表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/48

10 終焉か、逆転か——燃え上がる決戦の刻!

 その瞬間、遠くから低く不気味な笑い声が響いた。背筋を凍らせるような嘲笑。それは、まるで獲物を弄ぶかのような残忍な響きを帯びていた。

 闇の中、アザールの紅い瞳が妖しく光る。唇には侮蔑と傲慢の色が滲んでいた。

「ほう……人間ごときが、まだ我が魔王軍に抗うというのか」

 その声は氷のように冷たく、深淵から響く囁きのようでありながら、圧倒的な威圧感を放っていた。

「ならば――少しばかり、本気を出すとしよう」

 言うが早いか、アザールは手にした杖を振り上げる。瞬く間に闇の力が彼の周囲に集まり始めた。瞬時にして空は闇に染まり、黒き霧が波のように押し寄せ、戦場全体を包み込んでいく。

 やがて響き渡る悪魔たちの咆哮――。霧の中から、さらに多くの悪魔が現れ、人類の防衛線へと殺到する。戦場の空気は一気に張り詰め、緊張は頂点へと達した。

 しかし、冒険者たちは恐れるどころか、さらに結束を固め、この激戦に立ち向かっていく。

 真一は眉をひそめ、これが容易ならぬ戦いであることを悟った。仲間たちの力を最大限に活かさねばならない。そう考えた瞬間、彼はすぐさま地面に手を突く。

 すると、大地が激しく震え、分厚い石の壁が一気にそびえ立った。突撃してくる悪魔たちの進軍を阻むその壁の表面には、無数の鋭利な棘が浮かび上がり、近づく敵を次々と貫いていく。

「みんな、気をつけろ!」

 真一の額にはうっすらと汗が滲んでいたが、その瞳は冷静さを失っていなかった。次の一手を探りながら、鋭い視線で戦場を見据える。

「真、一大事よ! 3時の方向から敵が奇襲を仕掛けてくる!」

 背後から、愛理の緊迫した声が響いた。

 この瞬間、彼女の「精神感応」の能力が大きな役割を果たした。

 戦場の中央に立つ愛理は、そっと目を閉じ、眉間にしわを寄せながら、精神の力で周囲の敵意を探る。

「精神感応」を通じて、敵の動きを明確に察知し、仲間へ事前に伝えることができるのだ。

「あの悪魔たちの殺意……前よりも遥かに強まってる……」

 増していく敵の悪意を感じ取りながら、彼女は両手で銃を構えた。その銃身はわずかに震えていた。

「了解!」

 真一は即座に応え、躊躇なく足元の泥を槍へと変える。一振りした瞬間、槍は稲妻のように狙いを定めた方向へ飛び、悪魔の心臓を見事に貫いた。

 敵は苦痛の叫びを上げ、そのまま地面に崩れ落ちる。

 その後方では、リアがしっかりと魔法の杖を握りしめ、両手を掲げながら古代精霊語の詠唱を始めていた。

 彼女の蒼い瞳には知恵の光が宿り、風のエネルギーが指先へと集まる。それは瞬く間に猛々しい暴風となり、前方の悪魔軍へと吹き荒れた。

「大地よ、我らを悪しき者から守りたまえ!」

 低く響く祈りの声とともに、翠緑の蔦が地面から勢いよく伸び、迫り来る悪魔たちを次々と絡め取る。それらの蔦はまるで意志を持つかのように蠢き、敵をがっちりと拘束しながら、前線の冒険者たちに貴重な時間を稼いだ。

「ハハッ! もう逃がさねぇぞ!」

 ひとりの冒険者が興奮気味に叫びながら、大剣を振り下ろし、蔦に絡め取られた悪魔を一刀両断する。他の冒険者たちもこの好機を逃さず、次々と敵を討ち倒していった。

 戦場には勝利の歓声が響き渡り、息の合った連携と力の結集により、皆の士気はさらに高まる。

「愛理ちゃん、気をつけて! 側面から敵が迫ってるわ!」

 リアは風の流れに違和感を覚え、即座に警告を発した。

「はい!見えてる!」

 愛理は「精神感応」で悪魔たちの動きを瞬時に察知し、両手の銃を構えながら側面の敵に狙いを定める。

 数発の銃声とともに、光弾が流星のごとく放たれ、奇襲を仕掛けようとした悪魔たちを正確に撃ち抜いた。敵は瞬く間に地面に崩れ落ちる。

 戦いは次第に膠着状態へと陥っていく。冒険者たちは全力で応戦するも、敵の数は依然として膨大で、悪魔たちの猛攻はますます激しさを増していった。

 遠くからこの乱戦を冷ややかに見つめるアザールの唇には、侮蔑の笑みが浮かんでいた。

 彼はゆっくりと魔杖を掲げ、黒い魔力を空間に漂わせながら、悪魔の眷属たちにさらなる猛攻を仕掛けるよう命じる。

 彼の指示を受けた眷属たちは、屈強な体躯を誇る悪魔たちだった。

 黒光りする武器を手にし、血に飢えた瞳を闇の中でギラつかせながら、前線へと迫る。その存在は戦場にさらなる圧力をもたらした。

「水の魔法で進軍を遅らせるわ!」

 リアは落ち着いた声で提案し、手にした杖がふたたび輝きを放つ。

 すると、彼女の足元から清らかな水流が一気に広がり、前方の悪魔たちを遮るように高くそびえる水の壁を作り出した。

 水流の勢いは次第に増し、激しい流れが敵の動きを鈍らせていく。

「さすがリア姉! よし、火力支援に入る!」

 愛理の瞳が輝き、動きの鈍った悪魔たちに狙いを定める。

 銀色の光弾が次々と空を駆け抜け、戦場を鮮やかに照らしながら炸裂した。

 爆発音が轟く中、彼女の銃撃はさらに戦場を混乱へと導いていく——。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