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レッド・クイーンズ ~天織灯のあくまな怪盗生活~  作者: 麻莉
2章 6月 涙の暴雨、天舞う朱は侵界を祓う
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30話 恐ろしく手が早い奴と上空の運の良い奴

 黄華こうか:良かったな こんな高級ホテルに泊めれるなんてテンションが昂るよ——しかもタダッ!!


 青奈せな:アンタの呑気羨ましいわね、本当に まぁ、貴方の性格は助かるわ しみったれた表情で泊まるなんてそれこそ、失礼よね


  あかり:……そうだね


 青奈:私し達がやってきたことは無駄じゃない それが分かったんだから、後は楽しもう!


  灯:うん!! 楽しいんで、カラス型のソドールの成分を1日でも早く採取しないとね


 黄華:そういえばさぁ〜 璃子が作ったカード使わなくても良かったのか?


 青奈:問題ないわ ターゲットの正体は目星が付いているわ 後は結果を待つだけよ


 黄華:流石だね〜


 青奈:お子様には到底、出来ない芸当よ もっと褒めなさい!!


 黄華:綾にやったよりも強烈のを喰らわすぜ 女豹!!


 青奈:やってみなさい 全部回避してあげるわ でも、回避しなくても良いか 身長的に問題ないし


 黄華:それを言ったな!! もう戦争だぁぁぁああぁぁ!!!


  灯:ふふん はぁぁはああぁっぁぁ!!


 灯の笑い声につられ、戯れあった青奈と黄華も高笑いしていた。まるで子どものような笑い声でおかしそうに笑っていた。



 次の日の朝。

 朝食は持ってきてもらいことにし、部屋で食べることにした。

 安齋姉妹は昨日、疲れていたのか。私が戻ってきた時にはすでにベットで寝ていた。


 私達もシャワーだけ済ませて就寝し、今起きた。

 運の良いことに今日は休日。学校の気にせず寝れるって最高!! 2度寝を決めたかったがこんな体験は2度と来ないのかもしれないと思い、ベットから飛び出しテーブルに用意されていた朝食を食べていた。

 私の後に制服を着た状態で寝ていた2人が現れ、一緒に食べていた。


「2人とも、服そこにあるから好きなモノ着て良いそうですよ」


 朝食が置かれてあるテーブルとは別のテーブルが奥にあり、そこに何着もの女性用の服が置かれてあった。


「取り敢えず、2日間はここに居て、それから今度のことを考えましゅう」


「あの、天織さんは何者なんですか?」

 そうだよね……。至極当たり前の疑問だよね。さて、どう答えれば良いのか悩む。


 青奈:前にクロが赤い悪魔に言った妹設定で良いんじゃない?


 そう云えば、ルージュに対して消滅したクラスの中の妹って話ししたっけ。なんで、あんなこと言ったのか後でクロに問いただしたけど、『なんとなく』って言われた。


「朝から重い話はしたくありませんが、私は……」



 コーヒーを飲み、テーブルにカップを置いた。

「……これが私に起きた事です」



 2人は私の過去(妹設定)を話を訊いて棒立ちしていた。

「2人を助けた怪盗は私と同じ境遇の人ですが、直接お会いしたことはありません。救援要請を受ければ私が駆けつけるなどの支援のようなことをしております」



「ありがとうございます……辛い過去を話させてしまって」


「大丈夫ですよ。これでも当初よりかは幾分、マシになりましたので」



「じゃあ、昨日のカラスを模した化け物がいなくなれば、私達は狙われる心配もないってことですか?」


「はい。怪盗さんが全力で戦っています。2人は待っててください。良い機会ですしホテル内を見るのは如何ですか」


「そうね……外に出られないなら、やることは限られるし、月音ゆみはどうする?」


「私は見てみたいかな、このホテルの中。ちょっとでも家の役に立つだろうし」


「見るのは賛成だけど、役に立ちたいとは思わないかな——私は」


「お、お姉ちゃん……」


 私は両手を勢いよくハイタッチし、大きな音を出した。

「決まったようなので、少し探検しましょう!!」





【灯ちゃんと愉快な仲間たちASA】

 灯:2人とも、ここに来る?

 URL:https://——————.com.jp


 あや:!? こ、高級ホテル!? 


 すず:何故?


  灯:今、安齋さんとお姉さんと3人で泊めってる!


  綾:……


 すず:……


  灯:あの2人とも……


  綾:すぐ向かいますぅぅぅうううぅ!!!!!


 すず:私達という者がありながら、灯は手が早いね〜


  灯:何のこと言ってるの?


  灯:じゃあ、ホテルに着いたら、フロントにいる藤中ふじなかさんって人に声かければ案内されるから……よろしくね!!


