奥底まで見透かしているかのようだった——。

 彼女の言葉は、爆弾のように真一たちの心に投げ込まれ、一瞬にして衝撃を与える。

 愛理とリアは互いに視線を交わし、それぞれの胸中で複雑な感情が渦巻いていた。リアの瞳にはかすかな迷いが浮かんでいたが、愛理はこの提案の意味を理解し、静かに拳を握りしめた。

 真一の表情はさらに引き締まり、揺らぐことなくサティーナを真っ直ぐに見据え、低い声で告げた。

「お誘い、感謝します。でも、僕たちは君たちと行動を共にするつもりはありません。」

「真……」

 愛理はわずかに眉をひそめ、不安げに彼を見つめた。彼女の胸には、言い知れぬ不安が広がっていく。それでも、真一が決して誘惑や圧力に屈しないことを、誰よりもよく知っていた。

 リアはためらいがちに口を開く。

「……これはチャンスよ……」

 その声には、葛藤と不安がにじんでいた。まるで、心の中で必死に天秤を揺らしているかのようだった。

 しかし、サティーナは彼らの拒絶に驚くこともなく、依然として優雅に微笑んでいた。口角をわずかに上げ、どこか楽しげな表情を浮かべる。

「……汝らの考えは理解しました。でも、よく考えてくださいね。これは、汝らが生き延びるための唯一の道かもしれませんよ?」

「僕たちには信念がある。」

 真一は静かだが力強く答えた。その瞳には、揺るぎない覚悟が宿っている。

「僕たちは魔王軍の庇護に頼るつもりはない。僕たちの力で戦う。」

 サティーナはわずかに目を細め、興味深げに真一を見つめると、小さくため息をついた。

「……汝の決意、感心します。でも、その道は険しくなる一方でしょうね。」

「どんな困難が待ち受けていようとも、僕たちは歩みを止めない。」

 真一の声には一片の迷いもなかった。その瞳には、揺るぎない炎が燃え続けていた。

 サティーナは微笑みながら、小さく頷いた。しかし、その瞳の奥では、計り知れない感情が静かに揺れている。

 彼女はゆっくりと振り返った。

 沈みゆく夕陽の光が彼女の背を染め、その影を長く引き伸ばしていく。まるで、避けられぬ運命を示すかのように——。

 微笑みは次第に消え、代わりに冷たく鋭い表情が浮かぶ。

 ふと振り返ったその瞳は、まるで氷の刃のように鋭く光を帯びていた。

「……残念ですね。汝らのこと、少しは気に入っていたのに。」

 その声には、ほんの僅かに退屈そうな響きが混じっていた。

 短い沈黙の後、彼女はまるで真一の内面を見透かすかのように、冷ややかな視線を向ける。そして、面白がるように微笑んだ。

「アザールを倒した汝らの活躍、実に見事でしたよ。特に——汝、雷野真一。」

 じっと彼の顔を見つめながら、サティーナの口元がわずかに綻ぶ。

「汝らの力と勇気、確かに興味深いものですね。特に……自由と誇りに懸けるその姿勢は。」

 彼女は静かに一歩踏み出す。

 足取りは軽やかでありながら、その気配には女王のような威厳が満ちていた。圧倒的な存在感が、周囲の空気を支配する。

 彼女の視線は、鋭い刃のごとく真一の瞳を貫いた。

「——でも、汝らは理解しているのかしら?」

 その声はふいに柔らかくなる。しかし、その奥には、冷たくも厳しい真実が潜んでいた。

「信念を貫くということが、どれほど重い意味を持つのかを。」

 低く冷たい声。そこには、どこか後悔と憐れみの色が滲んでいた。

「戦うことこそ、我の宿命。——そして汝らの選択は、間違いなく我ら魔王軍にとって、大いなる障害となるだろう。」

 この瞬間のサティーナは、まるで絶対的な権力をその手に握る女王のようだった。冷酷でありながらも優雅で、その威厳に満ちた佇まいは、見る者すべての心に畏怖の念を刻み込む。

 真一は、彼女の放つ圧倒的なオーラに息をのんだ。胸の奥をじわりと圧迫されるような感覚を覚えながらも、一歩たりとも引かず、むしろその瞳をまっすぐに見つめ返す。

「どんな犠牲を払おうとも……僕たちは信念を貫く。」

 刹那、空気が張り詰めた。凍りついたような静寂があたりを支配し、場の緊張は頂点に達する。

 真一の鼓動が速まり、見えざる圧力が肌を刺すように襲いかかる。彼はサティーナの一挙手一投足を凝視した。

 ――次の瞬間、サティーナがゆっくりと手を掲げる。

 指先に宿るのは、死を招くほどの魔力。その力が閃いた刹那、轟然たる烈風が巻き起こり、周囲のあらゆるものを容赦なく吹き飛ばした。

 彼女の瞳には狂気の炎が燃え上がり、その唇が妖しく歪む。

「どうやら、もはや語るべき言葉は残されていないようですね……。」

 その声は、深淵から響く呪詛のように、抗うことすら許さぬ威圧感を帯びていた。

「ならば――戦いで全てを決めましょう!」

 その宣告とともに、サティーナの指先から魔力が荒れ狂うように迸る。疾風の中、稲妻のように閃くその力は、静寂を一瞬にして引き裂き、圧倒的な猛威となって襲いかかった。

 それはまるで、天地を飲み込まんとする激流のごとき脅威。

 サティーナの微笑が、飢えた獣のように狡猾で邪悪なものへと変わる。彼女にとって、真一たちはもはや獲物でしかなかった。

 わずかに身を前へと傾けた彼女の姿からは、得体の知れぬ、しかし恐ろしく強大な力が蓄積されているのが感じ取れた。

 そして――

 空気が一変する。

外伝の構想、大枠がついに完成しました!しかも今回は、各章のタイトルを映画やドラマ風のタイトルにする予定で、想像するだけでワクワクしてきますね!


今回の外伝では、王道の「チート系」主人公がメインとなり、第2部の主人公としても登場予定です。物語自体は本編よりもずっとダークで残酷な内容にして、終末感のある世界観を通して、主人公のヒーローとしての輝きを際立たせたいと考えています。


一方、本編のほうも順調に進行中!現在は第15章が公開中で、女将軍との戦いがまさに始まろうとしています。ここからの展開もぜひご期待ください!

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