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レッド・クイーンズ ~天織灯のあくまな怪盗生活~  作者: 麻莉
2章 6月 涙の暴雨、天舞う朱は侵界を祓う
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35話 内は吠えるが鎮めるのも内である

私は両膝を突き、その場で動かなくなった。電池切れのロボットの様に……




 黄華:良し! 何とか剥がすことが出来た!


  灯:何するの、もう少しでアイツを殺すことが出来た!! 邪魔するなぁぁ!!


 主人格になる椅子から剥がされた私は再度、座ろうと走るが()()に抑えられた。


 黄華:そうはさせないぜ、灯! 


  灯:離せぇ!!! アイツはクロの仇だ!! この力があれば、私がこの手で……


 ()()の肩に手が乗り、勢い良く後ろに引っ張られ尻餅を着く黄華。


 パンッ!!


  灯:えっ……!?

 私は頬を抑えた。頬が赤くなり、徐々にヒリヒリと顔に広がり痛みが発生したのが分かった。


  灯:青奈……ちゃん


 ()()()()()は私を抱きしめていた。私の耳元で青奈ちゃんは囁いた。


 青奈:灯ちゃん……その力は破壊するモノじゃないわ


  灯:でも、アイツはっ……!!


 青奈:分かっているわ……私しも憎いわ 私しも漸く、進むと決めた時にこれだもん でもね、こんなことしてクロが喜ぶの?


  灯:じゃあ、どうするの……何をすれば分からないよ 何を信じれば良いの?


 私は涙が溢れて……止まらなかった。青奈ちゃんの言う通り、カラス型を殺してもクロは帰ってこない。そんなの分かってる……。


 青奈ちゃんが密着していた私から離し、腕を伸ばした。

  灯:——っ


 青奈ちゃんの顔が涙でしわくちゃになっていた。


 青奈:灯ちゃん……貴方が本当に一番したいことはしなさい


  灯:一番……したいこと……




 私がしたいこと……私がしたいこと……そんなの、決まってる。


  灯:ソドールで苦しんでいる人を助けたい! ソドールの闇の呪縛から人々を自由にする

  それが、私が一番したいこと!!


 黄華:分かってるんじゃん ほれっ!! 

 ()()()()()が持っていたのはクイーンズブラスターASKと【レッド】のスライドキーだった。


 黄華:こいつはソドールを破壊するモノじゃない……救うモノだ この力があれば救える そうだろ?


  灯:うん!!


  灯:ありがとう! 青奈ちゃん、こうちゃん


  灯:行ってきます!


 青奈:しっかりね!


 黄華:気張れよ!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 黄華:大丈夫か?


 青奈:別に……平気よ  


 青奈:もう謝罪、言えないのかな……


 黄華:そうかもな……墓、つくるか……





 どうした? いきなり頭を抱えたと思えば急に動かなくなった。意味が分からないぜ。

 だが、今の内だ……今の内に逃げて残る1つを破壊する。

 俺は這いつくばりながらこの場を離脱する事にした。

 後ろから気配がした。この場に留まっているのは俺と……


『レッド』!


