表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レッド・クイーンズ ~天織灯のあくまな怪盗生活~  作者: 麻莉
2章 6月 涙の暴雨、天舞う朱は侵界を祓う
71/193

15話 カラードレスが流行

評価、ブクマなどありがとうございます!!



 真夜中の教会の中は月の光がステンドガラスに当たっていても薄暗いため良く見えないが、壁は白を基調とし、所謂正統派な作りだと思う。

 上には美しいステンドガラスがはまっており王道な雰囲気になっている。

 真ん中は高級感のあるレッドカーペットに左右には重厚感のある木製の列席椅子が備え付けられている。奥には低い3段ぐらいの階段があり、その先には神父がよく使っているかもしれない教卓のような縦長の机がなくなり、横長の机の上には男性が横たわっていた。170cmぐらいの男性で白いタキシードを着ており、微動だにせず、両手を胸あたりで組んでいた。


「あれはね……悟よ。……当然、幻覚だけど……ワタシ自身は幻覚で作り出されたあらゆるものを触れることができる……兵器とか物騒な物を使わないのか疑問よね……この力はそんな万能なモノではないわ……まぁ、良いわ。さ・よ・お・な・ら」


 持っているレイピアを突き刺す動作を行う。

(これで最後だわ……全部終わったら貴方の元へ向かいます……)


「っ!!」


 気づけば持っていたレイピアが地平線の彼方に放物線を描くように飛んで行っていた。

「邪魔……しないでくれるかしら? 怪盗さん……」


 ワタシとあの男の間にいたのは先日、戦った赤怪盗さんだった。

「貴方を救いにきました……」


「うわぁぁぁぁああ」

 男はいつの間にか白い糸の様なものに巻かれており、いつの間にか割られていたステンドガラスの向こう——外へ飛んでいった。


「私の仲間が彼を安全な所に避難させたわ」


「どうしてよ……貴方はあいつが何したか分からないからそんなことができるのよ……あいつは……」


「協力者のおかげで貴方の情報は手に入れているわ……勿論、あの男が何をしたのかもね……」


「だったらぁ!! 邪魔しないでくれるかしら。あいつを殺せば全てが終わる……そしたらワタシは……」


「自分も死んで終わるかしら??」


「察しが良いのね、怪盗さん……」


「このまま私に成分をくれませんか?」


「答えは——NOよ。アイツにもワタシと同じ絶望をさせるわ。この力でね!!!!」


 回し蹴りされ、足が左腕に当たり吹っ飛ぶ灯。

 木製の椅子に激突し、破壊される椅子。倒れる灯。


「熱っ!!!」

 左腕に火が付与されており右手を叩き、鎮火する。


「その姿……」

 キツネ型のソドールは先程までの純白のウェディングドレスが変わり、黒と赤を基調としたドレスになっていた。首元から胸の上部分とお腹の位置辺りは漆黒の黒色になっていて胸部分は黒と赤が融合した色合いになっている。足を隠しているドレスのスカートは燃える炎、煮えているマグマを彷彿されるものになっていた。


 火属性が使えるドレスか……この教会は壁は問題ないと思うが周りに置かれているのは木製の物ばかり……燃え移れば辺り一面火の海だ。


 キツネ型のソドールはその場で1回転し黒と赤のドレスから黒と緑を基調としたドレスに変わっていた。肩から胸の上部分が露出し、魚の鱗のような模様が上部分を支配している。お腹の辺りからドレスの裾までは嵐が吹き荒れているのをイメージしている様な模様が付けられている。


 キツネ型のソドールは左手をくねくね動かすと小さい竜巻が出現し、何処かへ飛ばしている。

 飛ばされた小竜巻は灯が飛ばしたレイピアと融合し、レイピアが1人でに宙を舞い、キツネ型のソドールの所に馳せ参じた。


 あんな使い方もできるのね……だがここで引く訳にはいかないと【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)を構えた瞬間……鋭い風が横切り、灯の頬に一筋の傷がついていた。


「なに……?」


 嘘でしょう……殺傷力高すぎじゃない?? あと1歩横にいたら鋭い風の餌食になっており顔が貫かれていた。

 通過した風は私の後ろに位置している壁に激突し煙が立っている。

 私とキツネ型のソドールの距離は大体、5メートルってところまで離れている。

 それにも関わらず、頬に傷ができるほどの速度が発生させていた。5メートル程でこの威力。距離が近づくにつれて速度の威力が上がっているから行動をミスれば私の身体が木っ端微塵になる可能性がある。

 なら、方法は1つ……


 私は後ろに下がり、【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)をしまいクイーンズブラスターASKだけにした。

 キツネ型のソドールに向かって連射した。1方向だけではなく、相手が逃げれないように弾幕のカーテンをつくる。


 キツネ型のソドールは臆することなく私に向かい走り出す。銃弾は風の影響であらぬ方向に飛び回りキツネ型のソドールに当たらなかった。


(だったら……)

 赤のスライドキーを外し、【太義の蛮輪】(ブロ・ウォーガー)へ切り替えようとする。

 【太義の蛮輪】(ブロ・ウォーガー)が変形するとスコープ付きのライフルになる。このライフルは連射すれば相手に当たるまで飛び回る追尾弾。


「させないわ……」


 左手から出現した風が私の方に向かって投げた。

 投げられた風の塊は【太義の蛮輪】(ブロ・ウォーガー)にぶつかり、反対側にある木製の椅子の何処かに飛んで行った。


「——っ!」

 しまった……取りに行きたいが、視界が悪い……なら……


『カメラ』

 灯は【カメラ】を起動し発動した。

【カメラ】を1台召喚し、灯の頭上に人工的な光源のLEDライト内蔵の蛍光灯出現させた。

 照明が無ければ室内では十分な明かるさ得られず、著しく制限を受ける。

 薄暗い状態で戦闘を続ければ目が慣れ、見えるかもしれない。しかし、キツネ型のソドールは灯に対して殺傷力が高い風属性の攻撃、燃え盛る火属性の攻撃、まだ見せない2種類の攻撃が姿を現していない為、光源を出現した。光源を出しておけば少なくとも視界にうつる景色が正確に早く認識ができる。

【カメラ】のおかげで教会内の状態が良く見えている。

閲覧ありがとうございます。


飛翔せよ【太義の蛮輪】(ブロ・ウォーガー)!!

「た、助けてぇ!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