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レッド・クイーンズ ~天織灯のあくまな怪盗生活~  作者: 麻莉
2章 6月 涙の暴雨、天舞う朱は侵界を祓う
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7話 コンコンアート!は準備中?

 ””狐の嫁入り””

 諸説あるが、昔、日が照っているのに雨が降ることは、説明のつかない現象の1つとされていた。

 そして、狐の嫁入り行列は、人に見られてはいけないと古くから伝えられている。

 それは何故なのか。

 その真相を知っている者は果たして......



 1歩1歩階段を降り、降りながらキツネ型のソドールは私達にこう言った。


「ワタシの結婚の飾り付け見つけた」

 中段ぐらいの位置でジャンプして持っている剣で突きの構えをしてこちらに向かってくる。


「「きゃぁぁあぁぁああぁぁぁぁぁ」」

 2人の叫び声は轟いた。



 すずちゃんと綾ちゃんは恐怖ですぐに足が動かずその場に立ち尽くしていた。


 私は持っている袋をキツネ目がけて投げた。

 投げた袋は剣に刺さりキツネの視界を奪うことに成功した。

 今のうちに......

 2人を勢いよく押したことで、2人はその場で尻もちした。そして......


「2人とも逃げてぇぇぇぇっ!!」

 私は2人に鬼気迫る勢いで声を荒げた。

 2人はそれで状況が判断でき、立ち上がり袋を捨てて逃げた。

 あんな大きな袋を持っていると機動力を失い、逃げ遅れてしまう。

 さっき私がやったように袋を投げて視界を悪くすることはできるが、そんなことをやるなら逃げる方が得策だ。


「逃さないわよ、ワタシのアートにしてあげるわ」

 目の前の灯に目もくれず逃げる2人を追うキツネ。


「逃すわけないじゃん!!」

 灯はキツネの足を払い、キツネは前から倒れた。

 すかさず、逃げる2人の門番のように前に移動する灯。


「邪魔するんじゃないわよ。若い女の子の悲鳴が入った飾りが欲しいのよ」


「そんな悪趣味に付き合うのなんてごめんよ」

 懐からクイーンズブラスターASKを出し、赤いスライドキーを入れた。

『レッド』!! 


「変身!!」


 私は腰まで伸びている真っ赤な髪、モデル体型のような細い体は烏の羽のような艶のある黒色のワンピース・ドレスに包まれている。ドレスの上に羽織っている深みのある華やかなワインレッドカラーのコート。右手には【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)を持った。



「うん? 貴方、面白い子ね!! ......気に入ったわ、先に貴方をワタシのアートにしてあげるわ!! 貴方のような素体は初めてよ!! 腕がなるわ!!」


「生憎、アートは見る方が好きなのよ、私」


 私は【裁紅の短剣】(ピュニ・レガ)を逆手に構え、クイーンズブラスターASKを使ってキツネ型のソドールに銃弾を撃った。


 撃った弾はキツネ型ソドールが華麗に回避した。左右に移動したり、時にはジャンプして空中で回転して弾が当たらないようにしていた。

 履いているヒールをものともしないのか、バランスが崩れることなくお互いの武器が交わる。

 ケーキ入刀用かどうか分からないが、今、キツネ型ソドールが持っているレイピアは殺傷力が高いことは今、戦っている私が一番実感している。


 キツネ型のソドールは尾を振っていた。

「最高だわ、貴方!! 益々、ワタシのアートに相応しいわ」


「......」


「あら、無反応? それもそれでそそるわね!!」


 ヒールを履いているのにそれを物ともしない走りで私に向かってきた。

 キツネ型は緩めることなく、私にレイピアをぶつけてきた。

 あっちの方がリーチが長いため、近づけない。

 そして、何より、コイツ、ずっと笑いながら戦っている。

 しかも不気味な笑みを浮かべながら私の方をじっくり見ている。

 口角を上げ、白い歯を見せながら笑みを浮かべているもんだから、ホラーや恐怖番組に出てきそうな奴みたいで寒気がした。


 キツネ型のソドールがレイピアを上げ、振り下ろした。

 私は身体全体を右側にジャンプして避け、左足だけで着地し、力を溜めながら、今度はキツネ型のソドールの後ろの位置に行くように右斜めに円を描くようにジャンプし、右足を曲げ、そのままキツネ型のソドールの後頭部目がけて蹴り出した。


 だが、右足の足首をキツネ型のソドールの左手に掴まれた。


(しまった......レイピアで刺される)

【カメラ】起動までは時間がかかる。

デコイを呼び出し余裕がない。


しかし、なぜか私をレイピアで串刺しにしないで、おもいっきし振り回され、投げられた。

(どうして......?)


 今この場で灯を刺し殺せば、終わるのにコイツはそうしなかった。

 なぜなのか。灯の頭には疑問だらけだったが、それは後回しにしよう。

 問題は、どこまで飛ばされるのか。

 勢い良く振り回されたので目が回り、正確な方角が分からない。

 着地地点が柔らかい場所なら衝撃が和らぐが激突場所が硬い場所であった時はもしかしたら逝くかもしれない。

 そして、激突したのは幸か不幸か先程、キツネ型が外に出てきた教会の両扉だった。

 柔らかくもなく、かといってめちゃめちゃ硬いわけでもないが取り敢えず助かった。

 灯と接触した事で扉が内側に両開きになり、そのまま灯は教会の中に転がっていきながら入ることになる。


 教会の中は薄暗いため良く見えないが、壁は白を基調とし、所謂正統派な作りだと思う。

 上には美しいステンドガラスがはまっており王道な雰囲気になっている。

 真ん中は高級感のあるレッドカーペットに左右には重厚感のある木製の列席椅子が備え付けられている。奥には低い3段ぐらいの階段があり、その先には神父がよく使っているかもしれない教卓のような縦長の机が置いてあった。


 教会の中で多分、中間の位置で転がり疲れたのか勢いがなくなり、解放され仰向けになっていた。

 転がり過ぎて頭の頭上には鳥さん達がポヨピヨと時計回りに等間隔で回っている感じがした。

「こんな状態じゃなければ、煌びやかな中を皆とじっくり見たいのにな……」

 いつキツネ型のソドールが来るかわからないし絶賛戦闘中のためそんなほのぼのとした展開はひとまず消すことにした。

 早急に立ち上げり迎え撃つことにした。わざわざ、教会の中に入れたということは何かあると考えるのが妥当。


「フフフフ……」

 不気味な笑みをこちらに向けながら歩いてくるキツネ型のソドール。


「入ったわね……。ようこそ、ワタシ世界へ」


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