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レッド・クイーンズ ~天織灯のあくまな怪盗生活~  作者: 麻莉
2章 6月 涙の暴雨、天舞う朱は侵界を祓う
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32話 頬を伝う涙

「手段を選んでいる場合じゃなくてな、話はここまでだ。そろそろヤられてもらうぜぇ!」

 段々苛立ちが高まり、攻撃を仕掛けるカラス型のソドール。


「ブラック(クロ)は月音ゆみさんをお願い……」


「……分かった。救出したら私も加勢するわ」


 クロは【スパイダー】を起動し屋根に蜘蛛糸を貼り付け移動する。

「させるか!」


 羽爆弾をクロに向かって投げるが私が撃ち落とした。

「そう何度も爆破させるわけないじゃん」


 カラス型のソドールに向かって走り出す。右足を1歩踏み出しジャンプする。身体を屈み両手でしっかりクイーンズブラスターASKで持つ。利き腕である右腕を真っ直ぐ射撃方向に向けて伸ばし、左腕はクイーンズブラスターASKを持つ右手に沿えるように一緒に握る。片腕で撃つより両手でクイーンズブラスターASKを持つことで固定しやすく敵の1点を狙えるため射撃しやすい。


 カラス型のソドールは灯が撃った銃弾を真面に食らい、その場から少し後退した。

「てめぇ!?」


 カラス型のソドールは反撃しようと翼を広げ、空中に浮かぶ。


『ホッパー』!


 即座に【ホッパー】を起動し宙に足場をつくり、カラス型のソドールに向かって動き出す。


 私の行動に驚き僅かに硬直するが直ぐに我に返り、翼に生えている羽を真下に落とした。

『ライオン』!


【ホッパー】を外し【ライオン】に切り替える。【ホッパー】を左手に持ちエネルギー弾を撃つ。こっちに羽が来ないようにエネルギー弾から放たれる風圧で羽を掻き消した。自信の羽と【ライオン】のエネルギー弾の両方が直撃し、頭から下へ落ちるカラス型のソドール。

 私も【ホッパー】の薄い板がなくなり、落下の一途を辿る予定だが【ライオン】をクイーンズブラスターASKから外し、即座に左手に持っている【ホッパー】を装填、発動した。

 落下速度を軽減し、両足で着地しても無傷のままになる。



 クロは月音ゆみさんの所に向かい私に対してサムズアップした。月音ゆみさんは息があり心配ないの合図だった。

 少しだけ安堵し、残るはアイツから成分を採取すれば終わる。


 カラス型のソドールはよろめきながら近くの鉄骨柱にもたれ掛かりながら不敵な笑みを浮かべていた。


「ブラック!!」

 私が名前を発した瞬間にクロと月音ゆみさんがいた場所が爆発した。


 コンクリートが破壊され崩れていく。急いで2人の居た場所に向かう私。

 砂煙を掻き分けると薄い青色の膜が出現していた。


「【キャット】で防御したから私達は大丈夫よ」


「これも持ってここから脱出して……」

 私はクロに【ダイヤモンド】を渡した。


「了解よ!」


 月音ゆみさんを抱えながら廃工場の出ていった。

 カラス型が翼を広げクロ達を攻撃したが【キャット】の防御空間内にいるため無傷で外に脱出することができた。

 2人は大分離れたことで心置きなく戦える。


 カラス型のソドールもふらふらだが険しい表情をしておりこちらを睨んでいた。

 自分の攻撃を全て防がれ、人質の周りに設置していた爆弾も防がれた。カラス型のソドールは苛立ちを隠しきれなかった。


 敵が移動する前に攻撃を仕掛けた。

 私は思いっきり地面を蹴り飛ばし、カラス型のソドールがいる鉄骨柱へと一直線に全力ダッシュをした。

 カラス型のソドールは翼の羽を私に対して放つ準備をしていた。敵が準備に気を取られている間に、私は敵との距離が半分近くの位置にいた。走りながら、【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)を右手に持ち構えた。クイーンズブラスターASKをカラス型のソドールに向けた。引き金に指を触れ何発か撃ち、カラス型のソドールの腹に命中した。腹に当たり火花が閃光し後ろに倒れていく。


 貰った……!

