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翼の行方  作者: カワウソに恋する子
親離れ
9/27

舞、後に人間

::::::::


時間は少し遡る。


広大な森林の一画。精神を統一し、羽を上下させているカラスがいた。


そう、準備運動!羽を上下にしているのは変な宗教にハマったとかいうワケじゃない。


今回だけは失敗できない。


まず。ダッシュ。


羽を閉じて空気抵抗を減らして方が速くなることに気がついた。後、こっちの方がスタイリッシュでカッコいい。多少体に葉や枝が当たっても気にしない。


次に羽を広げる。風を切るように。それが空気抵抗を減らすコツだ。これで離陸準備は整った。


そして、開けた場所で空へ向かってジャンプ。


とほぼ同時に上昇気流を発生させる魔法を展開。浮き上がるのを補助する。


仕上げに、翼を動かせば!


森林を見下ろし優雅に飛ぶ俺の姿。


・・・よし、シュミレーション完了。QED。


よっしゃあ、行くぞ。発信しますっ!


ふんっ、ジャンプして浮き上がり翼を必死に動かす。魔法も全力稼働させれば、だんだんと高度が上がっていく。


草木の高度を越えれば、一気に視界が広がった。つい前まで見ていた景色と重なる。


けど、もう無理っ!


羽を思いっきり広げ滑空体制。速度を調整しながら辺りを見渡す。


緊張する初着陸を無事終えると、俺は踊り狂った。


あ、よい、あ、よい、よいよいよい。お尻をフリフリ、阿波踊り、右から左に、左から右にウェ~ブ、一回転、よぉぉぉ、歌舞伎の見得切り!


転生してからの苦節一か月。飛べた!飛べたぞ!


浮いたではないからな。歩くより断然速いし、自分一人で浮いて滑空までできるだ。もう飛んだって言っていいでしょ。


オオカミさんとの鬼ごっこの時に掴んだこの感覚。これこそ、死中に活ということだ。ありがとう、オオカミサン。大半は俺の力だけどな。


もうちょっと練習すればもう空を駆け巡れる。身一つでどこでも行ける。道なんて関係ない。文字通り、一っ飛びだ。


ママ!オヤジ!俺独り立ちするよ!俺は流浪の旅烏になるんだ!


別れも伝えられなかったけど、俺はビックに成ってくるよ!


だが、待て!


前世のカラスは助走などをしていたか?否っ!である。


俺にあと必要なのは助走なしで飛び立つことと飛び続けることの二つ。


故に俺は頑張って樹木の枝まで浮き上がった。そして樹木の枝から樹木の枝まで飛ぶのを繰り返す。そうして当てもないまま俺は進み続けた。


さながら気持ちはモモンガのよう。というか滑空もするし、そう俺はモモンガだった。


そんな時だった。


地面に足をつけていた時とは違う、広がった視界。カラスの目は横にある分、立体的な所は少ないがその分視野が広い。


その目は明らかに自然物とは異質な動くモノを捉えた。


え?人間?いや・・・小人?


服の上から見える筋肉も、精悍の顔つきも前世での大人と変わらない。ただ体の大きさだけは俺より少し大きいぐらい。カラスである俺と大人の人間がだ。


男たちは時々口角が上がり、眉が下がる。楽しく談笑しているのは何より。木の枝から見下ろしている俺には気づかない。


一か月ぶりの人間。


"カアァァ、カカァカ。(こんにちわ、悪いカラスじゃないよ)"


石化でもしたように男たちの動きは止まる。


実は、俺の鳴き声には石化の効果があったのだ!


俺の人生勝ち確です。


そんな訳もなく音源を頼りに男は俺を見つけ、視線が交差した。


ふふ、仲良くしようぜ、ブラザー。飛ぶのに飽きた時に密かに練習した俺のとっておきの見せてやるからよ。


狩りをするかのように地面まで急加速。地面ギリギリで風を起こし減速、そして身体を起こす。鉤爪を地面に叩きつけ見事な着地。


ふっ、惚れるのはなしだぜ、ブラザー。


「~×"○"_|;÷'|○|÷;!!」


「@+@**%*」


二人の顔の筋肉は引き締まる。片方の男が大声で何かを叫び、大きく腕を振る。もう一方の男は叫んだ男に後ろ髪を引かれつつも走り出す。そして俺とは逆の方向に走り去っていく。


残った男が肩に掛けていた弓を持つ。すぐさま矢を番え俺の足元に放った。その放つまでの速度は卓越したもので俺は眺めることしかできない。


「@*=%+&@""|!!」


もう一度男は叫ぶ。眼が座り俺の一挙手一投足見逃さない。溢れ出る闘気と圧力は前世では感じたことがないものだった。ゆっくりとした動作で矢筒から指に二本の矢を持つ。


・・・おお~ブラザー、ブラボーね。


・・・けどその弓矢とかいうものは危険物じゃん?仕舞ってほしくはあるよね?

何卒ブックマーク、いいね、評価よろしくお願いします!


面白かった、続きが一瞬でも気になったそこのあなた!作者が喜ぶので・・・ブラザー頼む!!


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