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レッド・クイーンズ ~天織灯のあくまな怪盗生活~  作者: 麻莉
2章 6月 涙の暴雨、天舞う朱は侵界を祓う
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13話 攻略本は観賞用

「あの……ソドールの情報を……」


「あぁ!! そうであったな!! こちらが例の血塗られた混沌狐の記録ブラッディーレコードだ!!」


 どこから出したのかA4サイズの茶封筒を灯に渡す近藤。

 中身はキツネ型のソドールの情報やターゲットの情報が書かれていた。

 ターゲットの名前は吉津峯鞠きつねまり(28歳)

 株式会社 アクプロ・センティングの元会社員。

 現在はスタジオ・久米くめの写真館の受付をやっている。


 キツネ型のソドール。

 身体はキツネが人間サイズになった姿。着ている衣装はウェディングドレス。

 姫が戦っている時にウェディングドレスのカラーリングが変わったと報告を受けたため近隣を調査した。するとあちこちで小さな竜巻の渦が発生し、竜巻の隙間から緑色の服が見えたと目撃情報があった。

 更に、ここ数週間で様々なカラーのウェディングドレスを着た奇妙な人影が目撃され、カラーは現在、赤・青・緑の3種類あることが確認された。

 3つは属性と考えても良さそうだ。まだ、あるのかは不明だ。

 このことから、キツネとドレスのタイプと予想される。キツネの方だが姫が体験した事象と古くから言われていることからキツネに化かされたと考えられる。恐らく、キツネ型のソドールが教会に入った時に能力が発動するタイプと予想され、キツネ型のソドールが入れた人間に幻覚を見せて動揺させてから持っているレイピアで刺し殺す手口。

 実は姫達がいた教会の中に警察が踏み込んだ時には天井に吊るされている人はいなかったが、木製の椅子には1人の死体が発見された。あまりにショッキングな遺体だったためマスコミに伏せているが我が盟友から情報を買い、遺体の情報を入手うした。再度、伝えるがとても残虐な状態なため耐性がない人は見ないことを強く勧める。(封筒の中に写真がある)

 このあまりに恐ろしい事件はこれで2件目だ。2件の遺体は全てターゲット吉津峯鞠が働いていたアクプロ・センティングの社員であることがわかり警察は3人に恨みを持っている者の犯行で捜査に進めている。

 半年前にアクプロ・センティングの社員が屋上から飛び降り自殺する事件があった。名前は上木悟うえきさとる。ターゲット吉津峯鞠の元婚約者。

 屋上に上木の物と思われる革靴と近くには遺書が残っており、会社に残っている上木の字と照合し上木の物と確認され、1度は警察が自殺で片付けた。

 しかし、近くに住んでいる住民の1人が自殺した時間の1時間前に4人がビルに入ってい行く目撃情報があった。なぜ、それが後から発覚したのか。目撃した住民がその日から1週間位、出張に出ていたためと間の悪い状態になっていた。

 捜査して4人のうち、上木と殺害された2人の社員。あと1人は今日、海外から戻ってきたと情報を掴んだ。

 彼の住所はーーーー


 最後に、幻覚を破りながら多種多様なドレスを切り替え姫を襲ってくる……。

 気をつけてくれ                            



                            白夜煇ホワイトゲースより



 レポートを読んだ灯は近藤に御礼を言った。

「近藤さん。ありがとうございます!!」


 すずちゃんと何か熱く語っている近藤さんが私の言葉に反応し向きを変えてくれた。


「近藤などと平凡な名は知らぬ!! 我輩の名前はーー」


「それ、もういいから渡し終わったらさっさと帰って寝なさい……」

 クロが目を細め、近藤さんの状態がわかったらしく、促した。


「流石だ!! クロ殿!! 実はここ最近、我の邪眼が疼いてしまうのでな」


 あぁ〜 近藤さんの目の下、隈ができている。相当眠い状態なんだね……。


「では、失礼する!! 麗しき姫君達!! 武運を祈っているぞ!!」


「さっさと帰りなさい……」

 璃子さんは手の平を下に向けて指を上下して仰ぐようにハンドサインしていた。


 豪快な人がいなくなり途端にリビングが静寂に包めれた。


「……」


「……」


 この状況に一筋の光をもたらしたのは……すずちゃんだった。


「ねぇ!! 灯!! 見てこれ、さっき近藤さんに貰ったサイン」

 私に見せてきたのは近藤さんが書いたすずちゃんへのサインだった。


     すず姫へ


           我が心の友よ


                    白夜煇ホワイトゲース



「家宝にしよう!!」

 余程、嬉しかったのかその場でジャンプしたり私や綾ちゃんに近藤さんの魅力を伝えたりと、良い情報をたくさん伝えてくれた。近藤さんの魅力を簡潔に伝えることも可能だと思うが、それよりも伝えたい気持ちのほうが勝って、簡潔に伝えたい気持ちとの葛藤ですずちゃんの声が段々、早口になりヒートアップしていた。



 クロはヒートアップしているすずちゃんの首根っこを掴んだ。

 母猫が子猫の動きの自由を制限するために首を軽く掴んで大人しくさせるようにすずちゃんは次第に身体の熱が消火されていき、リラックス状態になっていた。


「ある程度、情報は集まったわね……。問題は幻覚空間の攻略とドレスの数だね」

 そう、幻覚空間は目や耳を塞いでも関係なく発動してしまう場合、こちらには対処する術がない。幻覚は暗い所で見えることが多い。今回のような薄暗い教会の中も含まれる。これは教会を明るく、見通し良くすればなんとかできる。日中は外から光を上手く取り入れ、日が差さない時間帯は照明で明るくするなど、環境を整えることで見間違いによる錯覚は防ぐことができる。

 これらの対処しないとその空間の光景が本人の中では、幻覚が真実であると思い込んでしまう。例えそれが幻覚、幻であっても、誰しも自分が信じているモノを頭ごなしに否定されれば、憤りを感じる。あの時の教会内での戦闘で悲惨な光景を見てもあれが幻影を想わなかったのはキツネ型のソドールの幻影に相手の意識に直接干渉し、見た光景を信じ込ませる能力。

 まさに、狐が人間を化かす現象と似ている状態になっている。


 1番良いのは、錯覚を誘うものがあれば排除すること。今回の場合なら、教会か発動元のキツネ型のソドールを教会の外にいる段階で成分を抜く方法の2つ。


「上等じゃない、この前のようには行かないわ。待ってなさい、キツネ型!」

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