 更に一撃加えるために【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)を振り下す構えをとる。


 右足に力を込め、更にスピードを上げる瞬間、カラス型のソドールはこちらを見てニヤリと笑みを浮かべていた。まるで獲物がかかったようなそんな顔を……。


「さようなら!」


 目の前に1枚、羽が上から落ちてきた。その枚数が多くなり私の頭上を覆った。

 地面にもカラスの羽があった。なんで……上に……下も……

 私のいた地面には無数のカラスの羽があり、それらが全て爆破し炎上した。



 爆発の原因で発生した馬鹿でかい音がなくなる。廃工場の天井まで届く煙は尚も上昇していっていった。


「さて、死体でも拝みますか……うん?」

 俺が考えていた構図は屋根には予め剥がれやすいように羽を貼り、時間が経過するに連れ、シャワーのように羽が降り注ぎ、地面に隠していた羽で怪盗がその爆発を直撃し戦闘不能、もしくは死ぬものだった。しかし、そこにあった光景は俺が考えていたものではなかった。

 怪盗の仲間が仰向けで横たわり、俺が先程まで戦っていた怪盗は右足を引き摺っていた。腹這いの状態になって手と足で地面を擦るように前身していた。その姿は滑稽そのものだった。


 前に進み、情けない姿を見るために歩く。その途中、輝き色鮮やかな細長いモノが3本ある。青マゼンタ色、赤紫色、水白色と様々な色が地面に落ちていた。


 これが奴らの力の源なのか……? ちょうど良い、コイツも頂くか……。

 3本のマガジンを拾い怪盗の向かう俺。

 何やら2人で会話をしていたがそんなのどうだって良い……。






 私は張ってクロの所に向かい手を力だけで身体を起こした。右足は羽爆弾の攻撃を食らい負傷した。激痛が身体全体に広がり苦しかったがそれでもクロを抱き抱えた。

「足、無事? ごめんね守れなくて……」


「私よりクロが……」


「ちょっと、活動中は『ブラック』でしょう? はぁ……そんな顔しないでよ……ちょっと疲れただけだから……」


「———ッ」

 私は涙を流しながら首を横に振っていた。クロの顔を見たいのに涙が邪魔して徐々に見えなくなってきた。涙を拭った腕には砂埃が付着していてそのまま私の涙と合わさって顔に付着していたがそんなものはどうでもいい。鼻水を垂らしても大量の涙を流しても、今はクロの顔を見ないと後悔する……


「しっかりして……」

 私の為に……クロが……何か回復手段は……

 片手で自分の着ている怪盗服の至る所からソドールのマガジンや璃子さん印のアイテムを地面に出しても、そんなものはなかった。

 カラス型のソドールが放った羽爆弾の影響で廃工場の中は爆発と砂埃が舞っている。

 視界が悪くなる。砂埃が舞う度にクロの顔に直撃し、私はそれを払う仕草をしていた。


 クロの腕が上がり、私の頬に手を置いた。

「はぁ……心配しないで……こんなことで私は……はぁ……死なないから……ただ、少し眠くなってきただけ……」


「ダメッ! 寝ないで……起きて……私と一緒にこれからも……」


「灯……貴方が一番やりたいことをやりなさい……」




「楽しかったよ……」

 その言葉を最後にクロの手が私の頬から離れ、地面に落ちていった。

 クロの身体が軽く感じた。目も閉じていた。


 クロが死んだ……私を守るために。なんでこうなった。

「ねぇ、クロ……クロ、起きてよ。クロ……」

 私はクロの身体を揺らしたがクロは動くことはなかった。

 私は受け止められない現実に目を背け、身体を丸め地面に向かって絶叫していた。

「いやぁぁぁぁっぁぁぁっぁぁああぁぁぁあああぁっぁぁぁ」



 私の方に歩いてくるソドール……

「まずは……1人。次はお前だ、怪盗女」


 カラス型のソドールが手には、羽爆弾で吹っ飛んだクロが持っていたマガジンが3本……。


 私は顔を上げ、そいつを見ていた。地面に溜まっている砂を握りながら敵を見ていた。


お読み頂きありがとうございます


灯が使えるソドール能力

No.14 ライオン 白黄色

No.16 ??? ???色

No.25 カメラ 黄茶色

No.33 ホッパー 青ピンク色

No.44 タカ  白桃色

No.47 シャーク 青水色

No.48 ボーン 茶橙色

No.53 ミラー ピンク赤色

No.55 クレーン 煉瓦橙色



カラス型

No.29 キャット 青マゼンタ色

No.35 スパイダー 赤紫色

No.52 ダイヤモンド 水白色


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