 怪盗は黄色の服から赤い服に変わっていた。

 砂まみれだった赤い服がなくなり、新品同様の服になっていた。


「先程はお見苦しいお姿をお見せしてしまい申し訳ございません」


 さっきの不気味な笑みが綺麗さっぱりなくなり、ここに来た時と同じ口調に戻っていた。

「貴方に奪われた力と貴方自身の力、全て頂きます!!」


「お前、アホか……さっきの狂気的な力を使えば俺を殺せたのに。みすみすそれを捨てるとはな」


「私がしたいことは殺すことじゃない。この力でソドールの呪縛から救う。勿論、貴方も救うわ! 今の貴方はソドールの力に支配されている。今、自由にしてあげるわ!!」

 私は【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)を持ち、構える。


 だが……

 私の足が力を失い膝をついてしまい、四つん映え状態になってしまった。

 しまったっ! 右足が……


 先程まで痛みもなかったがここにきて足に激痛が走り、真面に立っていられることが出来なかった。そんな私の様子を見ていたカラス型は好機を思ったのか私の方へ走り出す。

 手にはボール形の羽爆弾を所持している。恐らく、あのボールで私にトドメを刺すだろう。

 足をカバーできるモノを使い、一撃で決めれるモノかカラス型の注意を引けるモノが必要になる。


「レッド!!」

 廃工場の出入り口の扉から声が聞こえ、頭だけ振り返った。

 声の主は璃子さんだった。 あれ? 何で璃子さんがライダースーツを着て工場の中にいるのかわからなかったが、彼女が投げたモノを両手で包み込むように拾った。


「それを起動後、【タカ】にしなさいっ!!」

 拾ったモノはマガジン。

 No.16 【フォックス】でマガジンの色が茶赤色となっている。

 言われた通りに【フォックス】を使用することにした。


『フォックス』!


 トリガーを引き、【フォックス】を発動したが何にもならなかった。【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)に何か付与されている訳でもなく、かといって自分の身体が強化された訳でもない。

 不発? バグってやつなの? 失敗? どうしよう……


 こちらの緊急事態にお構なしに走ってくるカラス型。

 もう! 恨むよ、璃子さんっ!!


【フォックス】を外し、【タカ】を装填する。


『タカ』!


 怪盗服の背中部分に外付けの様にピンク色の大きな翼が装備された。以前使用した時よりスムーズに空中に移動が可能になった。【タカ】の翼を大きく広げ、上空を漂っている風を受け止めながら飛行する。力み過ぎて翼を勢いよく羽ばたかせていたが、今は最小の用力で自由に飛ぶことが出来るようになった。それを利用して翼などの角度を変えることで向かい風だけの力で、凧のように空中の一点に浮けた。ある程度の高さまで上昇した私は重力を利用しそのまま降下して行った。遠距離から高速でカラス型に向かって、【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)を横に構えながら徐々に距離をつけていく。カラス型は私以上にダメージがあるのか翼を展開し、空中に逃げることはしなかった。



 ——俺は上空から高速で向かってくる怪盗に羽爆弾ボールを投げる構えをした。

 チャンスは1度。当たれば良し! 直接当たらなくても爆弾が爆発したことで生じる大量の煙に紛れ逃亡する。怪盗は俺の翼は損害があるため飛行しないと考えていると思うが、逃げに使用するため温存している。

 俺に対して一直線に向かってくる怪盗にボールを投げる構えを取る。投げられたモノは速度が上がって降下中の怪盗へ向かう。怪盗は自身の翼を大きく広げ、力一杯羽ばたかせながらスピードを落としていた。そこへ飛んでくるモノを持っている武器で弾き下ろした。


 さっきもそうだが、周りを良く見れないものかな……

 怪盗の頭上に黒い丸みを帯びたモノが落ちてきて、怪盗の顔の位置に差し掛かった瞬間に爆発した。


 俺が馬鹿正直に羽爆弾を投げる訳ないじゃん……初めに投げたのは近くにあった石ころ。丁度、俺が生成した羽爆弾と形状が同じだったため拾い投げた。

 石ころを投げた瞬間に反対の手で下から羽爆弾を山形に投げ、羽爆弾は重力に引かれ落下し、怪盗のいる位置まで落ちていった。

 怪盗も怪盗で自身に投げられたボールサイズの石ころを当たらないようにスピードを落としながら払い構えを取る。

 ジャストな位置に落下した羽爆弾は怪盗に命中する。


 さて、逃走しますか……

 工場の扉に人がいるが後回しにすることにした。1歩1歩歩く度に身体が重く感じるようになった。

(流石に疲れたか……)

 余程の疲労なのか足取りが重かった。しまいには膝をつくまで至った。前のめりになり俺は地面に手をつく動きをする。地面についた自分の手を見てこの戦闘に何度自分が取ったか分からない驚きの目をしていた。

 なんだ!? 何が起こっている?

