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レッド・クイーンズ ~天織灯のあくまな怪盗生活~  作者: 麻莉
2章 6月 涙の暴雨、天舞う朱は侵界を祓う
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23話 怪盗とカラス 時々、悪魔

 練忍町ねおしちょうで降りた僕らは駅周辺の様子を見ていた。

 至る所に警察の人。入るなの黄色テープがこれでもかって位に貼られていた。青色のカバーも掛けられ工場の中が見えない状態になっている。

 その外側では記者の連中や決定的な写真を撮ろうとカメラマンが徘徊していた——忍者のように

 隠密行動をとりながらベストショットを狙っていた……。


 黄華:これ……無理ゲーじゃないか??


 青奈:予想はしていたけど……無駄足だったわね


  灯:ねぇ。あそこから見えないかな?


 灯が指し示した場所は住宅街の上にある丘だった。ここから少し離れていて現場を上手く見えるか分からなかったが少しでも見えれば御の字かと思い丘を目指した黄華。


 整備されている階段を登り終え、丘……小さい公園に辿り着いた。

 そのまま工場が見える場所まで歩いた。

 木製の柵があり、それ以上奥に進むと人間は落下の一途を辿り、小さな怪我だけじゃ済まさない位に深い空間があった。公園に設置されている小さい街灯がなければ柵に気が付かずブラックホールの様に闇に吸い込まれどこかに行きそうな勢いを感じる。


 柵に手を置き、その先に見える景色を見た。夜景を鑑賞している訳ではない。小さいがちゃんと工場の内部がうっすら見ることができた。


「おぉ!! 見える見える。凄いな、璃子!!」

 市販の双眼鏡の倍率を弄って改造しそこそこ遠くの場所を見ることが出来た。


「げぇ!? アイツらがいる……」

 こうちゃんがバツの悪い顔していた。


 黄華:対策室の奴らがいた 赤のやつは近くにいなかった。もしかしたら、お前の攻撃が予想以上に効いたか現場にいないだけかもしれないけど。そんなことはどうでも良いか。


 青奈:……


  灯:青奈ちゃん。まだ怒ってる??


 青奈:ノーコメントよ。灯ちゃん……


 2人:(絶対にまだ怒ってるな、あれ)


 黄華:アイツらも動いているならさっさとターゲットを見つけて成分を手に入れるか


  灯:こうちゃん。後ろ……


 黄華:あぁ、分かってる


 認識阻害のサングラスを懐から出した黄華。

 僕は後ろを向くと怪しげなスーツを着ている奴をいた。

 全身銀色のスーツに身を包み、黒色の革靴。顔がカラスに似ている造形。

 恐らくカラス型のソドールだが……もう1つの力が何か分からない為、油断できない。


 しかし、銀色のスーツって……。あのスーツが似合う人なんてマッチョでダンディーな男性だと思うけどなぁ〜 まさか、前のキツネ型の類似でスーツが2つ目の力なのか?? もしそうなら、スーツも警戒対象になる。それにカラスなら飛行できるかもしれない。灯が上手く【タカ】の翼を扱え切れていなかったため璃子が再調整した何とか使い物になったが夜の外の訓練はまだしてこなかった。どうするか……。多分行けるか……。良し!! やろう!!


「こんな所で何やってるかな。お嬢さん??」

 ヤバい。鳥肌が立ってきた。僕はお嬢さんって柄じゃないからどうもむず痒み気分になる。


「別にただあの工場が今、どんな状態か興味があっただけだよ」




「そっちはどうなのさぁ〜 中々、個性的な格好だね。仮装大会でも出るんですか?」


「まぁ、大会みたいなものかな……。今はその準備中でね——最大の祭りへの準備をしている」


「最大の祭り……?」


「君も招待しようか」


「嬉しいですね。招待状はいつ届きますか?」


「今すぐです!!!!」


 カラス型のソドールは僕の方に走り出す。

 走っている最中に左手に球体が出現していた。


 以前、戦った蜥蜴型のソドールも似たようなモノを持っていたな。アイツの場合は蔦の球根だったけど。確か、球根を地面に投げれば物凄いスピードで蔦に成長し敵に向かって獰猛に攻撃してくるんだっけ。今は赤色の悪魔であるルージュに奪われているNo.59【アイヴィー】。


