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レッド・クイーンズ ~天織灯のあくまな怪盗生活~  作者: 麻莉
2章 6月 涙の暴雨、天舞う朱は侵界を祓う
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21話 輝き微笑ましい噂話

「ねぇ、綾どうしたの?」

 少しおっとりした口調で綾を心配している安齋。

 気にしない方が良いよ……面倒なことになるし……

 僕は初対面の安齋に温かい目を送る。


「何でもないよ……これは己との闘いだから……」


「よく分からないけど……頑張って」


 本題に戻るが、綾の話では安齋は先程、三守が話していた練忍町ねおしちょうから1駅離れている所に住んでいる生徒。いつもは1学年上の姉と一緒に帰っているが姉の方が病院に検査しに行くとかで1人で帰るとのこと。丁度、灯から黄華、つまり僕になっているので変なやつに絡まれても対処できるだと綾が僕に説明してくれた。


(厄介ごとに巻き込まないでよ……)


(それはゴメン。でも……)

 綾が歯切れが悪い様子になっていた。何か事情があるのかも知れない……


 黄華:どうする??


 青奈:私しは正直、面倒いからパスしたいけど……


 灯:やろう!! 必要とされているならそれに応えたい


 青奈:はぁ〜 もしかしたら工場現場の近くに行けるかもしれないし、運が良ければ現場を観れるかもしれないしターゲットの情報があるかもしれないか〜 行きますか……


 黄華:運が良かった試しあったっけ?


 青奈:確か1回……あったはずよ


 黄華:いつだよ、それ


 灯:ありがとう、青奈ちゃん!!


 青奈:良いね。もしソドールが出たら、くれぐれも正体が知られないように変身して応戦しなさい


 黄華:へいへいっ 了解!!


 青奈:灯ちゃんは後でマッサージコースね!!


 灯:えぇ!? まさか……この前のあれを…… お手柔らかにお願いします


 青奈:腕が鳴るわ!!



「良いですよ、私と一緒に帰りましょう!! 安齋さん」

 綾は僕が絶対に言わない灯口調で頬を緩め、優しい慈愛に満ちた声を発したものだから安齋に見えないように顔を逸らしながら、近くの机にしがみつきていた。ついでに身体をぷるぷる震わせている。


 綾は後でシバく。握っていた拳をそっと制服のポケットに手を入れ解放するのに少し時間がかかった。



 電車の中——

 今朝のニュースの影響か分からないが乗車する人が少ない。

 いつもは定時に帰るサラリーマンやOL、僕達と同じ学生達でおしくら饅頭状態になり、降りる駅で出たくても電車の扉に行けず逆に後ろに追いやられる。お前を逃さないかのように……。そんな帰るだけなのに朝以上に地獄を味わう帰宅ラッシュの時間帯であったが、練忍町ねおしちょうに向かうこの電車は人があまりいなかった。


 それもそうか……。皆、あんな爆発に遭いたくないか……

「綾……。ゴホンッ……綾ちゃんは安齋さんとの付き合いが長いの?」


「ふ、ふふうっ。うん!! 中学から一緒のなのよ」


「あの……天織さん、ありがとうございます」


「あぁ!! 気にしなくて良いよ。困っている時はお互い様だしね」


「はぁ〜 初めて天織さんとお話しできました……」


「そんな、大袈裟な事。わ、私は普通の女子高生だよ」


「私……この歳になっても誰かと帰えらないと行けなくて。昔、色々ありまして。今日はお姉ちゃんが病院に行っててどうしようと困っていたんです。しかも、ニュースを見て余計に心配になって……」


「誰かと一緒に帰ることは全然、変じゃないよ。私も同居人と一緒に帰ってるし」

 僕らはある意味、3人で帰宅しているもんだし…… プラスあの悪魔と帰っている。


「そう云えば、お姉さんはご病気か何かの??」


「——ッ!」

 静寂に包めれ居た堪れない空間になった。

 あれ? 聞いちゃまずかったかぁ…… どうしよう、すぐに話題を切り替えないと。


「ごめんなさい。そうですよね。確か天織さんが学園に編入してきたのはお姉ちゃんの事故の騒動がおさまった後でした」


「ごめんなさい。変な事言って。この話はここまでという事で……そう云えば、そのヘアピン結構、使ってるの?」


「えぇ!? はい。これはお姉ちゃんと昔、お揃いで買って今でも使っています」


「私もそういうの買おうかな…… ねぇ、綾ちゃん。すずちゃんも誘って買い物付き合って」


「OK!! 早速、すずちゃんにいつが良いか聞いてみるよ」

 そう言って綾は携帯端末ですずとやり取りしていた。


 安齋は僕達の様子を見て口を開けていた。

「口、開けっ放しだよ??」


「ごめんなさい……。やっぱり、あの話は本当なのかなって……」


「うん? あの話って何のこと?」


「実は少し前に3人で登校していた時なんですが……」

 いつの話だ、それ?? 灯が登校する時、毎回3人で学生棟の出入り口に向かっているし、僕やアイツも時々、入れ替わって2人と登校しているから。正直、どの日のこと言ってるか分からず頭にはクエスチョンマークが飛び交っている。


「女神様はやっぱりいたんだって思って……」

 表情が柔らかくなり、まだ女子生徒だけだが気さくに話してくれる天織灯あまおりあかりさん。天使が昇華し女神様になった経緯がある。

 ここ最近、3人——天織灯・橋間すず・鈴木綾の3人が学生棟の出入り口に向かって走る光景を周りの生徒が見ていた。

 3人とも色々、特出すべきモノを持っており木ッ菩魅烏高校ではちょっとした有名人となっている。(約1名は未だに自分が男女問わず人気者——天使様と崇められているとは思っていない)

 そんな有名人達による微笑ましい光景を目撃した生徒達は、様々な声を出していた。

 黄色、微笑む、僕(灯)の笑顔を見た衝撃で倒れる人もいたらしい。


「女神様って……。そんな上等な者じゃないのに……」

 僕らがこのまま死んでも天国に行くことは絶対にない。行くとしたら下へ下へ……あの悪魔の故郷とも呼べる場所かな。


 そんな雑談しつつ、安齋が降りる駅——縫江沙ぬえさ駅に降りた。

 電車を降り、改札へと歩き始めた3人。

愛してるよ、灯ちゃん!!


にうこ⇨(トンネル)⇨ぬえさ⇨(トンネル)⇨ねおし⇨

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