 戦闘が原因で着ていたスーツは所々破けていた。腕の部分も破けており右腕に関しては二の腕ぐらいまで無くなっていた。無くなったことでカラスのような黒色に腕が露出していた。

 それはどうでも良い。問題なのはその腕が白い煙を出していたことだ。

 この状態は何度も見てきた。カラスの怪人から人間に戻る際に生じる現象。だが、この姿になってから分かったが人間に戻るのは自分の意志で可能になる。突然、人間に戻ることは今までなかったはず。それなのに、どんどん俺が十何年一緒に過ごしてきた人間に戻ってきていた。腕から胸、下半身……最後に顔が元に戻った。

 俺は視界はそこで暗転した……




「......お疲れ様、灯!」


 私、璃子はヘルメットを被ったまま、大の字に地面へ倒れている灯に労いの言葉をかけた。


「事前に【フォックス】の能力、教えて欲しかった……今度こそ、死ぬかと思いました」


 No.16 【フォックス】 マガジン:茶赤色

 発動した者を中心に15m圏内にいるモノは幻覚に陥る。

 人は勿論、機械類——自動車のドライブレコーダーやロボットに備えているカメラ、テレビなどの映像全般も対象。目の錯覚をうまく利用するトリック映像のイメージ。


 鮮明な映像が出ないレーダーのような探査機や無線通信は対象外。

 幻覚攻撃を喰らうのは圏内に入っているモノ全て。

 発動した本人は幻覚の対象外になるが、圏内に他の誰もいなかった場合対象外から外れ、発動した者が幻覚作用を味わう。

 抜け出すことは自分では不可能。他者が発動をキャンセルするしか方法はない。


【タカ】を起動し翼を大きく広げ少し上空へ飛んだが、そこで私は力尽き落下して行った。

 No.48 ボーンを発動し骨をクッションにして何とか少しのダメージで済んだ。

 カラス型は私に目もくれず空中に向かってボールを投げ、何もないのに爆発させ、スッキリした顔で私の方へ向かってきた。私に警戒せず進んできたので足首に注射器を刺し、成分を抜き取った。

 抜き取られたカラス型は前に倒れ人間態に戻り、そのまま意識を無くしていた。


「この子は坂本にでも任せて、私達は引き上げましょう?」


「そうですね……待ってくださいっ!!! クロッ!!!!」

 私はクロの名前を呼びながら重い身体を起こし、足を引き摺りながら工場内に向かう。


「絶対に......はぁ〜 後が怖いわね……さて、私は奪われたマガジンを探しますか」

 璃子は辺りを探し、マガジンを回収するために行動した。


 周りを見渡してもマガジンがどこにもなかった。そんなにカラス型は移動していないから絶対に近くにあると思ったけど……


「探し物はこれかっ?」


「……貴方は!?」


「お前が誰か知らないが、コイツは儲けたなっ!!」

 カサンドラはカラス型が外へ転がってきた時に、ソドールの能力が入っているマガジンを拾っていた。

 マガジンはそれぞれ——No.14 No.25 No.29 No.52 No.53

 この前手に入れたNo.56を合わせて6本所持することができた。


「運も実力の内ってかっ!! じゃあな!」


「やられたわね……」

お読み頂きありがとうございます


灯が使えるソドール能力

No.16 フォックス 茶赤色

No.33 ホッパー 青ピンク色

No.35 スパイダー 赤紫色

No.44 タカ  白桃色

No.47 シャーク 青水色

No.48 ボーン 茶橙色

No.55 クレーン 煉瓦橙色

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No.50 ??? ???色


悪魔:黄 カサンドラ     

所持人形:2個

No.14 ライオン 白黄色

No.25 カメラ 黄茶色

No.29 キャット 青マゼンタ色

No.52 ダイヤモンド 水白色

No.53 ミラー ピンク赤色

No.56 ラッキー 茶黄緑色


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