 黄華はクイーンズブラスターASKに自分専用のスライドキー【イエロー】を設置し,

 マガジンNo.52【ダイヤモンド】を装填してからクイーンズブラスターASKの引き金を引いた。


「変身!!」


 肩まである黄色のショートヘアー、烏の羽のような艶のある黒色のワンピース・ドレスに包まれている。ドレスの上に羽織っている深みのある華やかなイエローのコート。

 黄色に輝く銃、右腕部分が黒色のガントレットに3本の爪が備わっている

 巨大な黄色の鉤爪【捕食者の影爪】(シャク・ロドエ)、付属しているのは爪型で取り外しが可能な【リッキープレイド】。


 何か、殆ど僕の戦闘、夜なんだけど……。やっぱり、僕らには運がないみたいだね。

 そんなことはどうでも良いか……。うん? なんでカラス型のソドールは走りながら球体を投げたんだ? 走りながら投げても余り意味ないのに……。


 カラス型のソドールから放たれた黒色の球体は僕の方に向かってくるが野球選手のピッチャーみたいにちゃんとしたフォームで投げなかった為、ゆっくりだが確かに僕の方に向かってきている。

 避けるか? いや……何があるか分からない得体の知れない物体Xをこの公園以外の世に解き放つわけにはいかない。

 そう思い、僕は【ダイヤモンド】の起動する準備をしていた。


 投げられた球体は黄華との距離が近くに連れて外側が剥がれていく。1枚1枚と羽のようなモノが取れていく。次第に僕の前が羽に支配されていく。


 マジか!? 【ダイヤモンド】を起動。


「バイバイッ!!」


 その言葉を合図に黒い羽が激しい閃光・音と共に空中で爆ぜた。

 爆竹というモノがある。あれ竹筒や紙筒に火薬を詰めに導火線に点火、爆発させ、大きな音を鳴らす花火の一種。

 この爆竹は何十本で一つになっており、導火線に点火する事で落下しながら1つが爆発する。そして1つが爆発すると連鎖爆弾の様に1つまた1つと連続的に破裂音を立てて爆発する。爆発中は周囲に破裂した紙筒の破片が大きく散乱するなど爆発力が極めて強く威力も当然、増している。


 あっぶな……。

 相変わらず【ダイヤモンド】柱の圧倒的防御力は光るものがある。

 こいつは絶対に奪われないようにしないと、今の所、防御面の担当のマガジンはNo.52【ダイヤモンド】大先生と最近赴任してきた新米教師君のNo.29【キャット】。先日のキツネ型のソドール戦で目覚ましい活躍をしてくれて晴れて我々の仲間になった。

 しかし、【キャット】は如何せん持続時間が短い点が際立つ。【ダイヤモンド】は同時に複数の柱を出せないデメリットがある。デメリットはそれだけだ。これを頭に入れておき、上手くやれば一箇所存在限定デメリットはそこまで苦ではない。


 そして、さっきのカラス型のソドールの攻撃で2つ目の力が分かった。

 よりによって爆弾能力かよ……。カラスの翼を爆弾に扮して攻撃してくる。しかも形状変化も可能。さっきの球体が良い例だ。恐らく工場へは球体を投げて工場の頭上に到達し、球体からカラスの翼が剥がれた所を自分のタイミングで爆破した。

 ちょうど、僕が受けた攻撃をそのまま工場にもやったって所から。


「そんなモノを持っていたのか……。俺の爆弾を防げるものがあるなんて……」


 柱が徐々に崩れていく。

「今度は僕の番だ!!」


 黄華は握った拳をやや前に出し、ニヤリと微笑んだ。足元から爆発したかの様に砂埃が上がる。

 黄華の身体はカラス型のソドールの懐まで運ぶ。


 飛び込んできたタイミングに合わせて羽爆弾を放つ。爆弾をまともに喰らえばこの怪盗も無事では済まない。

 カラス型のソドールは目を見張った。投げられた爆弾は怪盗の身体を透過し、明後日の方向に行っていた。

 怪盗の大きい鉤爪の手が俺の腕を掴んでいた。

 自分が先程まで見ていた怪盗の姿が消えた。残像かよ……


 少々、雑念をしていたため、いつの間にか、女怪盗がより深く自分の懐に入り込んでいるでいることに気がついたが時、既に遅かった。



「———ッ!?」

 自分と怪盗の僅かの隙間を縦一直線に斬撃が放たれた。

 懐に放つ予定の腕を瞬時に引っ込ませながら俺に蹴りを入れていた。

 強烈な蹴りを入れられた俺は後ろ後ろに転がっていった。

 蹴った怪盗は俺を見ず、斬撃が放たれた方向を向いていた。





「久しぶりだな、ガキ!!」

ありがとうございました!!

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