 トークはここで終わり、早速、桝長ますながさん達に話したところ快くOKサインが出た。


 戻るとはやしさんに出会した。

「おはようございます、天織様」


「おはようございます、林さん」


「覚えてくれて嬉しいです。……ありがとうございます」

林さんが深々とお辞儀してきた。


「???」


「急にごめんなさい。私とフロントにいる藤中ふじなかは桝長支配人の事情を知っている者です。このホテルの各部門の責任者と副責任者も同様です。なので、安心してお過ごし下さい」



「はいっ!」



「お友達が1階フロントに到着したそうですよ」



「早っ!!」


「貴方も青春を送っているそうですね。良かったです」


 3人は部屋で待っているとすずちゃんと綾ちゃんが荷物を持ってやってきた。

 何故か白い鉢巻をして入ってきた。


「2人ともいらっしゃい!!」


 荷物をその場で下ろした2人は私が視認出来ない速度でこちらに迫り、私の両肩を挙げ、足を引き摺られながら私が寝ていたベットに搬入されて行った。


月音ゆみちゃん、萌香もかさん。少し待っててください」


「ちょっと尋問してくるので……」




「「尋問??」」


 私は2人に連行されて行った。



 少しの静寂が経ち......

「……月音ゆみ、コーヒー飲み?」


「飲む!!」



 ベットに連れていかれ、正座させられてる私。

 全く身に覚えのないのにこのような姿を強いられている。クロに見られたら何されるか……。

 まぁ、現在進行形で私の脳内が騒いでいるのは周知の事実である。

 そして、私の前には2人の友達が立っていた。

 すずちゃんは腕組み、綾ちゃんは腰に手を当てて、仁王立ちし威圧感増し増しでした。


「あの〜 2人ともどうしたの……朝からそんな怖い顔して」


「もうすぐ11時になるから、お昼よ……灯」


「怖い顔なんて心外だね。いつもこんな顔だよ、灯ちゃん……」


 気合いの入った私服を着こなしながら、怖い顔で若干、睨んでくる。



「灯」「灯ちゃん」


「「どういうことか、説明してもらうよ」」


 綾ちゃんは私の背後に移動し、私と同じようにしゃがみながら私の腕を後ろ手にされた。

「ちょっと……!?」


「これより、刑を執行する。よろしいですか、綾さん?」


「こちらは大丈夫です、すずさん」

 お互い敬礼していた。


「待って、2人とも本当にどうしたの……青奈ちゃんみたいにしないでくれるかな」

 青奈ちゃんが私に対してやるマッサージは今のすずちゃんと同様に必ず、手の指を蛇のようにしなやかなにしながら私に迫ってきてきた。


「ほぉ〜 青奈さんはやるおる……流石、私の心の師匠ですね」


 不味い、ここで変な声を出せばリビングにいる安齋姉妹にあらぬ誤解を持たせてしまう……。

 終わった後、何食わぬ顔をして必死に笑顔を作っても遅いかもしれない。




 私の腹にすずちゃんの手が当たる瞬間、爆発音と共にベットの部屋の出入り口の扉が吹っ飛んだ。

 この部屋は入るとすぐにベットが備え付けれている。吹っ飛んだ扉はそのまま私達がいるベットに落下してきた。私達3人は咄嗟にベットから飛び出し、その場から離脱した。




「2人とも、大丈夫?」


「問題ないよ」「同じく……でも、なんで?」


 私の頭に電流が走り、急いで安齋姉妹がいる所に向かった。

「安齋さんっ!! 大丈……キャアァ」

 髪の毛が風に巻き上げられている。

 私は腕で顔を守った。そうしないと風圧でまともに前が見えないのだ。


 このホテルやタワーマンションの一面ガラス張りのガラスは結構、厚く設定されているため映画やドラマの様に人の力や物などを使って即座に割れるようには出来て負わず、そう簡単に割れることはない。もし簡単に割れる構造だと、安全や快適性が阻害されるため十分な対策がなされている。しかし、窓ガラスにも一定以上の強度があり、許容耐力の基準値を超える外的要因があると元がガラスなため直ぐに割れる。そして、部屋が上空であればあるほど、風速は強くなりまともに前に進めない。


 萌香もかさんは部屋の端で横たわっていた。風圧でいつも以上に鈍く進むことしかできなかったが彼女の側に行き状態を確認した。素人感覚だが、息はちゃんとしていたため気を失っているだけなのが分かり安堵する私。萌香もかの周りを見ても月音ゆみさんの姿がない。


 一面ガラスが大部分が大破し外の情景が剥き出しになっている。強風が私に襲い掛かり髪が常時、立髪のように暴れ回っていた。


 私は割れた窓ガラスの方に目線を向け、眉をしかめた。

 安齋月音ゆみさんを抱き抱え、空中を漂っているカラス型のソドール。

 翼を羽ばたかせ昨日よりも上手に飛行していた。


 コイツはここまでやるのか。なんとも言えない怒りが込み上げ、私は絶句していた。


「この女は貰っていく」

 醜悪な笑みを見せ、カラス型のソドールが逃げる瞬間、私はカードを投げた。

 しかし、強風の影響でカラス型のソドールには当たらず風に煽られている。


「クソッ! 待てっぇえぇぇ!!!」


お読み頂きありがとうございます

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