表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/48

15 終焉なき戦い

 真一は自信に満ちた笑みを浮かべた。彼は密かに「物質変化」の能力を発動し、戦術を練り始める。ポケットから数種類の素材を取り出すと、瞬時にそれらをいくつかの装置へと変換し、そのうちの一つを愛理に手渡した。

 愛理は装置を手に取り、一瞥しただけで真一の意図を理解する。彼女はしっかりとうなずき、力強く言った。

「任せて!」

 再び目を閉じ、意識を研ぎ澄ませながら「精神感応」でアザールの気配を探る。

「真!気をつけて!すぐ後ろに来る!」

 愛理が突然叫ぶと同時に、素早く銃を構え、真一の背後へと狙いを定めた。

 案の定、真一の背後の空間が歪み始め、そこにアザールの姿が浮かび上がる。強大な闇のエネルギーが、真一へと襲いかかった。

 愛理は一瞬の迷いもなく引き金を引く。銀色の弾丸が二発、流星のごとくアザールへと向かっていった。

 しかし、アザールは鼻を鳴らし、軽く手を振るだけで弾丸を弾き飛ばす。それでも、そのわずかな動作が隙を生み、真一にとって貴重な時間となった。

 真一は即座に身を翻し、転がるようにして攻撃を回避すると、手にしていた爆破装置をアザールめがけて投げつける。

 轟音。

 爆発の衝撃波がアザールを吹き飛ばした。

 その瞬間、リアも動いた。

「水と風の精霊よ!我が前に立ちはだかる敵を氷に封じよ!」

 彼女は古代精霊語で詠唱しながら長杖を振るう。瞬時に空気中の水分が凝縮し、無数の氷刃となってアザールへと飛んでいった。

 爆発の衝撃を受けたばかりのアザールは、完全に体勢を立て直す前に、再びリアの攻撃にさらされる。咄嗟に腕を交差させ、その身で氷刃を受け止めた。だが、氷刃は砕け散り、その衝撃がアザールの身体に亀裂を走らせる。

「今だ!」

 真一は額に汗を滲ませながら叫んだ。このわずかな隙を逃さず、彼は地面の素材を操り、さらなる罠と障害を仕掛けてアザールの動きを封じていく。

 合図を受けた愛理は、迷うことなく真一から渡された装置を作動させた。

 次の瞬間――

 アザールの背後で、凄まじい爆発が起こる。

 轟音が戦場全体に響き渡り、衝撃がアザールをまともに襲った。

「いつの間に罠を……?」

 アザールの目に、一瞬の動揺が走る。

「今だ!これが最後のチャンスだ!」

 真一は即座に手にしていた金属塊を鋭い長剣へと変え、迷うことなくアザールの心臓と腎臓へ突き立てた。

 剣はアザールの身体を貫き、傷口から黒い血が勢いよく噴き出す。

 アザールは苦痛に顔を歪め、咆哮しながら反撃しようとしたが――

 三人の連携攻撃の前に、ついにその闇の魔法は完全に打ち砕かれた。

 力なく地に崩れ落ちるとともに、彼を包んでいた黒き気配も霧散する。

「終わった……」

 荒い息をつきながら、真一は疲労と勝利の余韻が入り混じった表情で立ち尽くした。

「ついに、アザールを倒したわね。」

 愛理は微笑みながら真一のそばへ歩み寄り、安堵の表情を浮かべつつ、そっと彼の手を握った。

 リアもそばに寄り添い、優しく言葉をかける。

「真一君、本当にすごいわ。あなたがいなかったら、この戦いには勝てなかった……。」

 しかし、真一は静かに首を振った。

「僕一人の力じゃない。これは、僕たち三人の協力の賜物だ。誰が欠けても、この勝利はなかった。」

 三人は、アザールの身体が徐々に塵となり、消えゆく様子を静かに見つめていた。

 だが──その最後の瞬間。

 アザールの狡猾な瞳が妖しく光り、唇には不気味な笑みが浮かんでいた。

 まるで、何か恐ろしい秘密を知っているかのように──。

「愚かな人間どもよ……俺様を倒せば……すべてが終わるとでも思ったか?」

 アザールの低く響く声が、荒れ果てた戦場にこだまし、まるで地獄の底から這い出る冷気のように全身を凍えさせた。

 完全に消滅する寸前でありながら、その言葉には、なおも嘲笑と脅威が滲んでいる。

 真一の表情が険しくなり、手にした剣をしっかりと握り締める。

 勝利を確信したはずなのに──直感が告げていた。

 戦いは、まだ終わっていない。

「……言い残すことがあるなら、言え。」

 彼は冷ややかに言い放つ。その声には、揺るぎない覚悟と鋭い警戒心が滲んでいた。

「死に際まで、僕たちを挑発し続けるつもりか?」

 アザールは虚ろな目で薄ら笑いを浮かべると、弱々しくも不気味な笑い声を漏らした。

「……フフ……貴様らは何も知らん……本当の脅威は……まだ始まってもいない……。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